公開日: 2025/01/24
更新日: 2025/01/24
大好評の足つき比較企画“第3弾”「125cc最新スクーター11台足つき比較」! 今回もユーメディアの横浜新山下店さんご協力のもと、バイクジャーナリスト小林ゆきさんがホンダ、ヤマハ、スズキ、ベスパの計11台を足つき&メットイン比較! ぜひバイク選びの参考にどうぞ!
私のスペックは身長160cm、手足が結構短め、体重は50kgです。腕も足も同じぐらいの身長の方より4cmずつ短いだけでなく、肩幅もちょっと狭いです。なので身長150cm台前半の方にも参考になるスペックではないかと思います。
・ホンダ「PCX125(2024)」 シート高764mm/装備重量が133kg
やはりエンジンが水冷なのでやや重いです。シート高は、横に並ぶとサイドスタンド状態で少し腰掛けられるくらいですね。ではまたがってみたいと思います。スクーターと思うとサイドの張り出しが気になりますが、その分フレームはしっかりしているのと、フロアはフルフラットではないので、前から一生懸命足を上げるか、オートバイのように後ろから足を回すのも良いと思います。
足つきはやはりシートの張り出しがあるので、つま先がかなりつんつんで、親指の付け根の母指球は付いていない状態です。では車体を起こしてみると、左足で少し押したらそのまま起きるぐらい軽いです。踏み替えはしっかり乗車した姿勢だとやはりスクーターの幅が広いので両足は着かないですね。ですが車両が軽いので楽に踏み替えできます。サイドスタンドも楽々払えます。
ではセンタースタンドが付いておりますので、小柄さんに代わって小林ゆきが挑戦してみます!センタースタンドを踏んで、テールに指先を引っ掛けて・・・・軽っっ! 下ろすのは、ちょっと力が入りますが勢いがなくても下ろせました! 最後にメットイン確認ですが、ARAIのフルフェイスが入りました!まだ後ろにスペースがあるので、カッパやカバンを入れておくこともできそうです。
・ホンダ「DIO110(2024)」 シート高760mm/装備重量96kg
前後ホイールが14インチということで少し大きいのですが、車重は100kg切っております。足つきも期待できるかと思いますので、早速またがっていきます。
フロアはフルフラットで、車体がコンパクト。もちろん前から足を乗せられて、ちょこんと真ん中に座れます。そして乗車姿勢でも足の母指球がしっかり着いて膝も少し曲がっています。では車体を起こしてみますが、もちろん軽い! もう手なんか要らないです。足の踏み替え、サイドスタンドも何も考えずに楽々できます。
ではセンタースタンドをかけてみたいと思います。手をかける所はたくさんありますが、ちょっと遠い・・・・けど軽い! メットインは、フルフェイスだと入らず、ジェットヘルメットなら入りました。
・ヤマハ「JOG125」 シート高735mm/車両重量95kg
前後ホイールが10インチということで、ホイールベースも短くてキビキビ走れます。コンパクトっていうのが売りになっておりまして、非常に軽くなっております。
横に並ぶと本当にコンパクトですが125なので、それなりにゆとりのある感じがします。フロアはフラットで結構広いですね。ではこのまま座ってみますが、びっくりするぐらいシートが低い。片足ベタつきで、膝も曲がっています。車体を起こした状態でも両足が届き、サイドスタンドもすぐ近くにあって軽いです。
センタースタンドをかけてみたいと思います。グラブがプラスチックでエンボス加工がしてあって滑りにくく、私の短い腕でもとても握りやすいです。ではかけてみますが・・・・なんと!! 力をかける必要なく簡単にかけることができました。メットインは、フルフェイスは入りませんでしたが、ジェットヘルメットはしっかり収まりました。
・ヤマハ「シグナスグリファス」 シート高785mm/車重125kg
前後ディスクブレーキや、600mmのペットボトルが入る、エンジンパワーが12馬力ということで、いろいろ装備が充実しているのが特徴です。シート高はスポーツバイクと変わらない高さとなっています。
