コラム

相次ぐ高速道路での逆走事故の対策として、国土交通省や高速道路各社で新技術の実用化に乗り出す

公開日: 2024/10/28

更新日: 2024/11/04

国土交通省と高速道路各社は7月24日、高速道路の逆走対策に関する有識者委員会を開催。人口知能(AI)などを用いた新技術の実用化と対策の強化に乗り出すことを決めた。高速道路での逆走は10年以上前から相次いで発生しており、その対策として期待される新技術の開発に向け、同省は2024年度中に事業者の選定を進めていく。

国交省の想定する新技術は、全国にある約1万5600台の高速道路管理用のカメラや、車載カメラなどを活用。車の逆走を検知すると、逆走車や周辺を走行する車のドライバーに対し、カーナビやスマホを通じて「逆走しています!」といった音声や通知による警告を行う。逆走車の検知には、AIを用いた画像認識技術などの利用を予定している。

今後の開発に向け、高速道路各社では事業者に対して技術公募を開始し、テストコースなどで走行実験を経て技術を選定して、実際の公道で実証実験に着手する予定。技術上の課題を検証し、逆走事故の多い区間を優先するなどして実用化を目指す。また、国交省では2029年までに逆走による死傷事故ゼロを目標に、設備の増強や新技術の導入を進める。

高速道路の逆走車の数、年間224件も発生

国交省などが対策に注力している高速道路での逆走事故だが、今年に入ってからも痛ましい事故が相次いでいる。8月15日、栃木県那須塩原市の東北自動車道の下り線で、逆走した軽ワゴン車と乗用車が正面衝突する事故が発生。逆走車と乗用車の運転手が死亡し、子供2人が重傷を負った。また、翌日には逆走車と大型バイクが衝突し、ライダーの男性が大けがをする事故も起きている。

そんな長年の問題に対し、新技術の導入を目指す以前から国交省などは逆走対策に取り組んでいる。2015年には国の有識者会議が開催され、今日まで高速道路各社により、出入り口付近の路面に大型の矢印を表示する他、料金所付近でのUターンを防ぐためラバーポールを設置するなど、対策が行われている。

しかし、未だに逆走車の全体数に大きな変化はない。「高速道路の逆走発生状況について(国交省調べ)」によると、2023年は224件発生し、約1.6日に1件のペースで逆走車がいることが判明。また、同年の逆走事故の年代別件数では約6割が65歳以上と、高齢者による逆走が多い。逆走の原因は、全体の4割が勘違いなどの「過失」、3割が「認知症」の疑いであることが分かった。

新技術の導入など新たな対策により、高速道路での逆走事故減少に期待が高まるが、人々の運転に対する意識を変えていくことも防止策として重要となる。特に高齢者や乗り慣れた人ほど、自分は大丈夫と思ってしまうことが多い。周りの確認を忘れず落ち着いた運転を心がけ、不安に感じたら家族と相談してみるなど、自身の運転を今一度振り返ることも事故を未然に防ぐ対策の1つとなるのだ。

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