公開日: 2024/05/24
更新日: 2024/05/29
国内最大級の業者向けバイクオークション会場「BDS柏の杜会場」。全国のバイクショップから毎週様々なバイクが出品される柏の杜会場には、希少社・名車・ビンテージバイクが集まる「プレミアムオークション」というコーナーがあります。今回はプレミアムコーナー出品車両のなかから、バイクジャーナリストの小林ゆきさんが気になる車両をいくつかご紹介します。BDSバイクセンサー加盟店はすべて「BDSオークション会員」です! バイクをお探しの方は、お店に是非ご相談ください!
・カワサキ「GPZ750R」
元祖Ninjaなんですが、NinjaはNinjaでもこのハンドルの高さといえばGPZ750Rでございます。私はGPZ900Rに乗っておりますけれども、同じぐらいの年式で国内発売されていたモデルです。なので、もし750をご覧になる機会があったら、まず16インチのタイヤとアンチノーズダイブシステムなんかも付いていたりして、80年代の最新鋭の機構を楽しむようなバイクとしてご覧いただければと思います。カラーはトップガンカラーが出ていた時代のGPZ750Rとなっております。
・ホンダ「X4LD」
CB1300SUPERFOURのエンジン、ビッグ直4のエンジンを積んだちょっとドラッグスタイルの車両として出たバイクなんですけども、あんまり日本では台数が出なかったのでちょっと珍しいかなと思います。
・ヤマハ「XJR400S」
名車中の名車と言っていいと思います。当時カワサキのゼファー400というものが日本のネイキッドブームを牽引したんですけれども、それに抗う感じで4メーカー全部出揃いました。ホンダはCB400スーパーフォア、スズキはGSとかINAZUMAとか色々ありましたけども、ヤマハはこちらXJR400。あくまで空冷にこだわったという車両なんですよね。90年代に発売されたバイクなんですが、こういったものがめちゃくちゃ綺麗な状態で出品されています。サイレンサーには中身がディスクで音を調整したりするのが有名だったアメリカのブランドでスーパートラップのサイレンサーが続いております。もう本当にTHE単車みたいなものが欲しい方はオークション界隈をぜひチェックしていただければと思います。
・ヤマハ「SR500-2」
SRはSRでも、500ccの方ですね。こちらは欲しい人でもなかなか手に入らない希少車。日本では免許制度的に大型2輪免許が必要になってしまいます。元々SRには500と400がありまして、500も結構長く出てたんですが途中で止めますっていう形になりました。こちらは年式的にキャブレターを使っております。500って90年代一大カスタムブームがあって、SRの別冊カスタム雑誌とかも出してましたね。特にSRはみんな小さいウインカーにしたり、アルミボディーのウインカーにしたりとかマフラーも変えていました。こちらの車両は大体ノーマルだとは思うんですが、ハンドルが1文字的なハンドルになっており、そして樽型のグリップ、ミラーもちょっと個性的なものに変更されていたりというそういったプチカスタムが施されております。
・カワサキ「GPZ750」
初年度登録が昭和58年、走行距離が何と2万kmとなっております。GPZの意味は、以前カワサキの方に聞いたところZシリーズの「グランプリ」という意味を込めたネーミングだそう。私は以前CLUBMANという雑誌でカスタム取材とか色々やりましたけども、こちらの車両は90年代のカスタムが流行った頃の王道のやり方を知っていますね。バーハンドルであったりとか、ブレンボのキャリパーに変わっていて、メッシュホースに変えるとか、そういったカスタムが施されているGPZ750です。
・ホンダ「CR125Mエルシノア」
BDSでは出品車両を自社独自に精密なチェックを行なって点数化しているんですが、こちらの車両は特に点数が高いですね。年式的には恐らく1973年ぐらいのものですが、非常に綺麗な状態なので、ほとんど走らせることなくしまってあったんじゃないかなと思います。また、アメリカに結構輸出してたんですけれども、アメリカのコマーシャルにも使われていた車両になっております。今でも二本ショックの車両を使ったビンテージトライアルとかモトクロスとか結構各地で盛んに行なわれておりますので、こういった程度のいいものを皆さん探してるのではないかなと思います。
初年度登録平成3年、走行距離729km!?
歴史的にというか、技術的なところで最重要なのがやはり片側スイングアーム。スイングアームは大体リアホイールを左右2本で支えるんですが、こちらは左側のみとなっていて、右側はホイールをぱっと外せるタイプとなっています。要は鈴鹿8耐とか耐久レースでタイヤ交換する際に、この方が速いよねっていうことで造られました。そのような技術を世界で最初に量産化したのがVFR400R-2です。
当時、レースベース車としてレーサーレプリカという言葉が生まれましたけれども、そのような車両が今回なんと走行距離729kmで出品されています! なぜ729kmのままで眠っていたんでしょうか。ウインカーも付いておりますので、登録すれば恐らくそのまま走れるんじゃないかなと思います。レースが流行っていた当時、レースベース車として何台も持ってるとかスペアパーツとかスペアマシンのためにもう1台持ってたよみたいな話をよく聞いたので、そういう中の1台だったのかなという気もしますけども、ちょっと真相は分かりません。
レースでも90年代初頭のバイクがいよいよビンテージテイストな意味も込めて出れるようなカテゴリーができてきたという話も聞きます。なので、そういったレースを目指している方やもっと程度のいい車両が欲しいよという方、あるいは当時のレーサーレプリカのスタイルに憧れていて手に入れたいよという方は、ぜひBDSバイクセンサーというサイトがありますのでそちらで探していただくと車両が見つかるかもしれません。あとは、もし見つからなかったとしてもBDSバイクセンサー加盟店さんに相談して見つけていただくのも良いんじゃないかなと思います。
ということでBDSのプレミアムオークション出品車両のご紹介でした!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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