プジョービジネス

プジョーモトシクル、プレミアムディーラー制度が始まる

公開日: 2021/04/02

更新日: 2022/09/06

 2018年、本格的に日本市場に進出したフランスのモーターサイクルブランド「プジョーモトシクル」。当初は、ブランドの認知度向上を目指す活動を展開していたが、進出から約3年が経過した1月20日、「プジョーモトシクルプレミアムディーラー」制度を発足。上質なブランド体験を提供するという、一段階上のステップに移行した。

現存するモーターサイクルブランドで最古の歴史を持つ「プジョーモトシクル」

<center>ただ並べるのではなく、利用シーンをイメージさせる車両展示</center>
ただ並べるのではなく、利用シーンをイメージさせる車両展示

 プジョーは言わずと知れた、世界的にもメジャーなフランスの自動車メーカーである。だが、同社が二輪の生産を手掛けていることは、一般的にはあまり知られていないだろう。

「プジョーモトシクル」。二輪メーカーとして120余年の歴史を持ち、現存するモーターサイクルメーカーとしては最古である。主力製品の「ジャンゴ」をはじめとするスクーターは、ヨーロッパでは日常の足として長く親しまれている存在。日本へ本格的に進出したのは2018年。「aidea株式会社(以下、アイディア)」が日本における総代理店を務める。

「2018年のモーターサイクルショーで、弊社がプジョーモトシクルの製品を取り扱うことを発表しました」(aidea株式会社・マーケティング部・マーケティングディレクター・成田裕一郎さん)

 モーターサイクルショーでの反響はどうだったのだろうか。

「四輪もあることから、プジョーというブランド名はよく知られており、好意的に捉えて頂けたと感じています。ただ、二輪があることをご存知の方は少なかった。それでも、ジャンゴには『デザインや色が可愛い』という声を多数頂き、日本への導入については、まずまずのスタートが切れました」

 ブランド知名度の高さに加えて、モーターサイクルショーの来場者に高い評価を受けた商品力、この2つが好スタートを切ることができた大きな要因だろう。

「私の知る限り、フランスのブランドはあまり日本に来ていません。そういった独自性と、フランスという 国に対する『オシャレ』『ハイセンス』といったイメージも良い方向に働いているものと思います。また、同じような時期に、同じくヨーロッパ生まれのランブレッタも日本への進出を果たし、オシャレでデザイン性の高い海外メーカーのスクーターはベスパ、ランブレッタ、プジョーと3ブランドになりました。これが相乗効果を生んでいるのは間違いないでしょう」

上質なブランド体験を提供できる店、それが「プレミアムディーラー」

<center>プレミアムディーラーには最新モデルも展示</center>
プレミアムディーラーには最新モデルも展示

 人とかぶりたくない、オリジナリティが欲しい、といった要素を重視するユーザーがここ最近、増えていることも、追い風となっているのだろう。

「先ほども話しましたが、モーターサイクルショーでは『バイクもやっていたの?』と聞かれることがほとんどで、プジョーというメーカー自体は広く知られていても、プジョーモトシクルの知名度は低い。スタート当初は、『まずは知ってもらうことが先決』と、販売店様の数を増やす活動を展開しました」

 2月現在、プジョーモトシクル正規販売店は150店ほどになっている。

「2018年に比べて、最近は認知度の高まりを強く実感しています。弊社としては、『とにかく販売店様の数を増やして認知度を高める』という段階から、次のステップに移るタイミングだと思い、1月20日に『プジョーモトシクルプレミアムディーラー』制度をスタートさせました。これは、ブランドの価値をお客様にも販売店様にも理解していただくための制度です」

 つまり、『量』から『質』への転換ということだ。

「プジョーを購入されたお客様にアンケートを取ると、『ブランドが良いから購入した』という声が多い。『スピードが速いから』という機能的な価値ではなく、『ブランドが良い』『デザインが良い』など、情緒的な部分に価値を見い出しいていらっしゃいます。そこで、プレミアムディーラー制度によって、『ちょっと上質なブランド体験の提供』をしたいという考えに至ったわけです」

<center>「シティスター」など「ジャンゴ」以外のスクーターもしっかりと展示</center>
「シティスター」など「ジャンゴ」以外のスクーターもしっかりと展示

 新しいモデルの展示車両があり、試乗車があり、そしてプジョーに詳しいスタッフが常駐しているという3点が、プレミアムディーラーの必須条件。現時点で、赤坂ショールームを含む8店舗がプレミアムディーラーとなっている。

「販売店様は、最終的にお客様が買うか買わないかを決定する非常に大切なブランド体験の場所。だから上質な体験ができる場所であって欲しいのです。プレミアムディーラーは、最新モデルをその目で見ることができ、実際にプジョーのモデルに乗ることができ、プジョーモトシクルに関する様々な情報も得ることができますので、お客様は購入までのプロセスにおける心配事がなくなります」

