ホンダEV電動バイク

ビジネスシーンでの活躍が期待されるEVスクーター「BENLY:e」。ホンダが報道試乗会を開催

公開日: 2020/06/22

更新日: 2022/09/06

 ホンダは3月13日、ラヴィドライビングスクール蒲田で「BENLY e:」報道試乗会を開催した。同モデルは、昨年の「第46回東京モーターショー2019」で世界初公開され、今後のビジネスシーンで活躍が期待される電動スクーター。「毎日のデリバリーにちょうどいいビジネスe:スクーター」をコンセプトに開発され、エンジン車のBENLYをベースに、新開発の電動化技術が搭載されている。

 BENLY e:シリーズには、原付一種の「BENLY e:Ⅰ」と原付二種の「BENLY e:Ⅱ」が設定されている。また、それぞれのモデルをベースとし、大型フロントバスケット、大型リアキャリア、ナックルバイザー、フットブレーキを標準装備する「BENLY e:Ⅰプロ」と「BENLY e:Ⅱプロ」も設定されている。

 同シリーズは、荷物を積みやすくするための広くてフラットなリアデッキや、坂道などでの切り替えし時に便利な後進アシストを採用するなど、ビジネスシーンでの使い勝手が考慮されたデザインとなっている。

 さらに、ユーザーがビジネスモデルをどのように使用しているかを事前に検証し、その使用用途に対応した性能を備えている。開発責任者であるホンダものづくりセンターの武藤裕輔さんは、次のように説明する。

「基本性能は、30㎞までの低速ゾーンでの利用が8割以上を占めるという結果から、この領域での使い勝手を考慮した設計になっています。また、最高速度は、速度分布の約9割をカバーできるという結果から、60㎞に設定しています」

動力用電源には簡便なバッテリー交換が可能な、着脱式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」を2個使用。
動力用電源には簡便なバッテリー交換が可能な、着脱式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」を2個使用。

 電動二輪車には、「航続距離の延長」「バッテリー充電の短縮」という課題が存在する。これに対してBENLY e:シリーズでは着脱式の「Honda Mobile Power Pack(以下、モバイルパワーパック)」を動力源とし、これを交換しながら使用することで、1つの解決方法を見出している。

 同シリーズは、モバイルパワーパックを2個搭載。重量は1個10・5㎏となっており、約4時間で充電が完了する。一充電あたりの走行距離は、「BENLY e:Ⅰ/プロ」が87㎞(30㎞/h定地走行テスト値)、「BENLY e:Ⅱ/プロ」が43㎞(60㎞/h定地走行テスト値)を実現する。なお、1個だけでは、走行できないという。

 販売希望小売価格(税込)は、モバイルパワーパックと専用充電器がそれぞれ2個付属し、通常タイプが73万7000円、プロタイプが74万8000円。4月24日より、法人向けに販売を開始している。

 ホンダは、さらなる業務安全効率化を実現するため、法人企業向け二輪車動態管理サービス「Honda FLEET MANAGEMENT」を用意。同サービスは、従業員の位置情報のリアルタイム把握、運転特性レポートによる安全性向上、業務日報の自動作成や各種管理による業務効率化、定められたエリアに対して車両の接近・通過・到着を通知といった、主に四つの機能を有している。営業責任者であるホンダ企画部商品企画課の古賀耕治さんは、
「サービスの開始は、今年の夏頃を見込んでいます。リリース後も、継続的に機能を更新したいと考えています」と語る。

 既に、日本郵便への導入が行われているBENLY e:。郵便だけでなく、新聞や食事などの配達で使用されるようになれば、カブに取って代わる、ビジネスシーンの新たな顔となる日が訪れるかもしれない。

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