公開日: 2023/01/05
更新日: 2023/01/05
ヤマハは本年PAS発売30周年となるが、電動アシスト自転車のパイオニアであるのは周知の通り。その電動アシスト自転車の中で、走る楽しさを追求したスポーツ電動自転車(e-Bike)シリーズが『YPJ』。近年の全世界的なe-Bike人気拡大の中で広がりを見せているE-MTBやグラベルロードバイク人気の後押しもあり、e-Bikeファンから注目されているシリーズだ。
そのような中、ヤマハはYPJユーザーやe-Bikeに興味を持つ人を対象とした、ビギナー向けの『YAMAHAe-Bikeオフロードレッスン』を昨年11月に東西2会場で実施した。初開催の11月19日、レッスンの会場となったのは東京都稲城市の「スマイルバイクパーク」。2回目は、11月27日に京都府南丹市の「京都向山シクロクロスパーマネントコース」。約1時間のレッスンを4回繰り返すというプログラムで、1レッスンにつき定員10名、参加費用は無料。
今回は本年の本格開催に向けたニーズ確認もあり試験的な内容&費用での開催のため、車両(『YPJMTPRO』『YPJ-XC』のほか、京都会場では『WABASHIRT』も用意)やプロテクターやヘルメットも無料でレンタルとなっており、参加者は手ぶらで会場に行ってもレッスンに参加可能となっていた。
YPJオーナーは自分の車両を持ち込んでの参加も可能。定員は1レッスン10名となっており、1日4レッスンなので各会場40名だが、定員を超える参加申し込みがあったという。インストラクターは各会場2名で、東京会場ではMTBインストラクターの内藤仁雄さんと国際ママラリースト兼ヤマハインストラクターの増田まみさん、京都会場ではシクロクロスライダーの竹之内悠さんと東京と同じ増田さんがそれぞれ務めた。
レッスン内容は大きく3ステップに分かれており、最初のステップではオフロードを走る際の基本姿勢を習得。第2ステップでは実際にオフロードコースを走行。最終ステップではビギナー向けレッスンとは言いながらも、スラロームなど、より複雑で難度の高いコースに挑戦という内容。これを約1時間で行う。
オートバイの『ヤマハライディングアカデミー(YRA)』を取材したことがあるが、YRAは1日を通したレッスン。それと比べて「1時間は短いのでは?」と始まる前は思っていたが、いざ始まると実はそうではなかった。ペダルを漕ぐのはモーターがアシストしてくれても、体や自転車の姿勢制御は自分でするので、レッスン後の参加者はスポーツを楽しんだ後のような、ほどよい疲労感を感じている様子だった。
このような規模のレッスンは初開催だが、昨年4月の『YPJファンミーティング』にレッスンメニューを盛り込むなど、以前から小規模レッスンは行っていた。今回は、その経験と、YRAを実施しているヤマハならではの長年蓄積してきたノウハウが盛り込まれており、単にe-Bikeを楽しむということだけではなく、「安全」も重要なキーワードとなっていた。
需要が拡大するe-Bike市場だが、「需要拡大期は必ず事故も増加する」ことを、ヤマハはオートバイの経験則で知っている。需要が拡大している今だからこそ、安全普及活動が大切なのだ。
今回のレッスンをテストケースとしてさらに内容を煮詰め、2023年は最低でも年間4~5回のレッスン開催を計画しており、春先にはスケジュールを発表する予定だという。 さて、今回、東京会場のレッスンを取材していて感じたのは、バイクで会場に訪れる参加者が多かったこと。3~4割はライダーだっただろうか。バイク乗りとYPJの親和性は高そうだ。
YPJを販売するショップには、『YPJ取扱店』と『YPJPROショップ』の2種類がある。自転車技師/自転車安全整備士の資格保有を基本とし、2種類のショップ取扱要件を満たせば一般的なバイクショップでもYPJの取扱が可能になる。
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