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Kawasaki「W230試乗インプレ!」 MEGURO S1の足つき比較も!

公開日: 2025/04/24

更新日: 2025/04/29

カワサキプラザ船橋店さんご協力のもと、空冷ならではの大型の冷却フィンを持ち、Wのこだわりが各所に施されたクラシカルなデザインのエンジンを搭載した「W230」のレンタルバイクを小林ゆきさんが試乗インプレ! さらに同じく大人気の「MEGURO S1」足つきもチェック! どちらにしようか迷っている方はぜひ参考にどうぞ!

「W230」まずは取り回しからチェック!

「W230」まずは取り回しからチェック!
「W230」まずは取り回しからチェック!

レンタルなどで初めてのバイク乗る方、いきなり乗るのはちょっと待ってください! オススメは「1回取り回し」をやってみると。このバイクがどれだけ重いのか、どれだけ小回りするのかしないのか自分の体にまず刻みこみます。駐車場や車庫に止める場面も多いと思いますので、その想定でやってみようと思います。

W230は車重が143kgと非常に軽く、シート高が745mmと低いです。まずバイクの横に立って車体を直立させますが、もう軽いですね。では右ロックで前に出していきますが、押し出しも非常に楽で、バックする際もしっかり手が届きます。慣れないバイクは体で車体を支えた方が取り回しの際に安全なんですが、シートとタンクのくびれに体が挟まって丁度いい感じ。後ろも見やすいですし、そもそも軽いですから綺麗に駐車場に収まりました。

続いてグルグル回ってみると、めちゃくちゃバランスが取れていて押しやすいですね。元のモデルが30年大ベストセラーのエストレアなので、そのバランスの良さを受け継いでいる感じがします。また、そこまでハンドルが広くないので腕が短い私でもちゃんとハンドルが届きます。基本的にはめちゃくちゃ軽いので、斜め45度くらい車体を傾けても全然起き上がれますし、ぐらっと来ても体で車体を支えていれば全然平気。非常に取り回しがしやすいので免許取り立てて日が浅い方でも、初めて乗るときに怖くないと思います!

続いて足つきチェックをしていきたいと思います。シート高は745mmと低いですが、いわゆるテイスティモデルで体が起きるので、ハンドルはそこそこ普通の高さに感じます。私のスペックは身長160cm、手足は結構短めでございます。シート高は低いですが、サイドカバーの張り出しが気になるので実際にどうかチェックしていきます。

ではまたがってみると・・・・。もういきなり真ん中に座って左足はかかとまでベタ足です! なんと膝が曲がっております。無理しなくてもこのまま車体を起こせますし、腕の力が要らないですね。踏み替えも色々する必要なくて、足を降ろしたら両足が付きます。ですが、流石に足の母指球までは付かないです。あと片足になるとステップが邪魔かな。大きな人はちょっと後ろに座ってあげるといいかもしれないですけど、一番前の方に座ると、若干ステップがスネに当たります。

ではサイドスタンドの出し入れはどうか。上から見るとかかとより後ろにあるんですね。この位置はちょっと珍しいかもしれないですがツノが付いていますから、それを利用してとても簡単にサイドスタンドを出し入れすることが出来ました。非常にフレンドリーで、やっぱり軽いということがライダーにとって非常に優しいですね。

「MEGURO S1」と大比較!

「MEGURO S1」と大比較!
「MEGURO S1」と大比較!

W230とほぼ一緒じゃない? と皆さんお思いでしょうが、大きく違うところが2つあります。1つめはメグロにはタンクパッドが付いております。2つめはシートのデザイン。W230はボコボコしているデザインでしたが、メグロはつるんとした形状をしています。あと、メーカーは公表していないと思うんですけれども、メグロの方が若干シートが硬い気がします。

ではまたがっていきますが・・・。やはり後ろはフラットなので足が上げやすいですね。足つき自体はほとんどW230と変わらず、サイドスタンド状態だとしっかりかかとが付きますし、膝も曲がっています。ですが、やはり全然シートの硬さが違う。ほぼ感じる人はいないレベルの違いなので、これは一緒と言っていいかもしれないんですけれども、私のお尻はその違いを感じています(笑)。

ではサイドスタンドを払いますが同じようにツノが出ているのでつま先で払う、かかとで出すのが楽ちんです。ということで、W230と比べてみましたがタンクパッドとシート形状が違ったり、明らかにスポンジがこっちの方が硬いんじゃないかなと思いましたが、足つきにはほぼ影響ないので同等と言っていいと思います。こちらも非常に足つきがフレンドリーな車両だと思います。

「W230」エンジンから伝わる “鼓動感”が超楽しい!

