公開日: 2022/11/10
更新日: 2022/11/10
バイク乗りなら誰もが知るブランドであるワコーズ。そのワコーズが使いやすさと効果が得られまでの時間短縮に成功した製品があるというではありませんか。それがタンクライナー。燃料タンク内面塗料との事ですが、気になったので突撃です!
「魅力溢れる商品」として、今回はワコーズ製タンクライナーに注目します。いわゆるタンクシーラーと呼ばれる製品のワコーズ版で、タンク内面に施工する事でコーティングできる塗料型のコーティング剤なのです。ワコーズでは安全かつ安心して使ってもらいたいという事を念頭に、剥がれず&痩せず、割れたりクラックが入る事もない、それでいてしっかりとした強度も備えた皮膜を形成できる事を重点的に開発したそうです。
その開発背景にあったのは、旧車人気の高まりによる再生需要の他、主に輸入車を対象とした新車需要といった2方面からの要望なのだとか。再生需要については錆びたタンクを良い状態にするという事で、新車需要の方は輸入車が輸送時やヤードでの保管時にタンク内が湿気を帯びて錆びてしまう事への対策なのだそう。
そのため開発当時に出回っていた他社製品よりも優れた製品を欲していた市場に向けて、塗料型なら前出の重点項目を満たした製品を上手く作れるだろうと開発がスタート。塗料型の液状タイプとした事によりタンク内面に塗布しやすくなり、誰でも比較的簡単に効果が得られる様になったのが大きなメリットに。同時に変形しても剥がれず割れないという柔軟性を備える事にも成功。ただ転倒してタンクが凹んでも皮膜が簡単に割れたり剥がれたりしない程度の性能を実現するまでには、3階から施工済のタンクを落とすテストを繰り返すなど時間も要したのだとか。
実はもう一つ、十分な性能が出るまでの時間を格段に短縮している点もポイント。自然乾燥でじっくり硬化させるなら1〜2日程でガソリンを入れて良いレベルになりますが、ダンボールの箱に入れて70〜80度をキープする加熱乾燥であれば20〜30分程度でOK。そのため当日中にお客様に渡せるというスピードを実現しています。
スピードを上げるために二液性としたり乾燥のやり方まで工夫を凝らしていますが、しっかりとした仕上がりと効果が得られる様にという思いによるものです。例えばドライヤーなどで直接温めると、局地的に熱が入って気泡を生みやすいことから、そうした失敗をしない様な配慮だったりするワケです。
あと、勘違いされているケースとして注意して欲しいのが、硬化剤を増やしても早く固まったり硬くなったりはしないという事。基本的に主剤との比率が定数化されているので、(本来塗料はグラムで計りますが)指定の容量を守って使って欲しいとの事。
この様に使いやすく効果が得られるまでの時間も大幅に短縮させられるタンクライナーなら、中古車の状態や見栄えを良くするのに役立つのは間違いなさそうです。
塗料型のタンクライナーはサビの上に塗ると浮いてしまうので、サビ除去剤であるピカタンZで素地作りをするのがオススメです。
タンクキャップやフューエルコックなどを取り外し、タンク内部の油分を洗浄。タンクキャップ穴などに栓をして規定量のピカタンZとお湯又は水で満タンまで注入し、サビの状態に合わせた目安時間を放置した後に排出と洗浄および乾燥すればOKという簡単な施工で素地作りを行えます。ただし内部が盛り上がるほど錆びている場合には、チェーンなどを使って削ぎ落としたりしてからの施工が必要です。
ピカタンZなら施工した後、簡単には錆びてこないくらいの防錆皮膜が作られます。そのため長期間の効果持続が期待出来るタンクライナーの素地作りには安心・最適です。
Photo&text:隅本 辰哉
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