 プレミアムディーラーの内装の指定や専売店化については、現在のところ条件はない。

「専売店はあってもいいとは思うのですが、今はそれを条件にしていません。購入されたお客様にお話を伺うと、ランブレッタやベスパを他店で見て来たという方が多い。私自身もそうなのですが、1つのお店に、いろいろなブランドが並んでいると違いがよく分かります。スタッフに『これはここが良いけど、こっちはここが良い』などの話が聞けるので楽しいし、選ぶ際の参考にもなる。弊社都合で専売店化を求めるのではなく、お客様のメリット優先で考えています」

今後の目標は、取扱店全店が上質なブランド体験のできる店になること

<center>ドラマで使用されたことで、女性からの問い合わせが急増した「ジャンゴ」</center>
ドラマで使用されたことで、女性からの問い合わせが急増した「ジャンゴ」

 プジョーモトシクルのユーザーには特徴がある。女性ユーザーの比率が全来店客の2割にもなるという。実に女性人気の高いブランドなのだ。売れるのはジャンゴシリーズが圧倒的に多く、メインとなる排気量は125㏄。

「『免許を持っていなかったけど、ジャンゴがあまりにもかわいいので、免許を取りました』という方が結構いらっしゃいます」

 もとから女性人気の高いプジョーだが、最近はさらに女性からの問い合わせが増えているという。

「キッカケは、人気タレントの出演するドラマに、ジャンゴが使われていることです。プジョーのお客様の中心となる年齢層は40代から50代の方ですが、ドラマに使われるようになってから、30代の方や若い女性からの問い合わせが非常に増えました。ドラマは3月末までの放送予定なので、これからまだまだ増えると思います」

 認知度向上から上質なサービスの提供へとステップアップ。ドラマの反響で、女性人気がさらに高まりを見せているプジョーモトシクル。今後の展開について、成田さんは次のように説明する。

「プレミアムディーラーの数を増やすことです。今は8店舗ですが、年内には倍ぐらいにしたいですね。そして、やがてはプレミアムディーラーと名乗らなくても、全ての販売店様が上質なブランド体験のできる店になるよう、サービスの質を底上げしていきたいと考えています。また、今後もさらにディーラー数を増やしていきたいと考えているので、プジョーモトシクルに興味のある方はお気軽にご連絡ください。その上で、お話をさせて頂ければと思います」



二輪ビジネス関連記事一覧注目記事一覧

人気記事ランキング

50cc時代に幕。2025年4月1日、『新基準原付』スタート!

道路交通法施行規則が改正され、4月1日より適用される。これにより、原付一種にしか乗れないユーザーで...


二輪自動車整備士の講師が教えるバイクメンテ教室! ~ブレーキ編~

日常点検、皆さんやられてますか? 危険なトラブルの早期発見になる非常に重要なことです。今回は【ブレ...


電気自動車のタイヤ消費、ガソリン車の4〜5倍!? 摩耗スピードが早い理由とは?

最新テクノロジーやデジタル社会に関連するニュースを扱うメディアサイト「ギズモードジャパン」は1月29...


「W230」「MEGURO S1」足つき比較インプレ! 250ccレトロスポーツ遂に発売!

11月20日に発売が決まったカワサキ「W230」「MEGURO S1」! 今回はBDSテクニカルスクールの井田講師とBD...


カワサキモータースジャパンインタビュー。二輪メーカー初の女性社長、桐野英子氏の原点はGPX250R

初の女性社長、自らもライダー、H2の企画担当、8年間のフランス勤務経験・・・。話題性が豊富なだけに注...


2023年1月より電子車検証導入。二輪業界では、何がどう変わる?

来年1月、車検証が電子化される。二輪業界では何がどう変わるのか、販売店やユーザーのメリットは何か。...


バイク希望ナンバー制、令和8年度導入へ

クルマには既に導入されているが、バイクへの導入は見送られていたナンバープレートの『希望番号制度(...


ハーレーダビッドソン新型「X350」登場! 足つきインプレ編

“普通自動車二輪免許”で乗れるハーレー「X350」が発売! バイクジャーナリストの小林ゆきさんと、BDSバ...


『スマートモニター』選ぶなら、すすめるなら、安心できる製品を!

今、ユーザーから注目されているツールのひとつが『スマートモニター』。バイクにスマホをマウントする...


2024年新車国内出荷台数、約32万台でコロナ禍以前の水準に

2024年の新車国内出荷台数は32万0300台(二輪車新聞調べ・推定値)となり、コロナ禍以前の水準となった...


SE Ranking