公開日: 2026/07/15
更新日: 2026/07/16
スクランブラーを名乗るモデルが各メーカーからリリースされている。しかし、大排気量でハイパワーな輸入モデルが、オン・オフを自由自在に走破できるのか?イタリアの老舗ブランド・ファンティックのキャバレロ・スクランブラーは、軽量かつ秀逸なディメンションでスクランブラーの本来あるべき姿を現代に伝える、唯一無二の存在である。
モータリスト代表・野口英康さんがファンティックを知ったのは2017年のEICMA(イタリア・ミラノで毎年開催される世界最大級の国際二輪車展示会)であった。展示されていたのは赤のキャバレロ・スクランブラー。
「ファンティックのことはイタリアの老舗ブランドということ以外、何も知らなかった。ただデザインの良さに強烈に魅かれたんです」
しかし、日本での販路を構築するには心配な要素(1995年にファンティックは倒産し、2003年に復活)があり、輸入権を得ようとは考えなかった。しかし翌年のEICMAでファンティックは、展示車両を用品ブランドブースにまで拡大していた。つまりヨーロッパでのブランド力と地位を既に定着させていたのである。野口さんは2018年末に正式に日本での輸入権を取得。翌2019年3月にコロナ禍で東京モーターサイクルショーが中止となるなか、3台のキャバレロ・スクランブラー(500・250・125)を輸入し、サインハウスのショールームで発表会を行ったのだ。
「まず注目してくれたのはベテランライダーでした。既存のスクランブラーは名前だけで、オン・オフ両方をちゃんと走らせられるモデルではないことを経験した人達です。キャバレロはパワーこそ他社のモデルに劣りますが、バランスの良いシャーシでコントロールしやすく、結果的に速く走ることができるんです。こういう商品はオートバイを知り尽くした開発陣にしか作れない」
2004年にアプリリアがピアッジオに吸収合併された。その時にアプリリアの敏腕開発陣がファンティックに移籍したのだという。モトGPにも参戦する確かな技術力が、ファンティック製品の完成度を飛躍的に向上させた。オールイタリアンのスタッフが伝統ブランドのプライドと共に、良い意味で「肩の力を抜いた」製品づくりを行っている。
「大排気量の外車スクランブラーを買っても『これではオフには行けない』ということになる。そんなユーザーは国産のオフロードモデルを選択しないんです。自由自在に操れてデザインも良いとなると、キャバレロ・スクランブラーはベストな選択です」
ファンティックを取り扱うようになって6年目、ブランド周知の為に各地で様々なイベントを開催している。だが、現在に至ってもキャバレロ・スクランブラーを知らないユーザーが多数存在する現状がある。
「試乗したお客様は、必ずいい評価をしてくれます。とにかくシャシーバランスが良いので、ライダーの技量は関係なく気持ち良く走ることができるからでしょう。スクランブラーは前後17インチである必要はない。キャバレロはある意味ヴィンテージテイストのハンドリング(前19/後17)ですが、ちゃんとしたタイヤを履けばこれが最も汎用性があり、オン・オフでもコントロールしやすい……。我々の自慢はファンティックが殆ど中古市場に出回っていないことなんです。つまりユーザーが手放さない」
輸入車に起こり得る、アフターサービスの憂いもファンティックには見当たらない。モータリストのスタッフは野口さんを含めて全員がバイク乗りで整備士免許を持ち、英語が堪能である。ファンティック側とは常に意思疎通を図り、情報を共有している。パーツ供給も1週間のサイクルで入庫しているので、ストックも含めて全く問題はない。
「モータリストは人と人との関係性を何よりも優先します。大きな利益を得ることより大切なのは、僕たちと同じようにオートバイが大好きなディーラーさんとユーザーさんの為の確かなネットワークを、しっかり構築することなんです」
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