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「DR-Z4S/SM」足つき&取り回しインプレ! 初級~上級者まで楽しめるデュアルパーパス・スーパーモト!

公開日: 2025/11/07

更新日: 2025/11/15

今回はオフロードワールド様にご協力いただき、バイクジャーナリストの小林ゆきさんとBDSバイクセンサーイメージガールの竹川由華さんが、スズキ「DR-Z4S」&「DR-Z4SM」の足つき・取り回しインプレを行いました! バイク選びの参考にしてみて下さい!

DR-Z400Sは足つきの問題が大きく影響する

DR-Z400Sは足つきの問題が大きく影響する
DR-Z400Sは足つきの問題が大きく影響する

小林―――こんにちは、バイクジャーナリストの小林ゆきです。

竹川―――皆さんこんにちは、BDSバイクセンサーのイメージガールの「たけはん」こと竹川由華です。よろしくお願いします。

小林―――湘南にあるオフロードワールドさんの場所を借りています。今日は注目の新モデル、スズキのDR-Z400SとSMを紹介します。

実は私、試乗会で既にこのモデルに乗ってきたんですが、珍しく大雨だったため、今回は改めてオフロードワールドさんの場所で足つきと取り回しをインプレッションしていこうと思います。由華ちゃんにも来てもらったので、体格の違いも含めてお見せできればと思います。

この2台の車両の違いはタイヤです。Sの方がオフロード向き、SMの方がオンロードタイヤを履いています。そのため、SMはタイヤの径も小さく、ツルンとしたタイヤを履いています。こちらのオフロードワールドさんでは、なんとSMの試乗車を用意されているそうです。予約制だと思いますので、お電話で問い合わせてくださいとのことでした。

ということで、今日我々は実際に走行するわけではないのですが、またがっていきます。シート高は、タイヤのホイール径が違うにもかかわらず、両方とも890mmで同じです。

竹川―――高い!

小林―――身長160cmの私ではどう考えても足がつくわけがない。でも、身長162cmの由華ちゃんなら、つま先を伸ばせばつくと思うので、やっていきたいと思います。

先日のプレス向け試乗会で技術説明会に参加し、色々詳しいお話を伺いました。この2台は、タイヤが違うだけでなく、サスペンションのセッティングも違うそうです。Sの方は、林道やガレ場なども想定した設定なので、ストロークが長く、それに対応したバネのセッティングになっています。一方、SMはストロークが短く、コシのあるバネの設定になっているとのことです。それも踏まえて、足つきインプレを今からやっていきましょう。

●「DR-Z400S」シート高890mm/車両重量151kg
小林―――まずはスズキのDR-Z400Sの方。私からまたがっていきます。シート高は890mmですが、実は海外向けのものと比べるとローシートなんだそうです。

竹川―――このシート自体が、ということですか?

小林―――そう。海外向けは実は900mm以上あるんです。日本のJASO規格で900mmより下げないといけないということなので、890mmに下がっているんです。

カメラから見ると、私たちの腰より高いところにシートがあり、ハンドルは由華ちゃんの肩にぶつかるような高さにありますが、頑張ってまたがっていきます。ちなみにこれは出荷時の状態なので、サスは硬めで沈まないと思います。では、前に回ってシートの高さを確認します。私、身長160cm手足短めですが、全くお尻が寄っ掛かるどころか、腰の低いところにシートがあるような感じです。ハンドルも、確かに高いですね。オフロード車の中でもまあまあ高い気がします。

では、またがっていきます。シートの後ろがフラットなので、足を上げれば引っかかります。シートの真ん中にまたがると、両足地面につきません。つま先をめちゃくちゃ伸ばしても私の場合つきません。サスが沈んでいる感じも分かりません。バイクを立ててみますね。今、太ももがシートに乗っかっているだけの状態なんですけど、このバイクを立てるには、私は完全にお尻を左にオフセットさせて、腕でバイクを立てるんですよね。

この時、自分の体重が乗っかってないのでシートは沈みません。ここからどうにかして足の踏み替えをしなければなりません。前回の試乗会で私は足の踏み替えをやっていません。今初めてやります。

竹川―――どうやって踏み替えするんですか?

