公開日: 2026/01/27
更新日: 2026/01/27
東京オートバイ協同組合(AJ 東京)は昨年11月26日、東京自動車サービス健保会館で、採用コンサルタントの小澤明人氏を講師として招き、人材確保セミナーを開催した。テーマは「職場定着へ『離職の導火線』を知ろう!」。7月に開催されたセミナー「『刺さる求人』人を動かすメッセージを!」に次ぐ、2回目の開催となった。
人材確保セミナーは東京都が実施する業界別人材確保強化事業(カスタマイズ支援)の一環として行われている取り組み。主催は、同事業を担当する公益財団法人東京しごと財団。講師は前回に続き、年間2000人を超える求職者を支援し、400社以上の採用コンサルティングを手掛けてきた小澤明人氏が務めた。セミナーの開催に先立ち、AJ東京の中澤吉浩理事長が挨拶を行った。
「多くの方に集まっていただいたことが、採用に苦慮されている実態を表していると思う。今回のセミナーを通して、何か一つでもヒントを持ち帰っていただきたい」
続いて、セミナーがスタート。冒頭、小澤氏は「セミナーの依頼は、『採用』と『職場定着』を別のテーマとして受けるケースが多い。けれども、採用をしっかりと行うことで、入社後の過度なフォローなどを減らすことができるため、今回はこの2つの事柄を交えて話していきたい」と述べた。
今回は、下記の4項目をテーマに説明が行われた。
①「採用は定着の礎『辞めない採用』のススメ」
②「何が違うのか!?『人が育つ会社、辞めていく会社』」
③「『入社3日』で離職の種蒔き~こんな失敗例も~」
④「どこから始める⁉中小企業の『働く環境』再整備」
まず①では、求職者の多くが志望動機を持たずに面接を受けるため、志望動機は採用側が作るものと考えたほうが良いと説明。そのため、いきなり面接を行うのではなく、説明会や企業プレゼンを実施し、求職者の疑問を解消しつつ、業界知識や就労観などを理解してもらう必要があるという。そうすることで、求職者は採用側に信頼を寄せるようになり、単なる「参加者」から、この会社で仕事がしたいという「応募者」へと変わっていく。面接の段階では、まだまだ志望動機が固まっていない、という感覚で接することが職場定着のカギであると語った。
次に②。今の若い世代の多くは、2、3年先までしか将来を見据えられないと指摘。いわゆる「タイパ(タイムパフォーマンス)世代」であり、時間の感じ方が変わってきているという。それを理解した上で、3年後にどれくらいスキルが身に付くか、一人ひとりに具体的な目標を立ててあげることが重要。そして、本気で育てる会社の姿勢を見せていくことが大切、と説明する。
続いて③では、何度も就職でつまずく人の特徴について紹介。「自ら働きかける力」が乏しく、キッカケを与えなければ、どうすればいいか分からないという。そのため、企業側は単に新入社員を受け入れるだけではなく、積極的に関わりを持つことが求められる。また、教育中に放置しないことも重要。新入社員が放置されていると感じるのは、「育成」や「研修」が体系化されていないことが原因。そのため、「ここまでやっておいて」と仕事を投げるのではなく、「ここまでやってみようか」と見守り、評価してあげることが重要となる。さらに、入社1週間は、数分でもいいので必ず退社時ミーティングを持つ。「今日の疑問は今日中に解決する」ことが大切と説く。
そして④では、やりがいのある職場環境をつくるための具体策について説明。多くの企業では、先輩が新人の仕事をフォローする仕組みとなっているが、これを変え、新人が仕事を早く覚えて先輩を手伝うようにすることで、「ありがとう」の向きを逆転させることが重要である。これにより、上司や社長が担ってきた業務を軽減するとともに、職場環境の整備や採用活動、新規事業などに注力できるようになるという。このような考え方を新入社員に教えることが大切。ありがとうの向きが変わると、やりがいが自分に還ってくるため、結果的にやりがいのある職場作りに繋がると述べた。
セミナー後には質疑応答を実施。「他業界から入社した息子の仕事に対するモチベーションをどう上げたらいいか」「自主的に1つ上の仕事をしてもらうための指導法を知りたい」など、様々な質問が寄せられた。今回のセミナーは参加者にとって、採用人材の育成や職場定着について改めて見つめ直す、有意義な時間になったものと思われる。
人気記事ランキング