コラム

市場規模約4兆1000億円にのぼる「推し活」需要を狙い、サントリーが新自販機型サービスを展開

公開日: 2026/08/03

更新日: 2026/08/07

「推し○○」という言葉が世間に広まってから久しい。元々はネット掲示板上でアイドルオタクと呼ばれる人たちから生まれた俗語だ。2021年には、自身が“推し”ているアイドルやキャラクターなどの関連商品の購入や、ライブでの応援を行う「推し活」が新語・流行語大賞にノミネートされ、一般的にも知られるようになった。

そんな推し活だが、現在は意外にも趣味として楽しむ人が増えている。各業界のマーケティングリサーチを行う「クロス・マーケティング」が2025年に実施した調査によると、対象者3000人のうち36%が推し活をしていると回答した。

また、推し活と関連する消費行動について調査・研究を行う「推し活総研」のアンケート調査によると、2026年の推し活の市場規模は約4兆1000億円にのぼるという。このことからも、推し活は日常生活に深く根付くとともに、経済に大きな影響を与えているのだ。

推し活需要の注目高まり、様々な業界が事業を展開

そして現在、そんな推し活を行う人をターゲットとした事業が展開されつつある。サントリーでは6月、全国の自販機で様々なオリジナルグッズの販売を行うサービス「TAG-LIVE!」の新たな取り組みとして、推し活の関連商品の一つ「アクリルカード」をその場でオンデマンド印刷・提供する日本初の自販機型サービス「TAG-LIVE! CARD」の展開を発表。2026年内に全国主要都市9施設に14台を設置していく。

同サービスの特長は、ライブイベントやスポーツ観戦などで盛り上がり、推しの関連商品に対する購買意欲が高まった時に、すぐ入手できる点にある。その日のうちにイベント映像を瞬時にデータ化し、機材にアップロードすれば、どこでもアクリルカードの作成・購入が可能なのだ。これは、そのイベントのグッズをいち早く欲しいファンにとっては嬉しいサービスとなっている。

また、同社が2023年から展開している、自販機でオリジナルラベル缶を提供する「TAG-LIVE! LABEL」に、推しの声を聴くことができる機能を追加。全国展開している自販機を活用した、公式グッズの販売サービス「TAG-LIVE! MART」も開始し、推し活需要に向けたサービスの拡充を行っている。

推し活を行う人の多くは、推しの関連商品を収集する傾向にある。そのため、全国各地にある自販機でグッズが販売されるとなれば、欲しかったものを気軽に、そしてその場ですぐに入手できるようになる。これはユーザーの収集欲をさらにかき立てるだけでなく、大きな満足感も与えられるだろう。

今はサントリーに限らず、様々な業界で推し活と絡めた事業が展開されている。例えば、JR東海ではアイドルやアニメなどを応援するイベント・ツアーに参加できるサービス「推し旅」を展開。また二輪業界では、大阪・東京モーターサイクルショー2025において、若い女性層に人気の2.5次元アイドルグループ「すとぷり」の“さとみ”を公式アンバサダーとして起用した実例もある。今後、推し活がどのようにして市場を広げ、他業界にどう影響していくのかが注目される。

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