小林―――ものすごい決意で行きます。せーの! バランス感覚だけですね。とりあえず踏み替えたんですが、もちろんサイドスタンドに足が届くわけがないし、このままではギアを変えることもできません。つま先をかなりツンツンにしたとしても足がステップに全く届かないからです。

この場合、どうやって発進させるかというと、教習所のようにまずバイクを立てます。サイドスタンドを払い、あらかじめギアを入れて、そこからエンジンをかけます。クラッチは必ず切っておきます。ハンドルを切ると少しシートが低くなり、またがりやすくなります。この状態でハンドルをまっすぐにしてスタートをする、というやり方でないと、私はこのバイクは扱えないということが分かりました。

じゃあ、由華ちゃんもまたがってみましょうか。

竹川―――またがらせていただきたいと思います。今日は厚底ブーツを履いてきたので、普段より身長が2cm高くなっています。シートにお尻が当たるぐらいかな。今、またがって片足をステップに乗せた状態で、結構お尻を左にずらせば足つきます。真ん中に座ると、一応つま先はつきます。あ、お尻をずらせば踏み替えできるかもしれません。これ、起こしますね。せーの!踏み替えできました。ステップもしっかり払えます。

片足でステップを払えて、今、左足はステップに乗せた状態で、右はつま先がついています。お尻を右にずらしています。で、踏み替えます。せーの!よいしょ!しっかり右足をついた状態で、左足はお尻をずらして親指の母指球あたりまでついています。でも両足はつきません。じゃあ、もう1回踏み替えます。せーの! よいしょ! スタンド出せました。無事またがれました。

小林―――今見てて思ったんだけど、なんか不安感が全然ない感じだったね。

竹川―――本当ですか? 最初起こす時が一番不安でした。両足つくバイクだと安心して踏み換えもでき、多少重くても足で踏ん張って起こせるんですけど、最初から足がつかない状態だと不安が勝っちゃって。普段乗っているバイクよりも軽いはずなのに、なんだかビビって起こせなかったんです。

小林―――ああ、そうなんだ。じゃあ慣れてしまえば大丈夫ですか?

竹川―――そうですね。これで足がつくという感覚が分かれば、私でも踏み替えとサイドスタンドの操作ができました。

小林―――私と由華ちゃんの身長差は3cmぐらいしか変わらないはずなんですが、やはり足つきの問題がこのバイクに対しては大きく影響すると感じます。私はサイドスタンドも払えないし、停止状態でギアを入れるのも無理でしたが、由華ちゃんなんかいけちゃってましたね。

竹川―――一応スタンドも払えますし、ギアのチェンジもしっかりまたがった状態でできそうでした。

DR-Z400SMは右足をついてギアチェンジも発進もできる!

DR-Z400SMは右足をついてギアチェンジも発進もできる!
DR-Z400SMは右足をついてギアチェンジも発進もできる!

●「DR-Z400SM」シート高890mm/車両重量154kg
小林―――続きまして、DR-Z400SM。SMはスーパーモタードの略だと思うんですけれども、オフロードスタイルだけどオンロードタイヤを履いています。シート高は先ほどと同じ890mmです。タイヤがせっかく17インチで小さくなってるにもかかわらず、シート高は変わりません。スポンジが分厚いため、高さは変わらないということなんですよね。

私からまたがりますが、横に並ぶとハンドルの位置が全然違いますね。低く見えます。スペック上も高さは低く、トップブリッジの位置がだいぶ違うと思います。

では、またがっていきますが、なんかこっちの方がやっぱり低い気がしますよ。890mmで同じはずなんですが、またがってみると左足がだいぶついている気がします。ほら、完全にまたがったらつま先がちょっと着地してます。支えてはいないけれど……。サスですが、私のお尻の感覚ではこっちの方がコシがある感じがすごくします。

では、バイクを立てます。私の場合はやはり腕で起こす感じです。Sよりも少し足が着地してる気がします。このスポンジのせいでしょうか。でも、スポンジは柔らかくないんですよね。

じゃあ、足を踏み替えます。せーの!よっ!あ、これはもしかして慣れれば大丈夫なやつですが、問題はサイドスタンドの位置がちょうど足をつきたいところにあることです。飛び上がって、宙に浮いてる時間を作り、それで足を踏み替えるんですけど。

竹川―――この時は腕に力を入れるんですか?

