スズキ足つきインプレ小林ゆき動画

SUZUKI「Vストローム250SX」足つきインプレ! ~ローシート&標準シート比較~

公開日: 2023/09/28

更新日: 2023/10/11

スポーツアドベンチャーツアラーのスズキ「Vストローム250SX」を、バイクジャーナリストの小林ゆきさんが足つき&取り回しインプレ。さらに、標準シート(835mm)とローシート(810mm)の比較インプレも行いました!

サイドスタンドが出し入れ楽ちん!

サイドスタンドが出し入れ楽ちん!
サイドスタンドが出し入れ楽ちん!

私のスペックは身長160センチの手足短め、同じぐらいの身長の方より4cmずつ短いです。こちらのVストロ―ムSX、シート高が835mm。横に立って並んでみると私の足よりシート高が圧倒的に高いです。ですが、スズキさんの説明でも言ってましたが、シート自体が柔らかめなので、オフロード車というよりは普通にオンロードスポーツのようなシートになっています。そして、足つきにも影響してくるシート幅はゆったりめで、オフロード車より細くはないです。ただ、エンジンそのものが細いのと、そこまで横に広がっていないフレームが足つきにどう影響するのか。

では、早速またがってみます! 左足をべったり地面に付けた状態でまたがってみましたが、このままでも一応右足のステップが踏めます。装備重量は164kgと軽いのですが、またがったまま車体を起こすのは厳しいですね。お尻をずらして、腰を落とした状態で車体を起こしました。

シートが梨地なのでちょっと滑りにくいですが、足を踏み替えてみます。シート左側の角までお尻をずらしている状態で、足を踏み替えると・・・。完全に足が浮いてしまう滞空時間が少し長いですが、重心が下の方にまとまっているので、足が付かなくてもバランスが取れてます!

では、重要なサイドスタンドがまたがったまま払えるか。まあまあ長めのヒゲが伸びてますけど届くかな・・・。ちょっと大きめのステップが邪魔をするんですが余裕で届いて、サイドスタンドが払えました! アドベンチャーなのにちゃんとサイドスタンドが出せる。皆さん安心してください。多分これ155、6cmぐらいの方でもサイドスタンド出せますよ。アドベンチャーなのにスゴイ!

ローシートは車体を起こせる!

ローシートは車体を起こせる!
ローシートは車体を起こせる!

ノーマルシート高は835mmありましたが、数字だけ聞いて心配している方、安心してください。パーツとして25mm下がるローシートもあります! こちらも試していきたいと思います。早速、足つきをチェックしていきます。25mm低くなったということですが、横に並んだ感覚ではそんなに低くなった感じはしないですが、またがってみましょう。

あ、全然違う! 見た感じ変わらないと言いましたが、ごめんなさい。またがったら明らかに違います。左足のカカトはある程度地面に付けたままですが、ノーマルシートより真ん中に座れている感じがします。またがった状態からバイクを起こしてみますが、ローシートだとまたがった状態から起こせちゃいます。起こす時は少しコツがあって、左側に寄ってつま先立ちになり、お尻の下に少し余裕を持たせて腕で立たせる感じにはなりますが、全然余裕です!

バイクを起こすと、左脚の親指の付け根が地面に付いている状態です。真ん中よりも結構左側に寄って座っていますが、右足はしっかりステップが踏めています。ここから足を踏み替えます。ローシートもやっぱり滑りは良くないのと、角がある感じなので若干引っかかりますが、やはり車重が軽いですし、重心が真ん中の方でまとまっているので、滞空時間があっても安定して足の踏み変えができます。

さて、サイドスタンドが払えるかですが・・・あれ? 自分のポジションが変わったことで、逆にやりづらくなってる。つま先は届いてますが中々出し入れできません。もしかしたらローシートの方が硬めなのかもしれません。何度が挑戦して、コツがいりましたが出し入れできました! 立派なステップが若干邪魔をするのですが、ステップを足で上に持ち上げながらカカト辺りで蹴ると、しっかりサイドスタンドを出したり払ったりすることができます。

絶妙なハンドル位置で取り回しも簡単!

絶妙なハンドル位置で取り回しも簡単!
絶妙なハンドル位置で取り回しも簡単!

アドベンチャー系というと大体タンクが大きくて、重心が高くなりがちなんですが、やっぱり250ですから、いくら19インチホイールが付いてるとはいえそこまで前回りは高くないです。そして、ハンドルがその分上にニョキっと生えているので、私ぐらいの体格でも逆に扱いやすい位置にあります。

では、今からハンドルをしっかり切って、くるくる回ってみたいと思います。バイクを起こしてハンドルを右にフルロックで体を密着させて押してみますが、タンクの凹みと自分の腰がぴったりはまるので、おっと! ってなっても何の不安もないぐらい軽い。ハンドルを一応持ってますが、腰で押してる感じです。少しバイクを立てて離れてみても非常にバランスがいいのでアドベンチャー系にありがちな重心の高さっていうのは全然感じないですね。バックはどうかというと、おなじようにハンドルの幅が絶妙なので、坂道をバックで上がってもそんなに力は必要ないです。

今度はハンドルを左に切ってクルクル回ります。左に切るとハンドル幅が広いですが、しっかり右手でブレーキを掛けられますし、ハンドルにお腹が刺さることもなく絶妙な位置にあります。左に切った時は、自分のポジションが少し後ろにいる感じでしょうかね。シートに腰を当てるような感じで押しています。左に切ってのバックも、やりやすくて軽く感じられました!

アドベンチャーって皆さん憧れるかなと思います。今までアドベンチャーって言うとシートも高いし、全体的にポジションも高い、そして大きくて重いということで躊躇されていた方が多かったと思いますが、今回発売されたV-STROM250SXは元々エンジンが軽いのに加えて、実は見えないところで軽量化が加えられています。さらに、軽量化しただけではなく全体的な重心バランスであるとか、左右ハンドル・フロント周りの構成が絶妙にできているので、本当に初心者の方でも問題なく取り扱えますし、ベテランさんも十分満足できるような車格だと思います。

本当に思った以上に軽々扱えるバイクでした!

【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
◎小林ゆきブログ
◎X(Twitter)
◎Kommonちゃんねる

絶妙なハンドル位置で取り回しも簡単!



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