公開日: 2024/08/22
更新日: 2024/10/14
日本で2024年8月31日発売のロイヤルエンフィールド「ショットガン650」を、バイクジャーナリスの小林ゆきさんが芦ノ湖峠道で試乗インプレ。見た目からは想像できないスポーツ走行と素直な操作性・豊富なカスタムパーツは長く楽しめる1台!
まずは足つきからということで、私のスペックは身長160cmの手足が結構短めです。
こちらのショットガン650、シートはクラシカルなサドルシートが付いておりますけれども私の股下より全然位置が高くて、なんとシート高795mm! 明らかにハンドリングがスポーツバイクを狙っているので、この高さが欲しかったのかな? ということで私が普段乗っているGPZ900Rとほとんど同じ高さです。車格は650のミドルクラスなんですが、若干ハンドルが高い位置にあって少し存在感がありますね。ただハンドルとシートの距離感は、そこまで遠くはないかなと感じます。
ということで早速、足つきをインプレしていきたいと思います!
まずはサイドスタンドのままでまたがっていきますが、サドルシートがキュっとすぼまっており、エンジン回りとサイドカバーに張り出しているところが全然なくて、すっとバイクの中心にまたがることが出来ます。右足はしっかりステップを踏めていますし、左足も(膝が伸びた状態で)もうちょっとでカカトも付くかもねっていうぐらいの位置関係です。
続いて、装備重量240kgのショットガン650を直立させます。私の足の長さだと795mmのシート高では真ん中に座った状態だと起こすのが厳しいので、お尻を左にずらして起こすと・・・・。結構苦戦しましたが、なんとか直立させられました。鉄の塊のような作りなのでネイキッドにしては軽くはないのですが、それに加えて重心位置が高いので足の力だけで起こすのは厳しいですね。
続きまして、足を踏み替えていきます。両足は着きそうで着かないですけど、引っかかりもなく前がきゅっと絞れているサドルシートのおかげで踏み替え楽ちんです!
では、サイドスタンドをしまってみましょう。上から見ると、サイドスタンドの位置がクルーザーっぽいかなと思うんですが、ハーレーと同じように真横に出ております。また身長150cm前半の方でもなんなく届くでしょうというぐらいとても長いツノが付いております。しっかり感のあるバネなんですが、もう本当に楽々出し入れできます。
足つきチェックをしてみて、これはショットガンの特徴だと思うんですが、足下のステップだけはちょっとクルーザー寄りの位置関係になっていて、私のような短足属にとってはとても恩恵を受けております。スポーティーなステップの位置だと足を着いた時にふくらはぎやスネに当たって邪魔だよとか、引っかかって立ちゴケするとかあったりしますが、これは全く足つきに影響しないです。重心が高くて車体を起こすのが大変だと言いましたが、バイクを直立させてしまえば不安感が全部消えますね!
ロイヤルエンフィールドは、元々イギリスの古い伝統あるブランドだったんですが、インドでも生産を始めて現在はインドの二輪車メーカーとしていろんなモデルを製造する会社になってきました。近年、非常に新しいエンジンだったり、モデルだったりを開発して世界中にシェアを拡大しつつあるメーカーです。日本でもディーラー網が整備されつつあって、ユーザークラブなんかもあったりと、ファンも増やしつつあります。
今回のショットガン650、ミドルクラスということで、まずまたがった感じは非常にどっしりした感じがします。ネイキッドなんですが、全体的にエンジンやスチールパーツがどっしりした感じ。
そして、メインスタンドも付いてたりして、そういうのも相まって、後は意外とスポーティーなポジションだったりするので、若干重心が高いんだと思います。なのでサイドスタンドから起こす際、シート高も高いというのもあって、結構重量感を感じたりするんですけれども、今回は峠道みたいなところを走っていますが結構ヒラヒラした走りを楽しめると思います。
ロイヤルエンフィールドのショットガン650を試乗してまいりました。峠道での試乗だったので、色々語りたいところが出てきました!
今回最も感じたのが「新しいジャンルのバイクを見つけてしまったんだな。ロイヤルエンフィールドは」ということ。ご覧のようにレトロ可愛い・カッコいいようなフォルムで、少しクルーザーにも見えるような雰囲気なんですが、実際に乗ってみるとヒラヒラ感を感じつつ、非常に楽しいスポーツライドができるバイクでした。
フロントが18インチで結構細いタイヤ、そして後ろは17インチで150/70というしっかりしたタイヤを使っております。車両的には結構鉄の塊という感じですし、シート高と重心位置が高いのでまたがった際に重量感があるのですが、走り出した時には全く重さを感じない。それを支えるエンジンは空冷2気筒なんですが、もうスペック以上のトルクフルなエンジンに加えて電子制御が非常に進んでいるんでしょうね。めちゃくちゃリニアなコーナリングで、タイトなコーナーがたくさんあったんですが極々低速で1速で行かなきゃいけないようなところもピタっと路面に吸い付いて非常にコントロールがしやすい。全くギクシャク感がないエンジンに仕上がっております。
ショットガン650はNEORETROという感じでベーシックなスタイルではあるんですが、ややクラシカルなスタイルに振っております。今回の売り文句が『INSPIRED BY CUSTOM FOR CUSTOM』 ということで、ユーザーさんが好きにカスタム出来るように色んなパーツが用意されております。今回試乗したのは一人乗り用のサドルシートでしたが、タンデムシートも付けられますし、ビキニカウルや色んなカスタムができるように作っているんだそう。
クルーザーに一瞬見えるけど「いやいや、実はスポーツバイクなんだよ」という新しさ。そして、650には必要十分なエンジンを楽しめる。さらにはユーザーさんが好きにカスタムしてくださいというシンプルでベーシックなスタイルっていうのが、非常にこのショットガン650のいいところ。ということで、長く長く楽しめそうな1台でした!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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