小林―――入れてないです。で、ここからサイドスタンドが払えるかというと、ちょっとこのバネに触るけど、力はかからないので難しいです。

SMの場合は、なんとギア入れられます。右足をついてギアチェンジも発進もこのままできますね。シート高は同じなのに、全然違います。

じゃあ、由華ちゃんもよろしくお願いします。

竹川―――じゃあ、私もまたがっていきたいと思います。立った状態で、シート高は先ほどと変わらず、お尻が乗るかなという感じです。

またがります。お尻をかなり左にずらした状態で、左足が地面にベタ着きで右足をステップに乗せています。真ん中に乗ると、左足はつま先がつき、右足はステップに乗ります。指をしっかり広げてついている感覚があります。

で、踏み替え。せーの!バイクを起こします。両足ついているんですけど、めっちゃつま先ツンツンです。一応、靴の厚さもあって、頑張って伸ばせば両足のつま先がつくみたいですね。これでしっかり踏み替えができます。さっき起こした時、重さとバランスが取れず踏み替えができなかったのは、足の位置が悪かったのかもしれません。

今、すごく頑張って足を伸ばせば両足つま先に指がつくことが分かったら、先ほどよりも簡単に踏み替えができるようになりました。私の位置からはスタンドが見えませんが、払うことができて、出すこともできました。これで踏み替えをして。ちょっと個人的な感想なんですけど、私が足を出したい場所にスタンドがあるので、それが引っかかってしまって、踏み替えの時やスタンドの出し入れ、また停止した時に困っちゃうなという感じがしました。

小林―――私もSMならなんとか大丈夫だということが分かりました。皆さん朗報です。なんと、さらにローシート仕様にもできるとのことです。ここから30mm下げた仕様にできるそうで、おそらく薄いシートへの交換となるでしょう。30mm下がればだいぶ楽になると思います。

あと、このシートは表皮が意外と滑る点も良いです。めちゃくちゃツルツルではないけど、シートの角に縫い目もなく、前方の形状も角がないので、踏み替えがとてもしやすい形状ですね。

慣れれば、踏み替えの問題はありません。あとは、最低限の脚の長さや、体重も多分60kg以上の人だったらサスの沈み込みに影響があるでしょう。我々ではサスの沈む感覚は感じられませんでしたが、皆さんの身長や体重などが影響すると考えられます。私の感想としては、SMだとかなり希望が持てました。

竹川―――私はSもまたがれたので、どちらもまたがれると思いました。

DR-Z400SとSM、足つきだけでも違いがすごく分かる!

DR-Z400SとSM、足つきだけでも違いがすごく分かる!
DR-Z400SとSM、足つきだけでも違いがすごく分かる!

小林―――DR-Zシリーズ2台の足つきと取り回しのインプレをやってみました。由華ちゃん、足つきはどうでした?

竹川―――どちらも同じシート高890mmだと言われていたんですけど、SMの方が若干足つきがいいんじゃないかと感じました。Sにまたがった時は、両足つま先を伸ばしてもつく感覚があまりなかったんです。でも、SMに乗車して、踏み替えができないと思ってつま先までしっかり伸ばしたら、両足のつま先がつきました。何が違うのかはっきりとは分かりませんでしたが、SMの方が足つきがいいようです。また、30mm低くできるみたいなので、さらに足つきは良くなるんじゃないかと思います。

小林―――そうだといいな。ちなみに私は、先ほどのインプレの通り、Sの方は全く歯が立たず、足つきインプレになっていませんでしたが、SMの方はサイドスタンドは厳しかったものの、まだ希望が持てたという感じがしました。既に乗車インプレは出ていますが、Sでオフロードを走っている動画もあります。実はその撮影時に、私のためにセッティングを変えてもらったんです。特にリアのイニシャルを抜いてもらいました。その時の感想ですが、オフロードのデコボコしたところがサスペンションでよく吸収されました。トラクションコントロールをかけるのを忘れていたのですが、サスペンションが細かく吸収してくれることで、走行を助けてくれるサスだと感じました。

オンロードで乗り比べることはできていませんが、サスペンションの設定が違うことに加え、ホイール径の違いによるキャスター角とトレール量も異なります。Sはキャスター角27°30′、トレールが109mm、SMは26°30′の95mmです。オンロードで乗り比べると、ちょっとずつ違うし、サスペンションの設定の違いがあるので、それぞれ違った特性があるでしょう。外装は一緒ですけどね。

竹川―――同じように見えてもう全然乗り心地が違う。

小林―――そうなんですよね。足つきだけでも違いがすごく分かったので、皆さんこれは悩みどころだと思います。

今回、撮影場所を借りましたオフロードワールドさんですが、SMの方はなんと試乗車もあります。このDR-Zシリーズはもう全国でめちゃくちゃ受注が入っていて、予定台数を上回る大人気とのことですが、オフロードワールドさんにはまだ若干数、在庫があるらしいので、ぜひお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

ということで、今日はまたがりと取り回しのインプレを頑張りました。皆さんぜひ参考にしてみてください。

●撮影協力:ユーメディア湘南 オフロードワールド様

DR-Z400SとSM、足つきだけでも違いがすごく分かる!



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