公開日: 2024/09/25
更新日: 2024/10/17
二輪業界をより良い状況に導くための要望説明の場、それが公明党オートバイ議員懇話会である。今回も自工会、AJから複数の要望が寄せられた。公明党からは北側会長をはじめ、公明党新代表就任が確定している石井啓一副会長も出席。重要課題と向き合った。
公明党オートバイ議員懇話会は9月12日、衆議院議員会館で「政策要望懇談会」を開催した。公明党からは北側一雄会長、石井啓一副会長ら13名が、自工会からはメーカー担当者ら4名が出席した。また、AJからは大村直幸会長、岡田隆幸副会長、宜野座朝洋副会長らが、オートバイ政治連盟からは吉田純一会長が出席した。また、国土交通省、経済産業省、警察庁、総務省からも担当者が出席し質疑対応にあたった。
開始に先立ち公明党オートバイ議員懇話会の北側会長は、「ETC車載器助成は西日本、中日本、東日本で実施している。阪神高速も11月から実施する。高速料金の問題や、ユーザーがさらに利用しやすい環境づくりなどの課題もあるが、要望を伺い前進できるように公明党として全力で取り組むことを約束する」と挨拶。
続いて、オートバイ政治連盟の吉田純一会長は、「高速道路の定率割引について、今年2月に斉藤鉄夫国土交通大臣にお願いしたところ、100kmの制限が80kmになった。これからもさらにバイクに乗りやすい環境づくりをお願いしたい」
次に全国オートバイ協同組合連合会の大村直幸会長は、「6年ほど前、この場で沖縄の通行帯の件について話した。3回連続で指定区間が短くなったが、ついにこの9月30日で全廃となることが決まった。感謝申し上げる」]と謝意を表明した。
続いて自工会の要望説明へと移った。自工会二輪車委員会の飛田淳司氏より「二輪車高速料金ETC定率割引に対する要望」(継続検討課題)として、以下の2点が提出された。
❶「対象を土日祝のみでなく、平日も加えての実証実験としたい」(AJ共通要望)
❷「走行距離制約(一走行当たり80km以上)の撤廃
まず❶については元々、観光目的であったことから土日祝日を対象とした。利用状況を見て高速道路会社と検討する、と回答した。❷に対しては、東京をスタートとした場合、富士五湖や高崎・宇都宮など主要都市が80kmでカバーできる。来年度以降の実施については、実施状況を注視し要望を踏まえて検討する、とした。
続いて全国オートバイ協同組合連合会の石井大専務理事より、以下の4点が独自要望事項として挙げられた。
❶「2025年度のETC二輪車車載器購入に対する助成金の支給」
❷「二輪車の駐車場の確保と現実的な駐車場違反取締まりの実施」
❸「商品中古二輪車の軽自動車税免税および軽自動車と二輪車の価格・用途の違いに配慮した、二輪車への課税」
❹「第一種原動機付自転車における車両区分の改正に伴う軽自動車税の見直し」
まず❶について。定額割引プランが終わったタイミングで助成が始まるというチグハグな対応だが、今年度はNEXCO各社とも7月あるいは8月とプランの開始に合わせ、助成をしている。阪神高速についてはETC専用化の取り組みと合わせ、助成を進める。11月から実施予定。来年度については高速会社と検討を進める、と説明した。
続いて❷。これは東京都における保有台数あたりの駐輪場は、四輪車との比較で7分の1ほど。二輪車の駐輪場不足が購入・利用の障壁となっている。もし、都内の四輪駐車場がそうだとしたら、町中に車両が溢れ返ることになる。四輪車駐車場の20%を二輪車に振り分けていただきたい、というもの。
これについては、地方公共団体に対し、一定規模以上の新築や増築の際、自動二輪車の駐車場の設置を義務付ける条例の制定要請を行っている。併せて自転車の駐輪場にも自動二輪の柔軟な受け入れを要請した。平成18年に駐車場法が改正されたが、当時から令和4年度までに自動二輪の駐車場数は12.88倍となっている。今後も駐車場政策の在り方について議論していく、と説明。
次に❸については、各市町村の判断において行っている。商品中古軽自動車の定義や、それをどう把握するのか、などは、実際の現場の販売店と工夫をしながら行われていると承知。その実態把握が必要。軽自動車税の在り方については、様々な観点がある。一方で市町村の安定的財源確保にも寄与している。総合的に検討していく、との回答を得た。
最後に❹について。これは、排気量は125ccだが最高出力を4kw以下に抑制することで原付一種扱いとなる新基準原付の税金を、現在と同様、標識は白、税額は2000円としてほしい、というもの。
これについては、令和7年度の税制改正(今年の冬)において、関係省庁から税制改正の要望が提出されている。この取り扱いについては、先生方と相談しながら税制改正プロセスのなかで対応する、としている。
以上が今回の要望に関する答弁。要望書を手渡し審議・検討を進めていただくこととなった。なかでも「新基準原付における車両区分の改正に伴う軽自動車税の見直し」については、喫緊の課題であるだけに、見直しに大いに期待がかかる。
人気記事ランキング