公開日: 2024/10/04
更新日: 2024/10/22
「サーキットで膝擦りしたいんです」というBDSバイクセンサーイメージガールの竹川由華さんに、バイクジャーナリスト小林ゆき流のサーキット走行方法を伝授します!
小林―――今回はライディングレッスンの日ということで、サーキットでどうやって上手に走れるかやっていきます。では「上手な人」ってどんな人だと思いますか??
竹川―――フォームがめちゃくちゃ格好良くて、ヒザが擦ってたりとかバイクが寝ている人です!
小林―――バイクが寝ている人はゆっくり走っている?それとも速い?
竹川―――速いです!
小林―――つまり、サーキットで上手に走れている人は必ず速く走れている。だから、速く走るためにどんな走りをしたらいいかっていうのを今からやっていきます。
竹川―――よろしくお願いします!
小林―――では、2つのパイロンの回りを八の字で走ると想定して、由華ちゃんだったら速く走るためにコーナーのどこを通りますか?
竹川―――外側に膨らんで中はいって、膨らんで中に入る??
小林―――もういきなり正解です! バイクって小さく曲がるのが難しいんだよね。大きく回る方がバイクをあんまり傾けなくていいので、その分スピードも出ます。それを利用して正解の線を書いてくれました。コーナーで曲がった後はまっすぐに走っているけど、これはどうして??
竹川―――直線で走った方がアクセルを開けれるからです!
小林―――大正解!! サーキットってS字だったり、いろんなコーナーがたくさん出てくるけれども、直線部分を作ることによってアクセルを開けてスピードが上げられれば結果タイムは速くなっていきます。サーキットを速く走る練習っていうのはコーナーを大きく曲がって、ストレートを作ることですね。
速く走るためにできるだけ直線部分を長く取りたい。けど、そのためにコーナーをあまり小さく曲がるとすごくゆっくり行かないといけなくなっちゃうし、ブレーキもしっかりかけなきゃいけなくなるので、スピードも殺さずに行くためには少し大きくコーナーを曲がるというのが基本の考え方です。
竹川―――スピードを殺さないために大きく曲がるんですね!
小林―――右コーナーで、曲がった先は直線だとします。どういう風に走ると一番速く走れると思いますか?
竹川―――外側からコーナーに向かって入って、曲がってそのまま内側寄りを走っていきます。
小林―――由華ちゃんが書いた位置でカーブすると角度がきついので、後の動きに移りにくくなりますね。コーナーに対しての走り方を、外側に行くことをアウト、内側に行くことをイン、また外側に向かうのをアウト、これを「アウト・イン・アウト」と言います。このアウト・イン・アウトのラインが上手くとれると速く走れるようになります。では次にU字カーブのラインを書いてください。
竹川―――はい、書けました!
小林―――このアウト・イン・アウトに合わせて一番コース外に接近するところをクリッピングポイントと言います。由華ちゃんに書いてもらった線だとアウト・イン・アウトの最初のアウトのクリッピングポイントは正解。インのクリッピングポイントは真ん中過ぎるのでもうちょっと奥かな。そうするとカーブもなだらかになるので大きく入れて手前で加速し始められると思います。クリッピングポイントを考えておくのは大事ですね。
小林―――速く走るための理屈は分かりました。由華ちゃんはモデルさんですから上手に見えるように走りたいというのもあると思います。では、上手に見える=速く走るにはどうしたらいいか、その合理的な動きをを今からやっていきます。
日本語ではハングオン(ハングオフ)って言ったりもしますけど、膝を擦るためのような走り方です。まず私が見本を見せます。またがって、よくある間違いが腰を落とせばいいんでしょって感じで練習したりしますが、しっかり曲がる方を見ないと駄目ですね。今左コーナーを想定してやっていますが、左に曲がりたい時は、左を見て、骨盤を向ける。ではこの時、自分の体をどこで支えていると思いますか??
竹川―――腕に力を入れちゃダメなんですよね?
小林―――正解! 腕に力が入っているとフロント周りの自然な動きを妨げてしまうので、足で支えます。左コーナーを曲がる時は右足のステップとかかとの内側を使います。そうすると、体は左側に落ちてるけどお腹と足でしっかり支えて手が離せるぐらい安定します。目線は曲がる方を見つつも頭は寝かせずにして、私の場合、出来るだけ地面に対して垂直にした方がコーナリングや次の動きにもつながりやすいと思います。では由華ちゃんもやってみましょう!
竹川―――はい! すごいつらそうだったけどできるかな(笑)。またがって、かかとグリップで、曲がる方を見る・・・。
小林―――背中がまっすぐになっちゃってるね。
竹川―――曲げないとだ! うわぁぁきつい!! 気を抜くとかかとグリップが出来ない。これで手を放す・・・。
小林―――結構きついよね! 戻りましょうか。
竹川―――左に曲がる時に左の太ももがつらいのって正解ですか?? フォームが間違ってるかもしれないです。
小林―――じゃあもう一回やってみようか。右足でしっかり自分の体重を支えます。骨盤を左に向けて、全体的に後ろに寄りすぎなのでもっと前になりましょう・・・。お尻が浮いてるね(笑)。あとは実際に走ってみてやりましょうね。
竹川―――もう太ももがつらいのと足が浮いちゃう!
小林―――由華ちゃんは重心位置が後ろすぎるので、とても曲がりづらいと思います。もっとエンジン辺りに重心を作っておくのと、右足だけで支えられるようにするといいですね!
次回 「膝擦り実践!」
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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【竹川由華さん略歴】
滋賀県出身のアイドル。愛称はゆうかりん。第二回サンスポGOGOクイーン審査員特別賞受賞。バイク好きの両親の影響で、自身でもツーリングに行くバイク女子。愛車はGPZ750・CBR250RR。2022年3月「BDSバイクセンサー」のイメージガールに就任。バイク好きアイドルとして活動の幅を広げている。
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