公開日: 2026/11/03
更新日: 2026/11/05
今や世界的な人気観光地となった日本。東京や大阪などの大都市だけではなく、日本中どこへ行っても外国人観光客の姿を見かけないことはない。実際、日本政府観光局によると2025年のインバウンドの人数は4268万人となり過去最多を記録。2015年は1974万人だったため、わずか10年で倍以上に伸びているのが分かる。こうした中、大きな問題となっているのがレンタカー利用による交通事故だ。
観光地までの移動手段として、電車やバスよりも小回りが利くため、需要が高まっているのだ。
一例を挙げてみると、富士山周辺の観光地が多い山梨県では、県内の外国人観光客が運転するレンタカーの物損・人身事故の合計件数が年々増加。2022年は56件だったが、2025年には1047件と約19倍にまで増えている。今年5月末の時点でも608件と、昨年を上回るペースで事故が起きているという。
レンタカーによる交通事故増加の要因として考えられるのは、「交通ルールの違い」や「日本特有の狭い道」といった問題だ。
日本と海外とでは交通ルールに異なる点が多く存在する。例えば、日本では車両は左側通行だが、多くの国では右側通行が主流だ。また、赤信号について韓国やアメリカといった一部の国では、安全を確認していれば右折することが可能だという。ほかにも、「一時停止」の道路標識は日本では逆三角形だが、世界的には八角形が一般的だ。こうした自国との違いが外国人運転手の判断を鈍らせてしまい、結果として事故に繋がってしまうのだ。
また、外国人運転手の多くが日本の道幅の狭さに苦戦するという。外国人旅行客の中には日本語を全く理解できない人が多いため、車載ナビではなくGoogleのナビ機能を利用して運転する人も少なくない。しかし、道幅を考慮せずに案内されてしまうため、住宅街のような入り組んだ道や車1台通るのがやっと、といった狭い道に誘導されることが多々あるのだ。そのため、狭い道に慣れていない外国人運転手が車をぶつけてしまうなどの事故を引き起こしてしまうのだ。
こうした事故を未然に防ぐため国土交通省では現在、レンタカーの利用者が多い空港の周辺道路で先行して交通安全対策に取り組んでいる。右折事故の多い交差点内では、カラー舗装やラバーポールなどの整備を実施。また、社会実験として一部地域では、注意喚起の看板や路面標示を英語表記に変更している。今後、実施した交通安全対策について実装の検討を行い、空港周辺の直轄国道にて今年度中に順次、実施する予定だ。
外国人観光客が増え続ける日本では、事故を未然に防ぐための交通安全対策がより一層求められている。まだ未実装の地域でも近い未来、外国人向けの道路整備や標識の変更などが行われる可能性がある。日本人の運転手にとっても見過ごせない問題だからこそ、今後の政府の動向や取り組みについて注目していきたいところだ。
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