AJ政治注目

125㏄バイクの出力を50㏄レベルに。これが原付1種における第四次排ガス規制クリアの最善策

公開日: 2022/11/29

更新日: 2022/12/01

自民党オートバイ議員連盟は11月9日、衆議院議員会館で「二輪車車両区分要望に関する勉強会」を開催。そのなかで自工会二輪車委員会と全国オートバイ協同組合連合会(AJ)は、二輪車車両区分の改定要望として、総排気量または定格出力で定義されている区分に、最高出力の定義を導入したい、との要望を提出した。

これは原付二種に相当する125ccクラスの車両の出力を50㏄レベルにまでダウンすることで、原付一種である50ccバイクとして生産することを可能とする施策。この背景には第4次排ガス規制の問題がある。

業界要望の補足
業界要望の補足

50ccを除く車両には、すでに規制が適用されている。50ccについては、AJの働きかけにより、規制に対する時間的な猶予が与えられ、期間が2025年11月へと延長された。

けれども、新車の生産が止まる可能性が高まってきたことを受け、案出されたのが、前述の通り、出力ダウンによる規制のクリアであった。これが、「排気量または定格出力」から「最高出力」という定義に変更する手段なのだ。

リミットは2025年。車格や改造防止策などの対応問題も

自民党オートバイ議員連盟・三原じゅん子事務局長
自民党オートバイ議員連盟・三原じゅん子事務局長

この案に対する考え方としては、

①最高出力区分とすることで、日本独自の排気量規制に捉われることなく、欧州向け機種や廉価なアジア向け車両を活用できる

②最高出力値はカタログに表記されていることからも、ユーザーにとって車両性能をより把握しやすい数値である

③カーボンニュートラル達成手段の一つである電動車も将来、市場に普及した際、同じ理由で最高出力区分が望まれる

などを掲げている。

写真左:全国オートバイ協同組合連合会・大村直幸会 写真右:オートバイ政治連盟・吉田純一会長
写真左:全国オートバイ協同組合連合会・大村直幸会 写真右:オートバイ政治連盟・吉田純一会長

第4次排ガス規制の猶予期限は徐々に迫っている。これに対応するためには、来年の今頃には、すべてが固まっている必要がある。

車体の大きさの違いが走行性に与える影響(事故の増加)や改造防止対応など懸念材料もあるが、方向性は一致している。この先の流れとしては、EVバイクの普及や代替燃料等の二輪市場の変化や当該区分の最高出力値を検証しつつ、区分ごとに検証を行っていく。

SE Ranking

人気記事ランキング

女性ライダーも安心! 軽量で取りまわしがラクな「KLX230 SHERPA」登場

カワサキモータースジャパンは10月25日、本社(兵庫県明石市)で、11月7日にワールドプレミアが行われた...


KAWASAKI「KLX230 S」ローシートモデル足つきインプレ!

2024年11月27日発売カワサキ「KLX230 S」! 今回はBDSテクニカルスクールの井田講師とBDSバイクセンサー...


『APtrikes250』のプロトタイプ公開、発売は今秋。正規販売店募集も近日中に開始予定!

普通自動車免許で乗ることができ、3人乗車も可能で車検も不要な、クルマとバイクの『いいとこどり』の乗...


世界初公開! KAWASAKI「KLX230 SHELPA」足つきインプレ!

2024年11月27日に発売が決まったカワサキ「KLX230 シェルパ」! 今回はBDSテクニカルスクールの井田講師...


ATモード中でもMT操作可能な新システム「ASA」を搭載した「R1300GSアドベンチャー」

BMWは11月1日、BMWGROUP Tokyo Bay(東京都江東区)で、GSシリーズの新型モデル「R1300GSアドベンチャー...


2023年1月より電子車検証導入。二輪業界では、何がどう変わる?

来年1月、車検証が電子化される。二輪業界では何がどう変わるのか、販売店やユーザーのメリットは何か。...


オフ車選びに悩んでいる方必見! 人気オフロードバイク足つき比較

HONDA「CRF250L」、YAMAHA「WR250」「セロ-250」、KAWASAKI「KLX230」! 250ccクラスのオフロード車4台...


「W230」「MEGURO S1」足つき比較インプレ! 250ccレトロスポーツ遂に発売!

11月20日に発売が決まったカワサキ「W230」「MEGURO S1」! 今回はBDSテクニカルスクールの井田講師とBD...


2023年新車国内出荷台数 ~原一、10万台を割り込んだが原二の躍進で37万9800台と前年比3.0%のプラス~

2023年の新車国内出荷台数は国内4メーカー合わせて37万9800台(速報値・二輪車新聞社調べ)。原付一種が...


2024年上半期(1~6月)の総まとめ。小型二輪と軽二輪はどれだけ売れた?

2024年上半期(1~6月)における、軽二輪・小型二輪の新車・中古車販売台数データを全国軽自動車協会連...