公開日: 2024/12/11
更新日: 2025/01/08
国内最大級の業者向けバイクオークションを運営する「株式会社BDS」。全国のバイクショップから毎週様々なバイクが出品される柏の杜会場には、希少車・名車・ビンテージバイクが集まる「プレミアムオークション」というコーナーがあります。今回はプレミアムコーナー出品車両のなかから、バイクジャーナリストの小林ゆきさんが気になる車両をピックアップ! BDSバイクセンサー加盟店はすべて「BDSオークション会員」です。バイクをお探しの方は、BDSバイクセンサー加盟店舗にご相談ください。
・カワサキ「Z1」
私もこの仕事を数年やっておりますけれども、しばらく紹介していなかった往年の名車を見つけました。初年度登録は分からないんですが、1975年前後ぐらいの車両ではないかと思います。Z1といえば、空冷でカワサキの往年の名車ですよね。Z1が900、そしてZ2が750ということで、この900の方はほぼ輸出車として作られました。なので、メーターがマイルメーターになっていて、最高速が160マイルということで、これに1.6をかけるとなかなかすごい最高速が出たのかなというふうに思います。出品車両にはBDSが独自の精密な検査を行い点数がつけられているのですが、70年代の車両なのに今すぐ乗れちゃうような点数がついております。
中古車両には当時のまま残っている車両、前のオーナーさんが直しながら丁寧に乗られていた車両、そしてフルレストアがかけられている車両など色々あります。こちらは恐らく、オーナーさんが直しながら丁寧に乗ったんじゃないかなという風情が見受けられます。その一つがまずメーターです。フルレストアだと結構手を入れる場合が多いんですが、レッドゾーンの赤が日に焼けてちょっと白っぽくなっているのが、恐らく何にも手を加えてない状態じゃないかなと思います。
あとスイッチ周りなんかも所々剥げてるところが、そのままずっと乗り続けたのかな。そしてもう一つは、エンジン周りでしょうかね。やはり70年代の車両なのでレストアしてるか、してないかというあたりなんですが、大体見分けるポイントとしてはガスケットですね。フルオーバーホールしていると、ガスケットの端にビカビカ新品のものが付いていたりしますが、その辺りは開けてなさそうです。ただし意外とメッキが新品に変えてあるので、やっぱりお手入れはかなりされていたと思います。また、全体的にビカビカに見えるポイントは外装ですね。塗り直しではなく社外品で、タンク周りだったりエンブレムやシートも綺麗なものに変わっています。
ということで、古いバイクは色々選び方があると思うんですけれども、年式・走行距離にとらわれず、元のオーナーさんや出品店さんがフルレストアしているのか、あるいはお手入れをして出しているのか、そのまま倉庫に眠っていたのか、その辺をぜひ見極めて探されるといいかなと思います
・トライアンフ「スラクストン1200 RS」
古い、新しい、レーサー、そしてオフロード車など色々な出品車両が並んでいますが、私がピックアップしたいのがこちらのスラクストン1200RS。2023年にファイナルエディションが発表され、日本では割り当ての台数が決まっていたということで、すごい人数が手を上げて抽選販売したということなんですが、こちらはその1つ前の令和5年仕様です。
スラクストン1200RSといえば本当にずっと人気車で、クラシカルなスタイルなんですが、どんどん高性能な電制を盛り込んでいるところが結構ミソだったりします。ハンドルマウントのミラーでクラシカルな雰囲気を出し、セパハンなのでレーシーなポジションかと思いきや、乗ってみると普通のネイキッドでポジションもきつくなかったり。こちらの出品車両は走行距離が2200kmとなっています。新車は争奪戦だったという事情もあるので、欲しい方は中古車で見つけた際にはチェックされるといいんじゃないかなと思います。
・ホンダ「ドリーム50R」
どこで眠っていたのか驚きの車両です。ヘッドライトもウィンカーもついていない、つまりレーサーなんですが、かなりちっちゃい! 90年代にホンダが満を持してCR110のレプリカという感じでドリーム50という原付バイクを出したんですが、それのレース仕様というのを本当に少数出しました。そのうちの1台が出品されています。ビニールをかぶっているところからも間違いなく未使用車だと思われます。
今思い起こすと、当時は元々コレクターズアイテム的に買ったけど、床の間にしまっておきましたみたいな車両がたくさんあったんですよね。なので、もしかしたらこれがその1台だったかもしれないし、あるいはバイク屋さんの倉庫で眠っていたかもしれません。状態を見ると、錆びもほとんどないからもうビカビカでございます。まだまだこういった車両でサーキット走行なんかも楽しめると思うので、恐らく二度とお目にかかれないかもしれないかなりレアな希少車です!
・ホンダ「QR50」
また珍しいバイクを見つけちゃいました。ウインカー、ヘッドライト、そしてメーターも付いていませんが、こちらはお子様がモトクロスの練習用に走らせるためのバイクです。なので、一応50ccあるのかな? この手のエンジンって大体共通部品だったりするので、今すぐ乗れると思います。未使用車ということでBDS独自の検査結果では10点満点が付けられています。
ぜひお子様を連れてオフロードごっこ的に遊べるんじゃないかなと思います。このぐらいの年式ならお父さんお母さんもメンテナンスに安心という感じの車両となっております。
・ホンダ「CB400」
語りたくなるポイントがたくさんあるバイクなので、こちらを紹介してまいります。まずスペックがすごいです。初年度登録が昭和51年ということで逆輸入車ではありますが、これも正真正銘、国内販売のものでございます。400Fのバイクは当時ものすごく人気があったので日本では流通したものを乗り倒しちゃってなかなか今残ってないものが多いんですが、なんとこちら走行距離が5610kmになっております!
そして、外観的には純正っぽいんですが、レストアはある程度してありつつ元の雰囲気もちゃんと残しつつって感じですね。大きなカスタムといえばホイール。キャストホイールで当時のKZタイプのような感じですがこちらはBEETさんのホイールですね。あとはステップも80年代のバックステップ的な概念が出てきた頃のカスタムになっています。そしてマフラーはヨシムラさんの4in1というものだと思われます。
ということで、BDSプレミアムオークションには貴重なバイクが出品されます! 一般のユーザーさんでこういった車両をもし探したい方がいましたら、BDS会員であるBDSバイクセンサー加盟店さんに相談していただいたり、あとはBDSバイクセンサーのサイトで、ぜひ探してみていただければと思います。ということで、今回も気になる車両をご紹介しました!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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