公開日: 2022/10/14
更新日: 2022/10/14
ニューモデルとなったヤマハXSR900。まずは足つきチェックをしていきます。私のスペックは身長160cm手足短め体形です。今回シート高が810mm。大体、私の腰の高さに相当します。またがってみるとどうなるのでしょうか。
まずはサイドスタンドを出した状態でまたがってみると・・・。本当に810mmもありますか!?というぐらい低く感じます。なぜかというと、1つはこのシートの座る部分の細さ。もう1つは、ステップがスポーティーに上部についているので、少しお尻をずらして片足を乗せた状態だと地面をべた踏みできます。
では、車両に乗った状態からバイクが起こせるかどうか。シートの真ん中に座った状態だと地面に足がつかず起こせそうにないので、少し左側に腰を落としてやってみます・・・。ほとんど足の力だけでバイクを起こせました!ビッグバイクって結構腕の力で引っ張り上げるタイプが多いのですが、XSRは重心がとても低いところにあるのと、重量193kgと比較的軽いので、力を入れなくても起こせます。
すごいのが、足を地面に置いた時にステップが全然邪魔にならない!ヤマハさんの位置的なこだわりでしょうか?サイドスタンドも、バイクにまたがったまま問題なく出し入れできます。シート高810mm。両足をおろすと私は片足のつま先しか届かないですが、全然問題なく乗れると思います。ビッグバイクとして、それなりにボリュームがあるように見えるけど、軽くて足つきが良い。そこが面白い車両だと思いました!
通勤通学お買い物に行った時にちょっと狭いとこに留めなきゃなぁとか、ガレージに出し入れする時にどんな具合かやってみたいと思います!
フルロックでちょっと前に押してみます。意外とハンドルの切れ角はなくて、前回りが重いですが、重心位置が前にまとまっている分、動き始めがとても分かりやすいです。例えばオフロード車とか、バーハンドルが高い位置にあるものだと、ハンドルを右や左に切ると手がブレーキに届かなくなることもありますが、XSRはしっかり届きますね。そして、後ろに押す際には腰で支えるのにちょうどいい位置にシートとタンクの窪みがあって、ステップまわりは前に歩こうが後ろに下がろうが、何も邪魔するものが無いのがすごい!
前に押しながら体をバイクから離してみると、もう軽いバイクを押しているみたいです。後ろに押す時も力を入れやすくて、やっぱり重心バランス絶妙ですね。バイク乗り始めの時、なかなか取り回しを練習する機会はないと思うのですが、こうやって何かの機会に「バイクのバランスってどこで取るのかな」「このバイクはどこに自分が立ったらいいのかな」って考えながら乗ると楽です。XSRはビッグバイクですけど重心バランスがまとまっているので、初めて大きなバイクに乗る方でも楽に取り回しできると思います!
またがってエンジンをかけた瞬間、これは乗りやすい! 車体が装備重量195kg。軽さとパワーが非常にバランスのいいモデルになっています。特に効いているのが、リアサスの位置と前後の重心バランス。サイドスタンド状態からバイクを起こした時に車体をより軽く思わせる構造なのが非常によく感じられました。
ネイキッドの迫力ある見た目は、例えばリヤタイヤの太さなんかで表現したりしますが、敢えて180サイズを選んだのが大正解。ハンドリングの軽さも出ますし、物理的に重さも軽くできます。
そして、日常使いで気になるのがやはり足つき!私の愛車、GPZ900Rの車高790mmと比較すると20mm違いますが、足付きに差を感じません。強いて言えば今乗っているXSRがほぼ新車状態なので、サスペンションがまだ硬いくらいです。そういった状態でも足つきが非常に良くなるように作っているヤマハさん凄い!おそらく小柄な人でも乗れるように設計されており、座っている位置とステップの位置が近いので、私のような短足でも踏み込みがとても楽です♪
また、安全性に関してもばっちり!以前だったらスーパースポーツにしか付いていなかったような電子制御が全部ついています。オートシフターがアップ・ダウン方向、両方使用可。クルーズコントロールという強い装備も付いています。のんびりツーリングであるほどクルコンが効いてくるわけですが、ボタン操作で使い方が簡単なので、安全性も高くてしっかり役立つハイテク装備。スロットルも電子制御ですが、何百kmも連続走行すると、結構手首が痛くなるようなそういった重さを感じます。
回転数もほんの2000回転で走っていますが、アクセルをオンオフしてもギクシャク感はなく、非常に滑らかな加減速。ですが、数百回転あげただけで3気筒ならではのドコドコ感にも通ずるようなトルクフルさを感じます。やはりビッグバイクの醍醐味でもありますので、その辺を残しつつ決してトルクを薄くしているわけではないですね。恐らく、5000回転も回すと面白さがもっと頭を出してくるのかな。
いろいろ試しがいがあるのが、このXSR900の面白さ。ハイテク技術を盛り込んで、出力の方向性として走りの面白さも楽しめるように作られたんじゃないのかな?ヤマハさんは、そこが狙いなんだろうなという風に感じます。
アクセルをオンオフしてもギクシャク感はなく、非常に滑らかな加減速
乗ってみて足つきが良くて走らせては面白いの連続で、もう大絶賛の嵐。「使い勝手の良さ」が非常に作り込まれているのと、ビッグバイクの良さもしっかり作ってあるのに加えて、見た目のカッコよさも至る所に散りばめられてます。
まず、XSRのロゴ。謙虚なシールだけなのですが、ライダーから見える位置にわざわざ金型を作らないとできないこのエンブレムがカッコ良い!続いてその下に小さな小指の先ぐらいのYAMAHAの音叉マーク。ちゃんと金型で立体的になっていて、ライダーしか気が付かないところにこっそりあるというのがオシャレですね!シンプルなネイキッドですけれども、ライダーを非常に満足させるデザインがポイントです。
タンデムステップって今までなかったと思うのですが、非常に快適で足が踏ん張りやすくなりました。収納するとバイクと一体化するデザインも流石です。シート周りも、グラブバーではなくあえてベルトにしてあります。ネイキッドですから、やはり加えてきたのは面白さ。モードを1から4まで変えられるのですが、特に1・2は速さではなくて、3気筒ならではトルクフルな面白さを味わえます。もちろん3・4でも回転域によって太い排気音とトルク感を感じながら走れ、エンジンの面白さを伝えるハンドリングも非常に楽しめると思います!
大絶賛し過ぎたかもしれませんが、ニューモデルどうかしら?と思っている方に本当にオススメできる車両でした。
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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