公開日: 2023/04/05
更新日: 2023/04/12
4月。春の気配が感じられ、バイクユーザーの動きも活発化してくる頃だ。2020年からのコロナ禍で様々なイベントが中止となったが、昨年あたりから開催されるようになり、「ツーリングを再開した」という二輪販売店の話を多く聞くようになった。そこで今回は、ショップ主催のツーリング企画のヒントになればと、各地で行われている『スタンプラリー』にスポットを当てた。探してみると、想像以上に数があった。
例えば、バイク仲間同士のツーリングで行き先を決める時、「どこに行こうか」「あそこにしよう」「いや、こっちにしよう」など、意見がまとまらないことはよくある。仲間同士でもそのような調子なのだから、自分たちが楽しむのではなくユーザーに『乗る楽しみを提供』する販売店主催のツーリング企画なら、なおのこと頭を悩ませているのではないだろうか。実際、販売店からも、「BDSレポートでツーリングに関する企画案を取り上げてほしい」という要望を何度となく受けている。
また、近頃はバイクが「ライフスタイルを彩るツール」というポジションになり、「バイクで〇〇をする」から「〇〇をする時にバイクなら、もっと楽しいよね」という時代になってきている。ただ、そういう風潮が出始めてはいるものの、「バイクで〇〇をする」という考えの人がいなくなったわけではない。販売店からは「コロナ禍をキッカケにバイクを買ったけど、何をしていいのか分からないと言って、ほとんど乗らないままバイクを売りに来たユーザーもいる」という話も聞いている。いくら時代が変わっても、ユーザーに継続してバイクに乗ってもらうためには『乗る楽しみを提供』していくことが、いかに大切なのかが分かる。
販売店の企画するツーリングに何かしらの参考になる情報はないかリサーチしていた時、目に留まったのが、今年の秋に開催予定の『CBTR2023 第2回セントラル・ビワコ・ツーリング・ラリー(通称:びわツー)』。これは、滋賀県の彦根をスタート&ゴールとし、琵琶湖周辺に設定されたデジタルスタンプを集めながらツーリングするというもの。デジタルスタンプの場所は、琵琶湖周辺の観光スポットなどなので、どこに寄って、どこを見てなど、ルートを考える必要もなく、デジタルスタンプを集めること自体が琵琶湖一周ツーリングになるのだ。さらには規定数のスタンプを集めれば、『琵琶湖1周踏破証明書』をもらうこともできる。
びわツーは、確かに、ツーリング企画に向いている感じがするが、滋賀県から遠いお店は参加しにくい。そこで、日本各地でどんな『スタンプラリー』が行われているのか、あるいは実施予定なのか、それらを網羅したサイトはあるのかなどを調べてみた。
記事の最後に4つの情報を載せているが、スタンプラリーについて調べていくと、ツーリング企画に盛り込めそうなものや参考になりそうなものがいくつかあった。こうしたことからも、バイクとスタンプラリーの親和性は、意外に高いのではと感じられた。では、販売店はスタンプラリーがツーリング企画になりうると考えるのかどうか、話を聞いた。
「ウチでは取り扱っている車両のカテゴリー別にツーリングを実施しています。先週も行ってきたばかり。その趣旨に合致するものであれば、わりとおもしろいかもしれませんね。まずは、情報を見て検証してみます。最近、お客さん同士のツーリングで『走りに行くのに、どこか良いところない?』と聞かれることがあるので、そういう時に情報を知っていれば『こういうスタンプラリーがあるよ』とか、『こういうサイトを参考にしてみれば』などと教えることができますね」(東京都板橋区・A店)
「ウチでは店主催のツーリングは行っていませんが、なかなか有益な情報だと思います。今まで、ツーリングがしたい、というお客さんに対し、自分がプライベートでツーリングに行った場所を『ここが良かった』と答えてきましたが、個人が行ける場所も回数もそう多くはありません。そうなると、何度か聞かれるとネタ切れになるので、ツーリングに適したスタンプラリーがあれば、聞かれた時に答えていきたいと思います」(埼玉県川口市・B店)
