公開日: 2023/11/23
更新日: 2023/12/06
ヤマハが新型4車種のメディア向けサーキット試乗会を開催。今回は、12月発売のニューモデル「XSR125ABS」をバイクジャーナリストの小林ゆきさんがサーキットで試乗インプレを行いました!
数周していますが、非常にとっつきの良さを感じております。とても素直なハンドリングで、特にタイヤのリア周りがしっかり支えてくれているようなコーナリング。サーキットなので、ついつい攻めそうになるんですが、あえて高めのギアでゆるゆると走っています。
XSRというバイクは結構前から発表されていたんですが、いよいよ発売ということで初めてまたがっております。これまでR-15/R-125とMT125、XSRと3兄弟で出ていますが、XSR125はハンドルが広く設定されていて、ストリートファイター系というかオフロードの設定ではないということ。スポーツバイクのハンドルの高さと、広いハンドルによってタイトなコーナーもしっかりハンドルで支えながら走れています。
125ccは車格を気にする方も多いと思います。特に男性の方だと小さすぎないのか気になるところではあると思いますが、足元はスポーティーさを失わず、窮屈でない、ちょうどいい塩梅のところにステップが設定されているので、一般的な175cmの男性ライダーでも乗りやすそう。
そして、タンク周りを結構作り込んだということで、私は手足が短いのでタンクそのものが挟めないんですが、一般的な足の長さであればちょうどタンクのサイドあたりをニーグリップで挟み込めると思います。
さて、肝心のエンジンはというと、スペックだけ見ると250のほうがいいと思う方もいると思いますが、スペック以上のトルクとパワーを感じております。左右にひらひら走っていますが、スロットルに対してレスポンスも非常にリニア。コーナリングの時に少しスロットルの開け閉めをためらっても思いのままに操れる楽しさを感じております。
今回、エンジン7000回転あたりで元気よく走れるような装置が付いているということで、ギアを下げて回転を上げて走っています。XSRは1万回転でレッドゾーンなんですが、昔のキャブレター車のような5000~6000ぐらいで息継ぎとかそういったことはないですね。切り返しでひらっと入った時の落ち着き方が非常に楽しいですね。
サスペンションはやはりグローバルモデルということで私の体重だと少し硬いんですが、キビキビとメリハリをつけて走ると切り返した時の安定感がすごいです。
続いて、ストリートモードに切り替えましょう。コーナーをあえて4速にして極低回転からどれだけ付いてくか試してみましたが、全然余裕ですね。3000回転ぐらいまで落ちていますが、5速でもギリいけるというね。最近のエンジンとインジェクションの設定は非常に優秀ですね。大事なのは街中でどんなシチュエーションでも意のまま扱えるか。やはり、余裕のある走りに繋がっていきます。
ハンドルの広さと、しっかりとしたタンクの大きさ、長さがあります。125というと小さいかもって思うかもしれませんが、大柄に感じるぐらいのポジションでした。
特にハンドルが凄く独特で、走ってみると足回りの方からどっしり感とそれでいて非常に素直なハンドリングを感じられます。それを支えるエンジンは本当にトルクフルで、スロットルに対してリニアに反応する楽しいバイクでした。
そして、乗っているばかりで改めて気が付きましたが、バイクの造形も楽しいですね! ネオレトロとは言いますけれども、色々作り込みがされていて、眺めるのが楽しいです。全部で4種類の色から選べるといことで、今回は赤が目の前にあります。タンクには「125」とデザインされた数字が入っていますが、これすらも格好いいですね。自分なりにカスタムができそうな作りになっているので、色々作り込む楽しみもあるんではないかな。
名前の通り、ヤマハのかつて人気があった“XS”というバイクと、一大カスタムブームを巻き起こした“SR”の流れを汲んでいるものですから、そういった楽しみが非常に皆さんの所有欲をくすぐるのではないかなと思いました!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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