公開日: 2024/04/05
更新日: 2024/04/18
今回「ユーメディア湘南 アドベンチャーショップ」様にご協力いただき、2023年の秋に発売されたKTM新型の「390デューク」と旧型デュークを足つき比較。バイクジャーナリストの小林ゆきさんがその違いを解説します!
旧型との違いとしてエンジン排気量がギリギリ400cc弱まで上がり、フレームも雰囲気は似ていますが応力がかかる部分の設計が変わっており全く違うものになっています。
また、外観デザインに関してやはりデュークは先駆者だなと改めて思います。ストリートファイター系って最初に出てきた時、4気筒のカウル外して・・・みたいなイメージがありましたけれども、デュークは水冷単気筒のエンジンでここまでスポーツに寄ったものを作ったというところで、先駆者として「デューク」というジャンルが確立されていますね。そのテイストは残したままで、他にもシートの素材や形状が変化しているので、日常の使い勝手を含めてどんな足つきになるのかチェックしていきます。
私のスペックは身長160cm、体重51kgの手足短めでございます。390デュークはシート高820mm、車重が165kgとなっております。
ということで、早速サイドスタンド状態でまたがっていきたいと思います。ハンドルの位置はストリート系なので攻め込んで行った時に力を掛けやすいようにしっかり幅の広いハンドルになっております。今回シートがセパレートになっていて、後ろのタンデム部分には十分な広さと高さがあります。
では、それを避けながらまたがってみると・・・
やっぱり従来のデュークと一緒ですね。シート前のタンクがかなり追い込まれているので物凄くスリムに感じます。そして足もまたがった瞬間、太ももがぴたっとはまる感じで、ほぼ真ん中の位置に座った状態でも右足のステップがしっかりふみ込めています。そして左足はしっかり親指の付け根が付いています。また、しっかり乗り込んで体重をかけると、サスペンションがシュンッと沈み込んでかかとが着きます。
ではまたがった状態で車体を起こしてみると、全然起こせますしめちゃくちゃ軽いです。重心がバイクの中心に寄っていて、下にあるからだと思われます。
車体を完全に起こした状態で真ん中座っても、つま先がギリギリ付いていますね。両足がつくかというと、膝とつま先をまっすぐに伸ばしても着くか着かないかという感じです。車体を支えるためにも足は出来るだけ外側につきたいんですが、ステップの位置が結構スポーティーな感じで後ろ側にあるので、ふくらはぎを邪魔せず、足も外側に置きやすいです。
では足を踏み替えてみると、シートの表皮は大きなうろこ模様になっているので、全く滑らずにだいぶグリップが効いてるんですけれども、シートがめちゃくちゃ細いので滑らなくてもそんなに不自由しないですね。
サイドスタンドは、ツノが出ていて丁度つま先がはまるので出し入れもめちゃくちゃ楽ちんです!
390デュークの一つ前のモデルをご用意していただきましたので、比較していきたいと思います。スペックはシート高は旧型が830mm、車重が153kgとなっております。
もう車体の外観から違いますね。テイストは同じなんですが、例えばフレームがしっかりトラスになっていたり、マフラーも外に出してあるタイプとなっています。また、上から見るとタンク回りの形も全然違いますね。旧型の方が細く見えるんですが、シートは随分広く感じます。その違いが足つきにどう影響するのか。
ではまたがってみると・・・足つきに関してほとんど変わらない感じするんですけれども、シートの前の方がわざと広くなっているので右足はステップをしっかり踏み込めている状態で、左足のかかとは届かないですね。ステップの位置ほとんど同じでスポーティーに後ろ気味についています。
またがった状態から車体を起こしたいのですが、サイドスタンド状態だと真ん中に座っているだけでは、車体を起こすにはリーチが足りなくなってしまうので、左に寄ってから起こしてみます。起こしてみるとあら不思議。旧型の方が重く感じます。恐らくエンジンの重心位置が上にあるんじゃないかなと思います。そしてバイクを起こした状態で真ん中に座りますが、旧型の方が足つきつんつんですし、サスペンションが結構硬く感じるので、沈み込む実感もあまりないです。
では足を踏みかえます! シートの表皮は旧型の方が滑りやすいんですけれども、幅が広いのとエッジが効いた作りになっているのでちょっと引っかかるんですよね。ですが足の踏み替えの時は上め重心位置が逆に安定感があります。
では、サイドスタンドが払えるかどうか。丸いスタンドの先端に丸い角が出ていますが届くかどうか・・・
結構きついですね。シートの形が横に広がっていることで阻害されています。シートがもうちょっと細ければ届くと思います。一瞬右足を地面から離せは出し入れすることは出来ました。恐らく私より足が長い人なら難なく出し入れできると思います。
ということで、新型・旧型はまるで違うということが分かりました。KTM新型390デュークは、今までバイクを起こしたりまたがったりしてきましたが、400ccの2気筒とか4気筒とかに比べるとだいぶ軽く感じるし、見た目はオフロードバイクに近いイメージに思われるかもしれませんが、本当に足つきも不自由なく乗り降りすることができる車両でした!
●撮影協力:ユーメディア湘南 アドベンチャーショップ様
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
◎小林ゆきブログ
◎X(Twitter)
◎Kommonちゃんねる
旧型デュークと比較!
人気記事ランキング