公開日: 2024/01/25
更新日: 2024/02/02
90年代、バイクカスタムといえばスズキのカタナ。今回はBDS柏の杜会場プレミアムコーナーに出展されたユニコーンジャパン製作の「カスタムカタナ」をバイクジャーナリストの小林ゆきさんが解説&足つきインプレしました!
ユニコーンといえば神戸ユニコーンと名前がある通り、もともと神戸にあったショップさんです。実は昔、私はカスタムバイクの専門誌「CLUBMAN」という雑誌で編集者をやっていたので、取材に伺ったことがあります。当時からカタナしか扱っていないという世界的に見てもかなり珍しいショップさんなんですけれども、突き詰めるとここまで来るのかということで、前々から噂は聞いていました。
モデルはスズキのGSX1400Sをベースにしています。1400Sだからこそできたっていう部分がやはりフレームですね。油冷エンジン独特のフィンを魅せるのはもちろん、ネイキッドとしてはアクセントなんですが、フレームがダブルクレードルフレームになっているということで、やはり当時のカタナのイメージを作るのに、このダブルクレードルフレームが絶対的に必要だったのかなという気がいたします。1400Sの存在があったからこそ、神戸ユニコーンのリメイクカタナができたのかなと思います。
まず前から、フロントフォークはゴールドに輝いているインナーチューブ。こちらはチタンコーティングのフロントフォークになっています。そしてキャリパーがシックスポットのトキコ。
続いて、スタイリング全体。基本的にカウル類はカーボンによって作られています。そして、特徴的なタンク。やはりカタナと言えば、このタンクからアッパーカウルにかけた一直線のライン。当時のカタナからこのGSX1400Sに合わせて新たに型を起こして、アルミで叩き出して作ったということですね。
また、タンクキャップがエアプレインキャップになっていて、この辺も格好いいですよね。いかにもカタナという感じで、センターから横にずれた位置にタンクキャップがあるのもなかなか格好いいと思います。そして、スクリーンも光の加減によって色が紫色っぽくもなったり、虹色っぽくもなったりするチタンコーティングのスクリーンになっています。マフラーもやっぱりスズキと言えば絶対にヨシムラですよね! ということで、エキパイを見ていただくといかにも高級で、虹色に輝くチタンの色がとても格好いいヨシムラのマフラーが付いてます。リアサスにはオーリンズが付いていて、二本サスだからこそ黄色いオーリンズが目立って格好いいですね。
それから、リアホイールは6インチの幅があって190サイズのタイヤは捌けるということで、タイヤは現代のスポーツ用ラジアルタイヤは履けるというサイズになっています。
カスタムバイクなのに足つきチェックしてもいいということなので、早速またがってみたいと思います! 残念ながらシート高のスペックが公表されていませんが、大体800mm前後だったかと記憶しております。私のスペックは身長160cmの手足短めなんですが、カタナといえばクリップオンハンドルでちょっとハンドルが遠い記憶。その辺ユニコーンカタナだとどうなのかチェックしていきたいと思います。
まずは、サイドスタンドのままでまたがってみると、結構足が付く! そんなにバイクが傾いているわけではないのにだいぶ楽ちんですね。400ccサイズくらいのイメージで、自分が1400ccのビッグバイクに乗っている感覚が全くありません。若干左にお尻をずらして座っていますが、膝が若干曲がっていて母指球がベタづきなくらいシートはだいぶ低いですね。ステップ位置は私にとってはちょうどいい感じで、後ろ気味なんですが、意外と高いところにステップがあるのでタンクをホールドしやすい感じになっています。ですがハンドルを握るとやっぱりかなり手ごわい前傾姿勢になりますね。横から見るとレーサーのような前傾具合です。
では、足を踏み替えます。両足は全然届かないので片足ずつですが、シートはすごく滑りがいいのと、タンク回りがとても細いのですっと足を組み替えることができます。
そしてサイドスタンドを払ってみますが・・・届かないですですね(笑)。 片手でハンドルを支えている状態でも遠いのと、サイドスタンドにヒゲが生えてるのですが全然届かないです。私の足が短いからですが、こういう場合はバイクから1度降りてサイドスタンドを払ってからまたがるしかありません。
サイドスタンドは私には厳しめでしたが、90年代の一大カスタムブームの牽引役と言えば、やっぱりカタナ。当時、カタナをカスタムすると言えば、こういう風にしたいよねっという想い詰まったリメイクカタナでした!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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