公開日: 2026/09/03
更新日: 2026/09/04
作業効率の低下、熱中症対策の義務化。年々厳しさを増す『暑さ』への対策が求められている中、バイク・自転車・自動車向けの部品や用品を展開するカスタムジャパンは、18℃ PCM素材を採用した暑熱対策アイテム『魔氷(MAHYO)シリーズ』を7月21日に発売した。着るのではなく身につけるタイプの同シリーズは、ファン付きウェアでは対応が難しい現場でも使用できるのが大きな特徴となっている。
暑熱対策で、まず浮かぶのはファン付きウェアではないだろうか。交通整理の誘導員、炎天下での工事現場やビルの内装工事の作業員など、屋外・屋内を問わず、さまざまな作業現場で必ずと言っていいほど目にする。
その背景にあるのは、ひとつには昨年6月に施行された改正労働安全衛生規則の熱中症対策の義務化。会社の規模に関わらず、作業員が『WBGT(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の環境下で連続1時間以上または1日4時間を超えて実施が見込まれる作業』を行う場合、熱中症の重篤化を防止するための『体制整備』『手順作成』『関係者への周知』が事業者に義務付けられた。怠れば罰則もある。WBGTとは、気温/湿度/輻射熱の3つを取り入れた指数のことである。
もうひとつは、作業効率の低下を防ぐ目的。二輪・四輪関連ではないが、日本建設業協会のまとめたデータでは、65%の現場で猛暑の影響による休憩頻度の増加などで作業効率低下が起きていたという。その他、さまざまな分野で気温・室温と作業効率についていくつもの調査報告が発表されている。
その中には室温が25〜26℃を超えて1℃上がるごとに作業効率が2〜4%低下するというものもある。不快な環境の下で一定時間作業を続けると注意力が低下してミスも増えるのだ。帝国データバンクの調査においても、最高気温が35℃や40℃を超えた日に業務や事業活動に支障が出たと回答した企業は50%にもなる。
それらへの対策のひとつがファン付きウェアなのだが、どこでも便利に使えるというわけではなく、向かない場面もある。
「整備工場をはじめ、物流現場、建設現場のお客様から『熱中症対策をしたい』という声が多数寄せられておりましたが、ファン付きウェアは、狭い場所での作業ではファンが邪魔になる、車両整備や機械整備では巻き込みリスクがある、火花や粉塵が発生する現場では使用しにくい、防護服や制服の下には着用できないなどの課題がありました」
こう説明するのはカスタムジャパン。二輪や四輪の整備現場において、ファン付きウェアだとリフト下の作業などで車体に干渉、オイルや火気を扱う現場では使用しにくいなどのケースがある。対策を求める現場の声を受けて同社ブランドから登場したのが、ドイツ製PCM素材を採用した暑熱対策アイテム『魔氷シリーズ』。7月21日に発売された同製品は、3タイプが用意されており、作業内容に合わせて適したタイプを選ぶことができる。
「ファンを使用しないので、騒音がない、バッテリーが不要、電気代がかからない、狭所や火気を扱う場所でも使用しやすい、防護服や制服の下にも着用できるという特徴があります」
ファンがないので、当然のことながらファン付きウェアの課題が当てはまらないのだ。
魔氷シリーズに採用されているのは18℃ PCM。一般的な製品に採用されているのは25〜28℃のPCM。実に、7〜10℃もの差がある。体を冷やすということにおいて、この差は大きなアドバンテージになる。
グラフ1は、魔氷アイスネックリングと一般的なネッククーラーの時間経過による温度変化を表したもの。魔氷アイスネックリングは18℃ PCMを採用しているので、60〜90分の冷たさの持続時間において18℃前後をキープしてほとんど温度変化がない。しかし、25〜28℃のPCMの製品は、最初は冷たいのだが30分を過ぎたあたりから温度が上昇。60分もすると30℃近くになったりする。これは、相変化する温度の違いによるもの。もちろん、一般的な製品もネッククーラー非使用時と比べれば十分に低い温度をキープしている。だが、積極的に体を冷やすという意味では、設定温度の低いPCMのほうが高い効果を発揮する。
少し魔氷シリーズの話から脱線するが、近頃の夏の暑さが以前とは違ってきている。40℃を超える酷暑日は多くはないものの、今では驚くほど珍しいというほどでもない。この酷暑日だが、気象庁が気象用語として追加したのは今年の4月。猛暑日は2007年なので、2つとも21世紀になってからの設定である。このことからも気象の急激な変化が分かる。
気象庁が公開している東京都の1875年からの気温データを調べると、年間で35℃以上を記録した日数が10日以上になったのは、20世紀では1995年の1年のみ。21世紀に入ってからは、2010年、2013年、2015年、2018〜2020年、2022年から2025年(今年は集計中)と、すでに10年もある。35℃以上が20日以上あった年を調べてみると、2023年に初めて記録してから3年連続している。ひと言で「暑い」と言っても、その暑さが30年前の1990年代とは大きく違っているのだ。
熱中症についても同様だ。グラフ3は2016〜2025年までの熱中症による救急搬送状況の推移。徐々に件数が増えてきており、昨年はついに10万人以上となった。何も対策しないままでいることは危険を放置している状況だと言える。
さて、話を魔氷シリーズに戻すが、この暑さは気合いや根性で乗り切れるものではない。しっかりとした対策が必要だ。そのひとつが、魔氷シリーズをはじめとした暑熱対策アイテム。
例えば、整備スペースを快適な環境にするためにエアコンを設置しようにも、今日お願いして明日設置完了となるものでもない。また、ファンは設置しているけど、冷気が均等に行き渡らないということもある。だが、暑熱対策アイテムの導入なら今すぐからでも可能で、購入した瞬間から涼しく快適な環境で整備作業に取り組める。
また、同シリーズは整備スペースでの使用だけではなく、通勤・通学/ツーリング/キャンプ/スポーツ観戦/屋外イベントなどでの使用にも適している。昨今、室内にいても熱中症になることがよく起きているが、身につけるタイプなら、シーンを選ばずにいつでもどこでも使える。その気軽さ・手軽さは、ファンがなくバッテリーなども必要のない暑熱対策アイテムがもつメリットだろう。
カスタムジャパンは二輪販売店向けの卸売にも対応している。
「興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください」とのこと。
それにしても、この暑さはいつまで続くのだろうか。8月3日には、気候変動対策に取り組む団体の日本気候リーダーズ・パートナーシップが12年後の日本の夏を予想した『2050年の天気予報(Ver.2)』を公開。その中では今よりも過酷な暑さが予想されている。そのことからも、今後、夏が現在よりも過ごしやすかった1990年代のようになっていくとは考えにくく、暑さはますます厳しくなることは間違いない。夏を乗り切るのは一層難しくなっていくだろう。
二輪販売店の仕事は涼しい商談スペースだけで済むわけではない。暑い中でも作業を行うケースは多々ある。例えそれが熱中症対策の義務化の対象となる環境から外れていたとしても、前述したように不快な環境下ではミスも増える傾向にある。作業効率の低下を防ぐ意味からも、魔氷シリーズをはじめとする暑熱対策アイテムに関する知識は常にアップデートしておこう。
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