公開日: 2024/04/15
更新日: 2024/04/19
2023年ミラノショーで発表されたミドルクラスツアラー、スズキ「GSX-8R」をバイクジャーナリストの小林ゆきさんが足つきインプレしました!
私のスペックは身長160cmの手足短め。RSタイチさん公認で同じ身長の方より2~4cm短いです。GSX-8Rのスペックはシート高が810mm、装備重量が205kgとなっております。
2023年のミラノショーで発表されて以来、私も初めてまたがりますが、技術説明会ではスズキの方が車両の足つきに関してかなり語ってくださいました。特に「またぎ」というキーワードがよく出てきました。これは「またがった時にどうか」ということで、車体から外観のカバー類をできるだけ排し、シートの左右幅をだいぶ中に追い込んだデザインとなっています。なので、数字のスペックよりも実際は足つきが非常によくできているとのこと。
車体を上から見るとシート、フレーム共に幅が追い込んであるように見えます。そしてハンドルはストリートスポーツという感じでセパレートハンドルではありますが、結構手前に引けていて、横に並んで押し引きする際に自然な位置でハンドルが握れる位置になっています。
では早速サイドスタンド状態からまたがってみると・・・
右足はステップにしっかり足が届き、左足は親指の付け根が地面に着いている状態です。かかとは完全に浮いていて、膝は伸びていますがしっかりと真ん中に座れています。ですが車体を起こすのには膝が伸びすぎているので少し左にオフセットすると、ほんの少しずれただけで完全にかかとが着きました。
ここからバイクを真っすぐに起こすと・・・
2気筒でエンジンそのものの重さがそこまでないので腕の力だけで起こせますね。そして体は完全に左側にオフセットしていて、膝は伸びきった状態でつま先立ちです。では、真ん中に座ってみるとあら不思議。ほぼ真ん中に座りましたが、親指の第1関節ぐらいまでつま先が着いています。
では足を踏み替えます。シートが梨地で滑りにくいんですが、さほどストレスを感じないのは丸みを感じるようなシート形状になっているからだと思います。また非常にシートの付け根部分が追い込んであって狭いので、踏み替えのストレスがないです。
ではサイドスタンドを払いますが、これは角が出ているタイプなので余裕で出し入れできますね。技術説明会で非常に熱のこもった説明をしていただいたんですが、恐らくこのサイドスタンドの出し入れに関してもよく考えて作ってあると思います。バネも重すぎず、ツノもいいところに出ているので出し入れ楽ちんです!
スズキさんが情熱を掛けたのは、やはり公道を走って使い勝手の良い・心地良い運転ができる・末永く乗れるようにといった作り込みが、またがっただけで感じられました。特に、技術説明会でよくおっしゃっていた「またぎ」というキーワード。「またがる動作に対してどうか」というところで色々開発されたことが分かりました。
そして、何といってもとにかく電子制御がモリモリ! 元々はレースなどで開発されたものだと思いますが、もはやそれが日常の使い勝手に細かく設定されています。クラッチのアシスト機能のレバーが軽くなったり、エンジンスタートも軽く押しただけで掛かかったり、ローギアの極々低回転でもエンストしないようなアシスト機能もあったりですとか、もちろんトラクション、ABSも色々盛り込まれています。それらが公道での安全で快適な走行に繋がっています。
バイクのカテゴリーではミドルクラスとは言われていますが、それを超えた非常に高性能なものを積んでおりますので、まだ大型バイクで免許を取って初めての方でもちょっと長距離ツーリングしてみたいよねという方は、色んなアシスト機能が皆さんの運転を安全に導いてくれるんじゃないかなと思います。そして、「またぎ」に対しての開発が非常に効いていて、身長160cm、手足短めの私でも全然気負うことがなく乗れる一台となっておりました。
ということでスズキ「GSX-8R」の足つきインプレでした!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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