公開日: 2023/12/04
更新日: 2023/12/20
今回はヤマハの本格的スポーツモデル、新型「YZF-R125」をバイクジャーナリストの小林ゆきさんがサーキットで試乗インプレを行いました!
YZFシリーズはR1、R6、R7、R25やR15もあって、その末っ子として満を持して、R125が登場しました。125ccですから小さくて軽いと思いきや! と思わせるのが今回のR125ですね。魅力の虜になっております。
またがって最初に驚いたのは、ライディングポジション。ハンドルはセパハンで幅は狭く取ってあるので、左右の手元幅に関してはもちろん狭いんですが、座っている位置とハンドルの位置関係や、足元は「本当にこれ原付2種なんですか?」と思うぐらい小ささを感じさせないですね。
そして、サーキット走行して思ったのが、スポーティーでフルカウルな部分を狙ってはいるものの、案外ハンドルに対しての重心位置が前すぎるわけでもなく、ちょっと後ろめに座らされている感じがするんですよね。それが不思議と走りに余裕を持たせてくれています。
本当に街中で乗りやすい、125に感じさせないようなポジションですし、かといってスポーツライディングで前傾にもなりたくなるんですが、そこまでしなくてもちゃんとスポーツできますよと、全然フリーニーズのまま、くるくる回れちゃいます!
街中や峠道あたりを想定して高めのギアでゆっくり走っていますが、エンジンが単気筒水冷なんですけどドロドロドロッと、小さいバイクとは思えないような音がします。
そして、おそらくレッドゾーン1万回転ちょっとで、常用が6000回転7000回転あたりだと思いますが、7000回転目に切り替わるというシステムが入っております。走らせていてその回転域で何か音がすることはなく、シームレスに回転域のトルクがモリモリとエンジンパワーを路面に伝えてくれています。
タイヤは前後バイアスで、前は100/80、後ろが140/70と、太いタイヤを履かせています。連続コーナーするようなところでもしっかりリアが支えてくれますし、コーナリング特性に関してはとにかく素直で、サスペンションは少し硬く感じますが、スポーツをしはじめるとこれがまたちょうどよくなっていくわけですね。
ちょっと回転を上げていきます。コーナーで少しお尻を落とすと、ステップがかかとのあたりにちょうど良い所にあります。しっかりニーグリップもするとセパハンが気持ちよくなってきて、走行している路面が結構パッチが多くてウネウネしているんですが、しっかりサスペンションが吸収してくれるのでハンドル部分にあまり影響がないですね。
せっかくなのでトコトコ走ってみると、ギア5速のままタイトなコーナーを走ってもエンストすることもなく、6速で50kgぐらいの極低速・極低回転でもスロットルがしっかり反応してエンジンがドコドコいっていますね。このあたりもやはり最新の技術で125を作ると何とかしてくれるんですね。
ライダーのテクニックを助けてくれるところ、これは初心者ライダーにとっても非常にありがたい!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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極低速・極低回転でも走行性バツグン!
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