実際にスタンプラリーをツーリングに活用している例としては、道の駅スタンプラリーを楽しむ動画を配信しているバイク系ユーチューバーがいる。もうすでにツーリングとして楽しんでいる人たちがいるのだ。それだけに、今後もしツーリング企画に困った時には、この記事を企画のヒントとして是非とも活用して欲しい。
■CBTR2023 第2回セントラル・ビワコ・ツーリング・ラリー(通称:びわツー)
セントラル・ビワコ・ツーリング・ラリーは昨年から始まり、今年で2回目を迎える。昨年は初回ながらも、定員の300名が募集開始からすぐに埋まるほどの人気イベントとなった。前回は9月から10月中旬にかけて開催され、デジタルスタンプを集めながら参加者は、近江牛や琵琶湖サーモンなどのグルメ、琵琶湖各所の観光スポット巡りを楽しんだ。琵琶湖周辺に設定されたデジタルスタンプを集めるための所要時間(目安)は、休憩なしで4時間半ほど。まるまる1日かけたツーリングに向いているスタンプラリーだ。今年も秋の開催が予定されている。まだ明らかにされている情報は少ないが、5月頃より随時詳細情報が解禁される予定となっている。
ホームページ https://cbtr.jp/
■2023 BikeJIN ラリー帳
バイク雑誌&WEBメディアの『BikeJIN(培倶人)』が展開する『2023 BikeJIN ラリー帳』の開催期間は2022年12月28日から2023年11月30日。 全体のスポット数は14とそう多くはないが、1年近い期間が設けられているだけに、東北から九州までチェックするスポットが散らばっている。期間が長いのは、そのためだろう。ラリー帳は同誌2023年2月号(昨年12月28日発売)の特別付録になっている。
情報掲載ページ https://www.bikejin.jp/column/touring-30075/
■道の駅公式サイト
ツーリングの途中、道の駅で一休み…という光景はバイクシーズンになるとよく見かける。その道の駅でもスタンプラリーが行われているのをご存知だろうか。全国が一つになって、というものではなく、北海道、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄の9地域、それぞれで開催されているのだ。開催期間は大きく分けて2つあり、1つは年度区切り(単年または複数年)。1つは無期限。ちょうど今は年度の切り替わり時期なので、年度でのスタンプラリーは終わっている地域もあるが、昨年と同じであれば、4月中に新たなスタンプラリーが始まるはずだ。もちろん、無期限でスタンプラリーを楽しんでいる場合は、いつ道の駅を訪れてスタンプを押してもOKだ。参加方法は、各地域の道の駅でスタンプブックを購入(有料二地域によって価格は違う)。あとは、地域の道の駅に寄ってスタンプを押していくだけ。例えば関東には180の道の駅があるが、今回はどこどこ方面の道の駅、次回はどこどこ方面の道の駅などと分ければ、数回分のツーリング企画にできてしまう。
ホームページ https://www.michi-no-eki.jp/
■日本スタンプラリー協会
道の駅のスタンプラリーだけではなく、日本各地で行われている様々なスタンプラリーをまとめたサイトはないだろうかと探していて見つけたのが、『一般社団法人日本スタンプラリー協会』だ。同サイトをチェックすると、全国で本当に多種多様のスタンプラリーが行われているのが分かる。一例を挙げれば、4月9日まで行われている『多摩都市モノレール 10億人達成重ね捺しスタンプラリー』。5つの駅に設置されたスタンプを重ねるようにして捺すと1枚の絵が完成するというもの。これはバイクで回るのではなくモノレールでの移動となるのだが、バイクで駅近くの駐車場まで行き、そこにバイクを停めてモノレールの旅を楽しむ、なんてこともできる。何かツーリングに絡ませられるスタンプラリーがあるか、探してみるのもいいかもしれない。
ホームページ https://stamprally.org/
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