公開日: 2024/11/20
更新日: 2024/11/21
国内最大級の業者向けバイクオークションを運営する「株式会社BDS」。全国のバイクショップから毎週様々なバイクが出品される柏の杜会場には、希少車・名車・ビンテージバイクが集まる「プレミアムオークション」というコーナーがあります。今回はプレミアムコーナー出品車両のなかから、バイクジャーナリストの小林ゆきさんが気になる車両をピックアップ! BDSバイクセンサー加盟店はすべて「BDSオークション会員」です。バイクをお探しの方はBDSバイクセンサー加盟店舗にご相談ください!
・ホンダ「CBR400エンデュランス-2」
1台目に紹介するのはホンダのCBR400エンデュランス2型でございます。鈴鹿8時間耐久ロードレースの登竜門として、1980年から4時間耐久いわゆる鈴鹿4耐というのが行われてきました。そちらのレースに出ていた往年の名車です。初年度登録が昭和61年ということで、レーサーレプリカ黎明期の名車と言えるでしょう。
今回ピックアップした理由は走行距離が1万7335kmということで、昭和61年登録の車両にしてはめちゃめちゃ走行距離が浅い! そしてBDSでは非常に精密な検査を自社で行っているんですが、昭和に登録された車両とは思えない程高い点数が付けられ、見た目もとても綺麗な状態で出品されているということで、このまま走りを楽しめるのではないかと思います。
また4気筒のレーサーレプリカですから、非常に高性能ハイパワーのエンジンが人気でした。特に見ていただきたいのがメーターでございます。レッドゾーンが1万2800ぐらいということで、高回転型のエンジンを積んでいたというのが分かります。あとは耐久イメージで作っているので、ヘッドライトはもちろん丸目2灯。この時代は片方ゼッケンベースにして丸目2灯にするという流れがありました。
そして車体の左側には鈴鹿サーキットのステッカーが貼ってあり、当時のオーナーさんはおそらくこのバイクに乗ってツナギを着て、8耐とか4耐に行って楽しんでいたであろう遍歴が見えます。このステッカーが歴史を感じさせるんですけれども、車両は非常に綺麗な状態なので、前のオーナーさんも丁寧にお手入れをされていたのではないかと思います!
・ホンダ「CB750FC」
昭和の名車が続きます。こちらの車両は初年度登録が昭和58年で、車検を通してあるということなのでこのまま走れちゃう状態です。走行距離が2万9000kmなんですが、いわゆる“ザ・CB“という感じのナナハンと言われるそのもののバイクです。こちらの出品車両は90年代の王道カスタムがあちこちされております。例えばプラグコードが変えてあったり、ハンドル回りもひと通りやってあります。添付メーターというオイル系が後付けで付いていたりします。それからミラーが短くなっていたり、オイルクーラーをプラスしたりと色々されております。
そしてマフラーはモリワキ、サスペンションがオーリンズのツインショックということでこの辺もポイントが高いんですが、もっとお高いパーツを発見しました。スイングアームです! こちらはこれだけでバイク買えちゃうんじゃないかっていう、オーバーレーシングプロジェクツさんのアルミスイングに変わっております。ホンダのCBナナハンというのは非常に人気車両で、興味のある視聴者さんにとってはこうやってカスタムするのかというお手本のような車両でございました。
・ヤマハ「TZR250 SP」
いわゆるスポーツプロダクションの車両です。250クラスというレースがかつてありましたけれども、それに出るために作られたような車両で、エンジン型式は3XVです。当時80年代後半から90年代にかけて毎年のようにモデルチェンジをしていましたので、型式を覚えておくと、自分が乗りたいバイク、あるいはこれから狙っているバイクがどの型式なのかによって色々知識とか、走りが深まっていくかと思います。
そしてなんと走行距離1529kmということで、一体どこに眠っていたんでしょうかね! こちらのツーストのレーサーレプリカってすごく人気が高いんですけれども、あの頃あんなに人気があったのに、今どうしてこんなにタマ数が少ないのか。こうやって大事に取って置いてある車両って非常に貴重だと思います。カスタムはほとんどされておらず、強いて言うならレバー関係が削り出しビレットレバーに替わっております。あとはハンドルの下にNHKのものが付いており、マフラーはドッグファイトレーシングのものが付いております。
・ヤマハ「FZR400RR SP」
こちらはSPクラスのレーサーベース、そしてレーサーレプリカとして非常に人気が高かった車両です。若い方にはあまり馴染みがないと思いますが、400ccクラスは特に90年代4メーカー各社こぞってこういった高性能な車両を開発しておりました。こちらのFZRは横にEXUPと書いてあるんですが、これはFZRのアイデンティティの機能でマフラー内に可変式のバルブを設けたシステムを搭載したということで一世を風靡しました。
もしこれからレーサーレプリカ車両に乗る際や、出物があった時の選び方のポイントとして、まずバンクセンサーを見てください。ここが削れていたり無かったりした場合は走り屋さんが乗っていたかな? と判断していいと思います。あとはカウルの下側も、サーキットをバリバリ走るような方や体重ありますよっていう方が乗った場合にサスペンションが沈んで、下回りが削れたりということがあります。その辺を、ちょっとしゃがんで見てみると、前のオーナーさんがどういった走りをしていたかっていうのが分かるかなと思います。
・カワサキ「GPZ900R」
メーターが最高速180kmになっておりますので国内仕様ベースなんですけれども、カスタムが半端ないですね! こちらの車両、走行距離は5万8000kmなんですが、軽く目にとまったところを紹介していきます。まずやっぱり、オーリンズのフロントフォークそのものがはまっています。そこにブレンボのキャリパー、そしてマスターもブレンボになっております。エンジン回りもちょいちょい変わっておりますけども、FCR39のキャブレターを選んでいるっていうところがなかなか通好み。NINJAの900に関しては37、39、41mmが全部選択肢の中に入ってきます。その中でやっぱり39mmが王道ということで、良い選択かなと思います。
そしてステップベースからステップにかけても、アルミ削り出しのものに変わっており、ノジマのフルチタンエキパイになっております。とてもサイレンサーが長いのでトルクに振ったタイプのマフラーになっていると思われます。外観は変わってないんですけれども、足回りにはとんでもないものが付いていますね(笑)! Wheelie(ウィリー)さんのアルミ削り出しのスイングアームに変わっております。あちらもこちらも全てオールドカスタムが施してあるということで、パーツだけでもとんでもない金額。GPZ900Rそのものの玉数が減っているんですが、90年代にあれほど流行ったカスタムパーツがもう手に入らなくなっているので、こういったカスタム車両から程度のいいものを探すっていうのも手かなと思います!
ということで、BDSプレミアムオークションから小林ゆきが気になった車両を紹介いたしました!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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