ではまたがってみると、シートはフルフラットなんですがやはり高いですね。前の方にちょこんと座っているだけなんですが、かかとは上がってしまいます。乗車姿勢までいくと爪先つんつんです。フロアの位置も高い。車体を起こすのは軽いですが、足つきは更にきつくなってしまいます。サイドスタンドは近いところにあって、すごく軽いので出し入れが楽です。
ではセンタースタンドをかけてみましょう。スクーターには必ずセンタースタンドあるんですよね。握り込めるグリップがあり、力は要りますがある程度上がってしまえばふわっと軽くなるポイントがあって簡単に上げることができました。メットインは、収納スペースの下が絨毯のようなマテリアルになっていて傷がつきにくくなっています。フルフェイスヘルメットも楽勝で入りました。
・ヤマハ「NMAX125」 シート高765mm/車重131kg
ホンダのPCX125と迷う方がいらっしゃるかなと思います。では実際にまたがってみるとどうでしょうか。
フロアはフルフラットではなく、だいぶ低いところに足を置く場所があります。座ってみるとスペック以上に低く感じて、片足ベタ付きです。では車体を起こしてみますが、重心位置がだいぶ低いのでずっしり感はございません。もう足の力だけで起こせます。起こした状態での足の踏み変えも両足のつま先が着きますし、サイドスタンドも届きます。
それではセンタースタンドをかけてみたいと思います。掴める場所が後ろなので力をかけ辛いんですが・・・・センタースタンドの位置も結構後ろにあるので全然大丈夫でした! あんまり引っ張り上げる力は要らないですね。楽にセンタースタンドがかけられました。メットインは、シート下の容量が23Lということで数字的に少ないなと思いましたが、フルフェイスが入りました!
・ヤマハ「アクシスZ」 シート高770mm/車重100kg
前後10インチでシート下のスペースが37.5リッターも入るということで、少し前後が長いです。では早速またがっていきましょう。ステップがフルフラットなので、前から足を入れてまたがってみると、太ももの部分が細身なのでそこまでシートの高さを感じません。
では車体を起こして足を踏み替えますが、前の方に座った状態だと両足がしっかり着きます。サイドスタンドは、軽くてゴムが入っているので良い音がします。センタースタンドは、握りやすいところにグラブバーがあって足の位置も近いので力をかけやすいです。楽にスタンドをかけることができました!
メットインは、アクシスZの特徴である37.5Lの広いボックスは、私が愛用しているARAIフルフェイスだと高さが引っかかってしまいましたが、メーカーによっては入ると思います。ジェットタイプなら2つ入るそうです。
大雑把に言うと3つポイントがあります。まず1つめはエンジン。大体水冷か空冷の2種類ありますが、長距離やツーリングも楽しみたい、通勤通学がまあまあ距離走りますよという方は、水冷を選んでおくとエンジンの滑らかさやパワフルさを味わえると思います。
2つめはコンパクトさ。あまり距離を走らない、あるいは結構都心部に住んでいて、駐輪場が狭い方は、例えばジョグのようにタイヤが10インチのものを選ぶと、結構コンパクトにキビキビと走れます。
3つ目は、ホイールベース。メーカーさんが出しているスペック表に“軸間距離”と書いてある場合があります。これは前後ホイールの長さなんですが、これが長くとってあるものは直進安定性に優れていたり、荷室が大きいので結果的に長くなっている場合もあります。なので荷物をいっぱい積みたい人、直進安定性が欲しい方はホイールベースが長いものを見てみるといいかもしれません。
色々お話しましたがスペックを見て悩むもよし。または今回場所をお借りした「ユーメディア横浜新山下店」さんは全車にまたがれるので、しっくりくるものやデザインで選ぶというのもよし。長年の相棒になるかと思いますので、気に入った1台をぜひ見つけてください!
●撮影協力:ユーメディア横浜新山下様
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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