公開日: 2023/09/21
更新日: 2023/09/26
日常点検、皆さんやられてますか? 危険なトラブルの早期発見になる非常に重要なことです。今回は【ブレーキ編】。点検項目は、“遊び”と“効き具合”と“液”。勘違いポイントが多くあるので、そこを踏まえてBDSテクニカルスクール講師を務める井田講師が紹介していきたいと思います!
まず、勘違いポイントとして、ブレーキレバーに調整できるダイヤルがありますが、これは遊びではありません! このダイヤルは手の大きさに合わせてレバーの近さを調整するものです。ディスクブレーキは油圧式なので、厳密に言うと遊びは調整できないんです。
じゃあ“遊び”ってなんなのかというと、ブレーキを握った時に感じる反発感のことです。駄目なブレーキだとスポンジを握っているような感じになります。そうなると、トラブルを抱えている可能性があるので、すぐにバイクショップに行った方がいいです。握った時の遊び(反発)があるものだったらちゃんとブレーキが効きますので、遊びは大事なポイントです。
あと、個人的なところで言うと、ブレーキレバー付け根の取り付け部分はよく見ます。これが外れるのはホント最悪ですから、めちゃめちゃ大事です。
ブレーキフルード液は入っていればいいでしょ? と勘違いしている人も多いですが、これは2年のスパンで変えてください! 車検のないオートバイは本当に無法地帯です。スクーターとか、あんまりバイク興味ないけど普段の足で使っている人は要注意。
ブレーキフルードっていうのは専用の液体が入っていますが、ブレーキをかけた時に熱を持つんですが、その際にブレーキフルードの性能が劣化していると沸騰しちゃいます。沸騰すると気泡が出来てしまい、油圧ブレーキが伝わらなくなってしまうので、頻繁に変えても損はないです!
交換する時のポイントは、カラっとした空気の時にやること。ブレーキフルードは空気中の水分が入りやすくなっています。水が入ってしまってもブレーキの性能を担保するために分離しないようになっていますが、性能が低下し沸点も下がってしまうので、秋の天気が良い時とか空気中の水分が少ない時がおススメです!
あと、最近のオートバイはABS付いてますね。ABSのユニットの中って電気で動く細かいバルブが入っているんですが、これも交換しないとサビます。ブレーキフルードと同じく、水との親和性が非常に高いので、長く放置しているとちょっとずつ空気中の水が分子レベルでたっぷりと入ってきて劣化し、中の部品がサビます。そうなると効きが悪いし、最悪ABSが効かなくなります。なので、こちらも最低2年ごとに交換してください。
まず、フロントブレーキはマスターシリンダーの点検窓を見て、“LOWER”と描かれた印よりも液面が上にあれば最低限大丈夫です。これが下がっているとブレーキパッドが減っている可能性あります。リアブレーキは白い半透明の容器に凹凸で印されている“LOWER”と“UPER”の間に液面があればOKです。ブレーキフルードに関しては「交換スパン」と「液量」を覚えておいてください。
また、ブレーキを握った時の熱ってゴムの部品が発生させてるんですが、そのゴムも劣化しますので4年に一回は変えて欲しいです。ブレーキのキャリパーっていうところにも同じような部品が使われてますから、それも4年に一回変えてください。
今回のブレーキ編のポイントは2つです。
1.油圧式ブレーキは「遊び」の調整は出来ない。異常があったらバイクショップへ
2.ブレーキフルードは2年に一回は交換する。さらにゴム部品は4年に一回は交換する
以上のことに気を付けて安全を担保しましょう!
【二輪自動車整備士講師 井田安彦】 BDSテクニカルスクール講師
◎保有資格
2級二輪自動車整備士、2級ガソリン自動車整備士、2級ジーゼル自動車整備士、自動車検査員、二輪車安全運転指導員
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BDSテクニカルスクールHPhttps://www.bds.co.jp/technicalschool/
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