公開日: 2024/03/05
更新日: 2024/04/19
HONDA「CRF250L」、YAMAHA「WR250」「セロ-250」、KAWASAKI「KLX230」! 250ccクラスのオフロード車4台を、バイクジャーナリストの小林ゆきさんが足つき比較しました!
私のスペックは身長が160cm、手足がRSタイチさん公認で同じぐらいの身長の方より4cmずつ短いそうです。そして体重は51kg、足のサイズは24.5cmとなっております。
やっぱりロードスポーツ車だと大体800mm切るぐらいのシート高なんですが、それに比べるとだいぶオフロードバイクは高いと感じられると思います。ですが、エンジンがこれ全部単機筒しかないので、シートそのものも幅が狭いんですよね。なので、シートは高いんですが足つきが少し確保はされています。
そもそも何でこんなにオフロード車はシートが高いのか? ということなんですが、まずオフロードを走ることに特化しているので、サスペンションを使ってガレてるところを跳ねたり飛んだりした時にエンジンが当たって壊れたりしないようにということで、エンジンの搭載位置が高かったり、サスペンションが長かったりします。あとは、実際に走っている時に操安性のバランスを考えて、メーカーさんはこういった高いシート高にしてしまうわけです。
でも、私たちで一般ユーザーはメインで走るのはアスファルトの公道ですので、そういった時に信号待ちだったり駐車場の出し入れなんかの時に足をついたりとか、押したり引いたりとかしますよね。そんな時に足がつくか付かないかそういった不安があるかと思いますので、まずはサクっと4種類全てまたがっていきたいと思います!
◎HONDA「CRF250L」
こちらはシート高830mm。普段使いでどうかというところなので、サイドスタンド状態からまたがってみると左足の母指球は一応付いておりますが、この状態からバイクを起こすと、やはり水冷ならではずっしり感じがあります。そして、足を踏み替えると、両方はつかないのですがシートの滑りはいいので、踏み替えはわりと楽です。真ん中に座っていますが、つま先つんつんでバランスが非常に取りやすいですね。では、サイドスタンドが払えるかどうかですが、一応足はつくんですけどバネがとっても硬いので慣れないと無理かもしれないですね。もう少し足長い人だったら出し入れが楽かなと思います。
さて、こちらのCRF250ですが、“L”と“S”があります。“S”の方がシート高が880mmあります。はじめにまたがった“L”と50mm差ということですが、サイドスタンド状態でも明らかに高く感じます。メーカーさんはやはり走らせた時にどうかってところを開発をしますので、少し乗り慣れた方はもしかしたらこちらの“S”の方が走っている時に楽しさを感じるのかもしれないですね。
ご用意いただいたものは新車なのでまたがれないんですが、こちらは「U-MEDIA(ユーメディア)」さんオリジナルのデカール付いています。やっぱりオフロード車の楽しみであるタンク回りの面積が多かったりして色んなカラフルなデザインのものが出回っております。
◎YAMAHA「WR250R」
こちらは競技用の車両にそのままウインカーなどを付けて公道を走れるようなコンセプトでできたバイクですので、シート高が895mmもあります。ですが、逆に車重は軽くて132kgなんですけれどもなかなかの強敵でございます。
ではサイドスタンドのまま、まずはまたがってみましょう。とりあえず太ももを引っ掛けてみたんですが、右足ステップも全く届かないですね。膝から下のリーチも短いので、もしステップを触るようにすると左足は完全に空中でブラブラです。
してここから踏み変えないとギアも入れられなければサイドスタンドも起こせないということで踏み変えます・・・。シートの滑りがあまり良くないですが、ハンドルをうまく使ってバイクがグラッといかないように、右にずれて膝をひっかけて左にずれて膝をひっかけてとなんとか踏み変えることが出来ました!
◎YAMAHA「セロー250」
WR250Rと比べて安心感が戻ってまいりました(笑)。こちらはシート高が830mm、車重が133kgとなっております。今回は4cm低くした仕様も用意していただいているので順番に見てみましょう。
まずセロー250をサイドスタンドのまま、またがっていきます。見るからに足の付け根よりシートが高いか同じぐらいかなっていう感じなので、恐らく乗っかり切るでしょう。はい、もう乗っかってますね! ほぼ真ん中に座った状態で、かかとは浮きますがしっかり右足ステップが踏めています。バイクを起こしてみますが、シートからおしりを浮かして腕の力を使ってハンドルで起こすっていう感じです。左にオフセットしていますが、母指球が完全に付いている状態なので足の力だけで立っていられます。
では足を踏み替えます。両足はやっぱり付かなくてシートの滑りも決して良くないんですが、割と重心が低い所にあるので、どっしりとバイクが真ん中にいてくれて踏み変えも楽です。サイドスタンドも届きますし、払うのも簡単です! ちょうどいい所に引っ掛けのバネがあるので出し入れも楽ちん。
続いて、ローダウン仕様のセロー250もまたがってみます。4cm低くなっているということで、見るからに低くて安心感に溢れてますね。ではまたがっていきますが、もう本当に普通のロードバイクのようで完全に真ん中に座っている状態で左足ベタ足です。このままバイク起こせそうな気もしますが、やっぱりオフロード車なので重心位置が高いところにあって少しズッシリ感がありますね。でもまたがったまますっと起こせますし、足を踏み替えも両足が着くという安心感に溢れているローダウン仕様になっています!
◎KAWASAKI「KLX230」
こちらはシート高が885mm、車重が134kg。また強敵が現れた・・・! ということで早速またがっていきましょう。
まずはサイズスタンドのまままたがっていきます。後ろはシートがフラットなので足を振り上げるのはいいんですけど、太ももが乗っかってるだけの状態で右足は全くステップに届きません。WRよりは左足が地面に着いていますが、つま先ギリギリです。この状態から起こすことはできないので、お尻をずらしてバイクを起こしてみると結構軽いですね。踏み替えはというと、シートのすべりが良いのと、数字以上にバイクが軽く感じるので右・左と少し大変ですが、サスペンションが結構沈むので、バランス感覚に慣れれば躊躇なく踏み替えできると思います。
では、サイドスタンドなんですが、私ではまたがった状態から足が届きませんので、もしやるとしたら乗る前に払ってからまたがる必要がありますね。
今回は、U-MEDIA(ユーメディア)湘南さんのオフロードワールドで250のオフロード系足つき比較をしてみました!
今回はまたがっただけなんですけれども、それぞれのバイク性格が全く違うんだっていうのが感じ取れました。メーカーさんはあくまでオフロードで楽しんでいただくということで設計されていますので、エンジンの搭載位置だったり、サスペンションの長さで重心が高かったり、シートが高かったりしますがこれは250ccクラスのいいところは、やっぱりエンジンが単機筒で細くて軽いところですね!
皆さん足つき足つき! と言いますが本質的にはつくかつかないんじゃなくて「グラっときた時に支えきれるかどうか」っていうことの方が重要なんですよね。なので、例えばWR250Rなら非常に軽いですからで、グラっときても片足でしっかり支えられちゃいます。多少倒してもすぐに起こせちゃいます。
また足の長さも重要ですが、あとは筋力ですね。購入の際に大丈夫なお店であれば、またがらせてもらって自分の体格やバイクの重さとのバランスを見てみて選ぶのも一つかなと思います!
またがっただけで「あ、これはコンペだな」「競技向きだな」とか「日常使いしやすいバイクだな」とかが恐らく伝わってくると思うので、そういった目線でもぜひ比較して選んでいただければと思います!
●撮影協力:ユーメディア湘南 オフロードワールド様
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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