公開日: 2025/01/24
更新日: 2025/01/27
大好評の足つき比較企画“第3弾”「125cc最新スクーター11台足つき比較」! 今回もユーメディアの横浜新山下店さんご協力のもと、バイクジャーナリスト小林ゆきさんがホンダ、ヤマハ、スズキ、ベスパの計11台を足つき&メットイン比較! ぜひバイク選びの参考にどうぞ!
・スズキ「バーグマンストリート125EX」 シート高780mm/装備重量112kg
こちらは装備に特徴があって、後ろがグラブバー兼荷物を積めるキャリアになっており、これが標準装備なのが特徴的です。では早速またがっていきますが、やはり高さを感じます。座り込むと足がブラブラしますね。
では車体を起こしますが、前方の装備が豪華なせいか少し重みを感じます。足の踏み替えは、シートの上でお尻を左右にずらすことで踏み替えることができます。ただシートフロアーはフルフラットでとても広いです。サイドスタンドはすぐ近くにあるので出し入れ簡単です。
ではセンタースタンドをかけます。指を掛けられるキャリア兼グラブバーがちょっと太いのですが・・・・結構簡単にかけられました。メットインは、ジェットヘルメットでも高さが厳しいですね。後ろにトップケースなりつけて収納するのがいいのかなと思います。
・スズキ「アヴェニス125」 シート高780mm/車重107kg
フロアは広めのフラットなので、前から足を入れていきます。またがってみると、780mmの高さを感じますね。サイドスタンド状態でもシートの真ん中まで座ってしまうと足がブラブラしちゃいます。車体を起こすのはすごく軽いです。足の力だけでも十分起こすことができます。では足を踏み替えてみますが、アヴェニスの良さを体感しました。すごくシート周りを細く追い込んでいるので、足を無理に広げさせられている感じがないんですよね。なのでつま先立ちですが、すっと足を下に伸ばせば着地できます。サイドスタンドも近いところにあります。
それではセンタースタンドをかけてみたいと思います。指を引っかけられるグリップがかなり後ろにあるのですが、いけるかな・・・・だいぶ苦戦しましたが何とかかけることができました(笑)。やはりグリップ位置がスタンドの脚を乗せる位置よりも後ろにあるので、力をかけ辛いですね。
メットインは、フルフェイスでは高さがダメですね。ジェットヘルを試してみますがこちらも当たってしまいます。メーカーによってデザインが異なるので入る入らないがあると思います。販売店さんによると結構スズキのスクーターだとトップケースを付ける方が多いということなので、フルフェイスなどのヘルメットの方はケースを付けるのもいいと思います。
・スズキ「アドレス125」 シート高770mm/車重105kg
アドレス125の兄弟車ということなんですが、デザインは全く違います。早速またがってみますが、アヴェニスよりシート高が10mm低いだけですが、その差を感じます。では車体を起こしてみましょう。全然手が要らないぐらい軽々起こせますね。足つきは、ぎりぎり両足のつま先が着きますし、サイドスタンドも楽々出し入れできます。
それではセンタースタンドをかけたいと思います。こちらもアヴェニス125同様、グラブバーがありますが、アドレスは少し手前で握れるので楽にかけることができました。
メットインは、見るからにフルフェイスは入りそうにないので、ジェットヘルメットを試してみますが・・・・こちらも当たってしまいますね。メーカーによって入るものもありますので、ブランドは選ぶかもしれません。
・ヴェスパ「LX125」 シート高785mm/車重114kg
LX125は往年のベスパらしさを残したデザインですね。シート高は高く、横に立って腰掛けることすら私の足の長さでは若干厳しいんですけれども、フロアはかなりフラットに近い感じで、ゴムのラインも可愛いし、格好いいですね。ではまたがってみます。シートの先が自転車のサドルの様にキュッとなっているので、そこまで高さを感じません。つま先つんつんですが、足も自然に下ろせています。
バイクを直立させますが、めちゃくちゃ軽いですね。110kgあるとは思えないです。起こしてもサドルシート型なので、足が着きにくくなる感じはないです。足の踏み替えは、両足が着く瞬間はないですが、ほぼ真ん中に座った状態でお尻を滑らせることで楽に踏み変えることができます。そして、サイドスタンドもすぐ近くにあるので軽々操作ができます。
それではセンタースタンドを立ててみようと思います。こちらはグラブバーがついており、スタンドのすぐ上にあるので力もかけやすそうですが・・・・今回インプレした中で一番軽いです! 流石は何10年の歴史でしょうか。軽々上げられると何度もやりたくなる(笑)。メットインは、なんとも可愛らしい丸みを帯びたスペースで、ベスパのジェットヘルメットがピッタリと入りました。
・ヴェスパ「プリマベーラ125」 シート高785mm/重量132kg
往年のエレガントなベスパ、そのデザインを受け継いでおります。ただ、シート高は優しくありません。ではまたがってみると、やはりシートは高く感じますね。先端に座っているので、片足はしっかり着いていますが、運転する位置に座り直すと足はブラブラしてしまいます。
では車体を起こしますが、やはり重量感を感じますね。ただ、全体的に車両がコンパクトで重心位置が低いので、そこまでではないです。足を踏み替えますが、両足が着くタイミングはやっぱりないです。サイドスタンドは近いところにあるので簡単に出せます。
それではセンタースタンドをかけてみたいと思います。こちらもバータイプのグラブバーが付いており、何10年の歴史ですからきっと軽々上がることでしょう・・・・。なかなか感動的に簡単に上がりますね! これ130kgですか? っていうぐらいめちゃくちゃ軽いです。シート下のボックスが取り外せてメンテナンス性もいいというのがベスパ伝統の装置となっておりますが、メットインはベスパのジェットヘルメットがしっかり入ります。
大雑把に言うと3つポイントがあります。まず1つめはエンジン。大体水冷か空冷の2種類ありますが、長距離やツーリングも楽しみたい、通勤通学がまあまあ距離走りますよという方は、水冷を選んでおくとエンジンの滑らかさやパワフルさを味わえると思います。
2つめはコンパクトさ。あまり距離を走らない、あるいは結構都心部に住んでいて、駐輪場が狭い方は、例えばジョグのようにタイヤが10インチのものを選ぶと、結構コンパクトにキビキビと走れます。
3つ目は、ホイールベース。メーカーさんが出しているスペック表に“軸間距離”と書いてある場合があります。これは前後ホイールの長さなんですが、これが長くとってあるものは直進安定性に優れていたり、荷室が大きいので結果的に長くなっている場合もあります。なので荷物をいっぱい積みたい人、直進安定性が欲しい方はホイールベースが長いものを見てみるといいかもしれません。
色々お話しましたがスペックを見て悩むもよし。または今回場所をお借りした「ユーメディア横浜新山下店」さんは全車にまたがれるので、しっくりくるものやデザインで選ぶというのもよし。長年の相棒になるかと思いますので、気に入った1台をぜひ見つけてください!
●撮影協力:ユーメディア横浜新山下様
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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