公開日: 2021/06/18
更新日: 2022/09/06
前回の記者発表で2021年東京モーターショーの開催中止が発表されたが、今回はその次にあたる2023年の開催について、理事会で満場一致で開催決定したことが発表された。これについて豊田会長は、2023年のテーマは『グリーン・アンド・デジタル』に決まった。これはカーボンニュートラルの実現の端緒になるものだ、と強調。エネルギー業界をはじめ通信業界などの参加も打診することを表明するなど、久々のビッグイベント開催に強い意欲を示した。
また前回、目標の100万人を上回る130万人を集客し大成功をおさめた東京モーターサイクルショーについても言及した。
「2018年当時、日本の自動車産業は(世界の)主役でいられるのか、という命題に直面しており、その象徴が東京モーターショーの来場者の減少だった。そこで私は近未来のモビリティショーの企画を提案した。それを受けた現場スタッフ全員が知恵を出し新企画が動き出した。その結果が130万人という来場者数となって表れた。意志を持って行動を起こせば、現実は変わるということを、多くの関係者が実感できたことと思う」
続いて主要テーマであるカーボンニュートラルについては、実現に必要なのは数値目標や規制だけではなく、「意志」と「情熱」と「行動」だ、と持論を展開。これまでの蓄積を生かしつつ、技術の選択肢を広げ、未来につなげていく道を選びたい、とした。
また、このミッションを掲げ、現場の努力を未来につなげていくことが自工会会長としての役割、としたうえで、コロナ危機において、自動車産業は経済復興のペースメーカーとして一定の役割を果たしたと思う、と強調。この先のカーボンニュートラル実現に向け、自動車産業550万人の底力をあてにしてほしい、と語った。
次に日髙祥博副会長(ヤマハ発動機代表取締役社長)は、二輪業界の観点から方針について説明。
「副会長を拝命致した折、自工会では二輪車の価値を広げるための世界標準やルール作り、啓発活動に取り組んできたが、ともすると守りの姿勢になりがちだった。これからは、電動化も念頭に、世界標準策定や二輪ファンの拡大をリードしていく、攻めの組織になっていきたいと話をさせて頂いた。まだ1年足らずだが、二輪委員会も組織改革の狙いを具現化すべく、取り組む」とした。
また、通勤や商用利用として使われる頻度の高い原付領域ではBEV(バッテリー電気自動車化)が可能だが、バッテリーは個社で賄うのではなく共通化すべきもので、すでに取り組みを開始している。国内はもちろん世界標準にしたい、と二輪領域の課題について説明し、方向性について語った。
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