公開日: 2023/11/03
更新日: 2023/11/13
海外ブランドのモデルといえば、リッタークラスの大きな排気量を思い浮かべるかもしれないが、実は、普通二輪免許で乗れるクラスのモデルも充実している。今年、ハーレーダビッドソンとトライアンフがこのクラスへの参入を発表。注目を集めている。
ハーレーダビッドソン、トライアンフ。この海外2ブランドに共通していることといえば、今年、250ccより大きく、かつ普通二輪免許で乗ることのできるクラスに新型車を発表したこと。
ハーレーダビッドソンのモデルは『X350』。今年10月、市場に投入されたばかりの1台だ。同社の『XR750』にインスパイアされたというフラットトラッカースタイルで、タンクからシートカウルにかけて流れるようなラインで、シャープな印象を受ける。ハーレーのバイクというとVツインエンジンが一つの代名詞だが、エンジンは水冷パラレルツインの353cc。最高出力36PS/9500rpmで、最大トルクは31Nm/7000rpm。排気量クラスは違うが同じ水冷式でスポーツタイプの『スポーツスターS』と比較すると、スポーツスターの最高出力は121PS/7500rpmなので、これよりも高回転型。X350は、回して遊ぶタイプであることが想像できる。
デビューに合わせて10月21日から29日まで、日本でどこよりも早くX350をお披露目する『ハーレーダビッドソンXカフェ』を東京都渋谷区原宿にオープンした。会場限定のドリンクやスイーツなどを楽しみながら、ハーレーのニューモデル・X350を眺める。またひと味違った楽しみ方を演出した。同カフェには、X350と同時に発表された500ccの『X500』も展示された。
そして、トライアンフ。『Speed400(スピード400)』と『Scrambler400X(スクランブラー400X)』が今年6月に発表された。インドで先行発売後、年内には日本にも導入予定だったが、発売は来年1月とのことだ。
スタンダードなスタイルを持つのがスピード400。19インチのフロントホイールやロングホイールベース、ワイドなハンドルバーなど「オンもオフもお任せ」という雰囲気を持つのがスクランブラー400X。ともに水冷単気筒の398ccエンジンを搭載し、最高出力40PS/8000rpm、最大トルク38Nm/6500rpm。
ハーレーとトライアンフが参入した、『車検はあるけど普通二輪免許で乗れるクラス』だが、海外ブランドにはいくつも同クラスのモデルがある。
例えば、BMWモトラッドの『G310R』『G310GS』。この2モデルの最も特徴的な部分は、後方排気であることだろう。一般的には後方から吸気して前方から排気するが、この2モデルは逆。エンジンも前傾ではなく後傾している。車体の重心位置を前にできるので、俊敏で軽快なハンドリングを実現している。
ほかにも、ロイヤルエンフィールドの『CLASSIC350』『METEOR350』。クラシカルで懐かしいスタイリングは、SNS上では女性からの「カワイイ」という声も多く確認できる。
まだまだある。KTMの『390DUKE』『390ADVENTURE SW』。373ccエンジンを搭載するハスクバーナの『Svartpilen401』『Vitpilen401』。ベネリにヒョースン、SWMなどなど探そうと思えばいくらでも見つかる。現在ラインアップから外れたモデルも加えれば、ドゥカティの『モンスター400』や『スクランブラーSIXTY2』などもある。
海外ブランドというと、大きな排気量に目が行きがちになるかもしれないが、実は、普通二輪クラスも充実しているのだ。このクラスの魅力といえば、何と言っても、あらゆる面での扱いやすさだろう。車重は軽いし、ボディもコンパクトなことも少なくない。パワーも使いきれないほどではないし、非力でもない。つまり『ちょうどいい』のだ。
ここにハーレーとトライアンフが参入し、話題性は十分。選べる車種やカテゴリー、ブランドが増えたことで今以上の市場活性化も期待できる。このタイミングで、『普通二輪免許で乗れる海外ブランド』という切り口で車両を揃え、来店する人に「このクラス、実はモデルが豊富」であることをお知らせするのも面白いかもしれない。
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