公開日: 2025/07/02
更新日: 2025/07/15
ショップに役立てていただけそうな業者さんを厳選して紹介しちゃうサポート企業紹介の5回目。今回は金属部品全般へのメッキ加工、そして金属製の部品を少量生産してくれるスペシャリスト2社のご紹介です。
環境問題などが足かせとなって廃業してしまったところも多いと聞くが、神谷電化工業のような老舗メッキ加工業者が変わらず続いていることに感謝したい。バイクにおいて必要不可欠なメッキ加工だが、神谷電化工業では金属製部品全般への加工が可能だという。
神谷さんによると「メッキ加工とは金属の上に別の金属を乗せていく作業で、耐食性を上げたり見た目を良くするなどの付加価値を付けていくということなんです。そして上乗せする金属によって呼び方も変わります。金メッキ、クロムメッキ、亜鉛メッキ…とかですね」とのこと。逆に土台となる方の金属製部品は、鉄・ステンレス・アルミ・真鍮などの素材が一般的なんだそう。なので依頼の前に土台の部品に最適なメッキの種類や、仕上げたい見た目に合わせたメッキの種類について相談してみるのが良さそう。
また用途に合わせたメッキの種類選択も相談可能だ。例えばボルトへのメッキ加工なら、ボルト自体を長持ちさせたいのか、見た目を優先させたいのかでメッキの種類が変わるという。亜鉛が先に朽ちていく亜鉛メッキならボルトの鉄が長持ちするし、クロムメッキを施すと見た目を美しくできる代わりに中の鉄が先に錆びてしまうのだとか。
カスタムにしろレストアにしろ、メッキ加工は多くのバイクショップにとって欠かせないハズ。だからこそやりたいことや狙っていることを伝え、ベストな加工を依頼すべきだろう。ただし亜鉛ダイキャストなどの一部金属素材は対応不可なのと、部品の状態などによって受けられないものもあるというので「まずは気軽に相談してみてほしいです」とのこと。
若い時は商社勤めだったという加藤社長にお話を伺った。時が経ち「自分で商売を始めたい」と申し出て会社を辞め、家業である野方電機工業の一部署としてスタートを切った加藤社長。
「元々は量産工場で従業員も多かった初代である祖父の代から、父の代で方向転換して少量多種の部品加工を専門とするようになっていきました。なので人が減り場所も余っていたため、そこを使わせてもらうカタチで私自身の商売をスタートさせた感じです。でも、いろいろあって会社が傾いたため、私が会社を引き継ぐタイミングでさらに整理をして現在の業態としました」とのこと。
その現在の業態というのが少量多種の部品加工はそのまま基本としつつ、依頼の内容を図面にして精度が高く精密な加工による部品の生産を少量から請け負うというもの。つまりカスタムやレストアのために必要な部品などを、ボルト1本、ギア1枚から作ってもらうことが可能なのだ。しかもそのクオリティの高さは取引実績から容易に推察できるだろう。名だたる企業や大学の名が連なり、中にはバイクメーカーもあるのだから。
依頼できるもののイメージだが、具体的には手で持てるくらいの大きさで、絵として描けるようなものなら作れるそう。ただし「図面化できないようなものは無理です」とのこと。材質変更で強度を変えるなどの依頼では命に関わるケースを想定して断る場合があるそうだ。
それでも手に入らない部品があって、それをどうにかしたいと考えるなら、まずは加藤社長に相談してみるというのはいかがだろう?
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