スズキ足つきインプレ小林ゆき動画

SUZUKI新型「GSX-S1000GX」スポーツ×アドベンチャーのクロスオーバーツアラー!

公開日: 2024/04/25

更新日: 2024/04/26

スズキのニューモデル「GSX-S1000GX」をバイクジャーナリストの小林ゆきさんが足つきインプレ。最新の電子制御システム搭載により、高い操縦性と快適な乗り心地を実現しています!

“またぎ”にこだわった作り込み

“またぎ”にこだわった作り込み
“またぎ”にこだわった作り込み

まず私のスペックは身長160cm、RSタイチさん公認の手足短めです。ということで、今回160cm以下ぐらいの方、もしくは小柄で体格に不安があるよという方の参考になればと思います!

GSX-S1000GXのスペックはシート高が830mm、車両重量が232kgとなっております。ライバルとしてはBMW「S1000XR」とかカワサキ「ヴェルシス1000」あたりかなと思います。結構タンク回りが高くて、乗車姿勢が起きているようなタイプのツアラーになっております。

ちなみにS1000GXの「X」はクロスオーバーという意味だそうです。定義は難しいんですが、オンオフ両用できるかなというのと、今となっては車のSUVに近いイメージで、オフロードスタイルに近いけれども楽ちんに運転できるよっていうそんなようなカテゴリーになっていくかと思います。

先程スズキの方から色んな技術説明を聞いていたんですが、その中で何度も言葉に出てきたのが「またぎ」というワード。使い勝手というのはまたがる・降りるという「動作に対してどうか」というところで、やっぱり大きなバイクは足が着きづらいと中々億劫になってしまうんですけれども、S1000GXはシートやフレームを大分中に追い込んで狭くしたということで、私も今回初めてまたがりますがその辺りをチェックしていきたいと思います。

アドベンチャーとは思えない足つきと軽さ!

アドベンチャーとは思えない足つきと軽さ!
アドベンチャーとは思えない足つきと軽さ!

横並んでみましたが、腰掛けが全然できないぐらい高いですね(笑)

ではまたがっていきましょう! まずサイドスタンド状態でまたがっていきます。後ろはタンデムシートがちょっと上がってるので、結構一生懸命足を上げないなんですが・・・・

まじか!!! 完全に真ん中に座っているのにつま先がなんと着地をしています!

着地しているだけなのでこのまま車体を起こすのは全く出来ないですが、力を掛けられるように少し左にお尻をずらします。シートの滑りが大分いいのと、ちょっと左側に行っただけでしっかり足の親指の母指球が付きました。膝も少し曲がるぐらいなので、かなりシートを狭く追い込んでいるのが分かります。そして、ハンドルはクロスオーバーということでバーハンドルになっていて、結構引けていて幅が広いですね。

ではこのまま起こせるかどうか・・・あっ、全然平気かも!

ガソリン入ってないにしても「1000ccってこんなに軽かったっけ?」っていうような感覚です。しかも膝が伸びてるんですよね。つまり、腕の力だけで上げた感じなんですが、リッタークラスのオフロードバイクは結構乗りましたけど、もう重心が高くて重くて腕の力を使っても起こすのは厳しいんじゃないかっていうバイクばかりですけど、これは全然余裕です。そして今回技術説明会で、特に電子制御がモリモリということだったんですが、今までだと電子制御を盛ることによって、逆に重くなったりしたんですが、何か普通のスポーツバイクを起こしてるより軽く感じるかも。

さて、肝心のサイドスタンドが払えるのかっていうところで、まずは足を組み替えてみます。もちろん両足はつかないのでつま先つんつんで踏み替えますが、シートに引っ掛かりがあんまりないので滑らせやすいですね。

ではサイドスタンドに挑戦してみます。ツノが大分下の方に入るので、ちょっと一抹の不安がありますが・・・。届くけど惜しいですね。一瞬右足を宙に浮かせればなんとか届きますが、慣れてない人はこの方法はあまりお勧めしません。私の足の短さに対しては、あと5mmくらい足してあげればなんのことはないかなというふうに思っています。短足なので、なかなか出しづらかったりしますが、もちろん同じ身長の方で普通の足の長さの方だったら十分出し入れは簡単だと思います。

スズキならではの快適な使用感の開発

スズキならではの快適な使用感の開発
スズキならではの快適な使用感の開発

GSX-S1000GXをまたがりインプレをしましたが、今まで以上に電子制御関係モリモリにしましたよっていうのが一番の大きな特長かと思います。もちろんヨーロッパ、そして北米、全世界にリリースするわけなんですけれども、このたび日本でリリースするにあたってシートを欧州仕様よりも15mm低い方のものを採用しているということです。

今回の説明会にもあった通り「またぎ」というキーワードで開発されているので、4気筒とは言えだいぶシート回りが細くなっているということで830mmであっても、真ん中に座ってつま先がギリつくぐらいの感じでまたがることができました。上から見るとやっぱりクロスオーバーですし、長距離ツーリングを狙っているので大柄には感じますが、エンジン搭載位置は普通のスポーツバイクと同じくらいの高さにあるので、バイクを立てた時やまたがって起こす時に苦になる重さを全然感じなくて、むしろ軽いきがしました。

また純正アクセサリーとして2種類のシートが用意されているということで、中身のスポンジが違ったりとか、後はステッチが入っているものも用意されているということです。今まで性能と言えば、運転してどうかってところがメインだったんですけれども、ついに普段のまたがります、起こします、座ってどうか、みたいなところにも目が向けられています。もしかしたら自動車もやっているスズキさんならではなのかもしれないなとちょっと感じました。電子制御のモリモリは乗ってみないと分からない部分ではありますが、今回は足つきのインプレをお届けいたしました!

【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
◎小林ゆきブログ
◎X(Twitter)
◎Kommonちゃんねる

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