公開日: 2024/01/30
更新日: 2024/02/01
ホンダは昨年12月20日、東京都内でメディアに向けて、ホンダが新たに開発した『Honda E-Clutch(以下、E-クラッチ)』の技術説明会を行った。これにはE-クラッチの開発に携わった小野惇也氏、竜崎達也氏、伊東飛鳥氏のほか、大型モーターサイクルカテゴリーゼネラルマネージャーの坂本順一氏も参加。E-クラッチの説明や開発裏話などが話された。
技術説明会に先駆けて、昨年11月にイタリアで開催された世界最大規模の二輪車展示会『EICMA2023』で披露され、大きな話題となったのでご存知の人もいるだろう。
このE-クラッチは、二輪車用有段式トランスミッションのクラッチコントロールを自動制御し、ライダーがクラッチレバーを操作しなくても発進、停止、走行中の変速を可能にするという世界初の技術。分かりやすく言えば、クイックシフターとDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)のメリットを併せ持った機構だ。
DCTとの違いはクラッチレバーがあること。半クラッチを使いたい時などにはレバーを握ることでライダーによる操作が可能となる。変速もライダーによる操作が必要。これだけ聞くと、クイックシフターと同じように感じるかもしれないが、発進、停止時もレバーを握る必要がない。レバー操作から解放された快適さと、ギアを操って走る楽しさが両立されている。
「ランナーに例えると、100mや200mなど短距離を全力で走るのはトランスミッション。42.195kmなど長距離を走るのはDCT。5000mや1万mなど中距離はE-クラッチなど、うまく棲み分けて波及させていきたい」(坂本氏)
E-クラッチは『CB650R』『CBR650R』に搭載し、販売を予定。今後は他モデルにも順次拡大予定だ。ちなみに、クラッチレバーが装備されているため、現時点ではAT免許で乗ることはできないという。
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