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3分でわかる中古車ビジネスの“ツボ” SNSは、サービスや提案のヒントが転がっている『宝の山』

公開日: 2025/03/26

更新日: 2025/04/05

今回はYouTubeの動画からヒントを得たが、SNSには数えきれないほどの動画が投稿されている。その中には、まだまだビジネスのヒントや提案のネタが隠れているだろう。SNSは見て楽しむだけのものではない『宝の山』なのだ。

ユーザー視点と販売店視点のハイブリッド感覚の動画がヒントに

ユーザー視点と販売店視点のハイブリッド感覚の動画がヒントに
ユーザー視点と販売店視点のハイブリッド感覚の動画がヒントに

YouTube、Instagram、TikTok…。モトブロガーが珍しくなくなったいま、販売店もそれらを使って動画で情報発信するなど、各種SNSでは数多くのバイク関連動画を見つけることができる。

ツーリング動画や愛車の紹介、店や在庫車両の紹介、メンテナンスやカスタムの交換・作業の様子、バイク系イベントの様子を映した動画など、その種類はさまざまだ。その中で、「おもしろい」と印象に残ったものがあるので紹介する。それは、YouTubeにバイク関連の動画を投稿しているMaiさんの『まいおん!』というチャンネルに投稿されたもので、Maiさんの愛車である『YZF-R25』のフロントフォークシールを交換するというメンテナンス動画だ。

メンテナンス系の動画の場合、ユーザー視点の動画だと自分でアレコレ工夫したり、ネジが外れずに苦労したり、手順が分からずに時間がかかったり、といったものが大半。でも、最後には完成して達成感を味わう。そんな内容のものが多いように思う。

販売店視点の動画であれば、ユーザーから預かった車両についてスタッフが状況を説明しながら分解・部品交換・外したパーツの取り付けなど一連の作業を行う様子とそのプロセスを紹介する、といったモノはよく見かける。しかし、Maiさんの動画はそういったものとは少し趣が異なる。R25で行きつけの販売店に行き、店のオーナーと一緒にメンテナンスを行うというもの。そのため、一部の販売店がサービスとして行っている、「作業スペースと工具の無償提供」とも異なる。ユーザー視点と販売店視点のハイブリッドと言えるような、他にあまり例を見ない動画なのだ。

ユーザーにも店にもメリットがあるメンテナンスのサポート

ユーザーにも店にもメリットがあるメンテナンスのサポート
ユーザーにも店にもメリットがあるメンテナンスのサポート

二輪販売店でユーザーがメンテナンスを行うメリットは、いくつか考えられる。まず一つは整備のプロがすぐそばにいるということ。困った時には、その場でアドバイスやコツを教えてもらえたり、難しい作業であれば手伝ってもらう、あるいは作業を代わってもらうことができる。Maiさんの動画でも、要所要所はオーナーが作業する様子が見られる。

次に、店の設備や工具が使えるということ。例えば、2000円もしないソケットレンチセットを使ってボルトを締めている時、ソケットが割れたという話は何度もなく聞いたことがある。しかし、店の工具なら、そのようなことはまず起きない。整備に適した設備と工具が使えるというのも大きなメリットと言えるだろう。

また、店のサポートを受けながらユーザー自身の手でメンテナンスしていくので、愛車に対する愛着がさらに沸くうえ、バイクへの理解度を深めることができる。これもメリットの一つだ。一般的には店にメンテナンスをお願いすると、バイクを渡して作業が終わったら受け取って終了。店がメンテナンスを行っている間は、ユーザーとバイクの接点はないことが多い。でも、「Maiさん」の動画では、そこに接点が生まれている。「ココがサビている」「ココが汚れている」といった愛車の状態をユーザー自身の目で確認してもらうことで、次のメンテナンス提案にもつなげやすくなる。

ユーザーの作業に対して不安視することも考えられるが、そこはしっかりと「作業後には最終確認して、車両をお渡ししています」(出演販売店)とのこと。ユーザー自身が自宅などで作業した場合、自分の行ったメンテ内容が正しいのかどうかを誰にも確認することができないが、店で作業すれば作業が正確に行われたかを確認してもらえるので、その後も安心して乗ることができる。これは販売店でメンテナンスすることの最大のメリットだ。

今回のポイントは、こういった一連の動画を撮ってSNSにアップしよう、というものではない。ユーザーが自ら行うメンテナンスに対してプロである二輪販売店側がアドバイスを行うことにより店の技術力、接客対応力を伝えることができる。また、オーナーやスタッフの人柄を知ってもらうことでユーザーとの距離感が縮まる。そうなれば間違いなく店の信頼感の向上につながるだろう。動画を撮る撮らないは別として、自店の施策として参考にできる部分は多いものと思われる。

今回はYouTubeの動画からヒントを得たが、SNSには数えきれないほどの動画が投稿されている。その中には、まだまだビジネスのヒントや提案のネタが隠れているだろう。SNSは見て楽しむだけのものではない『宝の山』なのだ。

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