「W230」エンジンから伝わる “鼓動感”が超楽しい!
「W230」エンジンから伝わる “鼓動感”が超楽しい!

郊外の道を走っていますが、カワサキならではの非常に軽くてクイックで、素直なハンドリングに助けられました。初めての道とか、すごく狭い道でバイクをゆるゆると走らせなければいけない時にそういったハンドリングというのは非常に助けてくれるのかなと思いました。特にカワサキさんはハンドリングが非常に評価が高かったという記憶がありますが、W230も太過ぎないタイヤでこんなにキビキビ走るのと、交差点で思った通りに曲がってくれて、ライダーが意識して体重移動をする必要が全くないです。

先ほどから幹線道路とか市街地とか走っていますが、走り出して一番感じたのが新設計エンジンの鼓動。エストレヤの丸っこいエンジンをちょっと改良したのかと思いきや、コンペモデルとしても活躍するKLX230シリーズをベースにしているということで、よく外観を丸っこく可愛くしたなっていうのと、中身をいろいろチューニングしているのかな?マフラーの音も結構影響していると思うんですが、単気筒ならではのドコドコ感を感じながら走っております。

そして、インジェクションのいいところはオートチョークでしょうね。エンジンをかけていきなり走り出せるんですよね。私はゆるゆると走りながら暖気するというのをやったりしますけれども近所迷惑にもならないですし、最初アイドリング高いなと思うかもしれないんですが、エンジンがあったまってくると、ちゃんとちょうどいいところに戻ってくれます。

信号待ちって、初心者の頃いちいち怖かったなというのを思い出すんですよね。右に向けて曲がる、回るためにあらかじめハンドルを切りながら止まっていなければいけないみたいな。そんな時もW230は軽いですし、30年ぐらいに渡る大ベストセラーのエストレヤを踏襲しているわけなので不安感がない。また昔ながらの体が起きた姿勢というのが、運転に非常にゆとりを持たせてくれます。体が起きているということは、顔も起きるわけなので、視界が広く持っていきやすく、そういう意味でもストレスが少ないバイクなんだなと感じています。

もうずっとドコドコしてて気持ちいいですね。サイレンサーから生まれる振動がダイレクトにステップから伝わってきます。意識するとお尻や膝あたりも鼓動を感じます。最近のバイクはシミュレーションの技術がすごくて振動をいかに逃がすかみたいなことがコンピューター上であらかじめ計算をされるんですけれども、あえて振動があった方がいいという判断だったと思うし、元の形を生かしたことにより、逆に生まれたとも言えると思うんですが、かなりライダーに楽しさを生み出しているなと感じます。

ではちょっと加速してみましょう。5000回転、6000回転でも鼓動が気持ちいいというのはなかなかチューニング具合が素晴らしいんじゃないでしょうか。ちょっと大きな排気量を運転しているかのごとく感じられます。先日KLX230シリーズを試乗させていただいたんですが、あちらは高回転になればなるほど滑らかな感じだったんですよね。とても同じベースのエンジンとは思えないです。

今回初めての試乗だったんですが、いろいろびっくりすることがありました。2000年代ぐらいにいわゆる環境性能というのが大きく変わり、それによって結構打撃を受けたのがこういったモデルだったんですよね。エンジンむき出しで空冷単気筒となると音の問題がかなり厳しくて、今後こういったむき出しのものは難しいんじゃないかっていう風に言われていた時代がありました。ですがカワサキさんはやはりすごいですね。KLX230というコンペモデルも見据えたエンジンがベースなんですが、形は丸っこくてレトロで可愛い感じになっておりますし、乗り味もどっしり下からパワーを感じられるエンジンで、もちろん排ガスもクリアしております。キャプトンマフラーをそのまま採用したっていうのが、鼓動感をそのままライダーにダイレクトに伝えることに繋がってるのかなと思います。

W230とメグロS1で非常に迷うとは思うんですが、どっちがどっちとは全然言えないし、細かいところで言えば、エンジンのフィンの端っこ処理がちょっと違うよとか、ここにパットがあるかないかとかその程度の違いなので、デザイン的な好みで選べばいいかなと思います。初めてのバイクとしてはもう絶対おすすめですし、年齢を重ねてちょっと大きいバイクはそろそろ不安だなとか、セカンドバイクとして、足として欲しいよっていう方にもとてもオススメな車両でした!

●撮影協力:カワサキプラザ船橋店

【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
◎小林ゆきブログ
◎X(Twitter)
◎Kommonちゃんねる

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