公開日: 2025/03/24
更新日: 2025/03/25
愛車に長く乗り続けていくためには、定期的なメンテナンスが必要だ。特に大敵なのが錆。早めに錆を落とし、発生を予防することが大切だ。そこで「世田谷ベースのユーチャン」こと雄一郎さんとサビ対策について考えてみた。
バイクライフをスタートさせたら、愛車のコンディションを維持するためにも、定期的に点検やメンテナンスを行うことが大切だ。
雨や風など過酷な走行環境にさらされるバイクにとって、特に大敵なのが錆(サビ)。放置しておくと、軋みや固着、破損などのトラブルが発生しやすくなってしまう。錆を発見したら、早めに落として、常にキレイな状態を保っておきたい。
これらの作業は、日々の仕事、生活に追われる忙しい現代人にとって、手間のかかる面倒くさいことかもしれない。しかし、愛車と向きあって状態を深く知ることで、より愛着が増していくというもの。愛車とガレージで過ごす時間も楽しむのがコツだ。
何でもやってみて「人生を楽しむ」ことをモットーにしているのが、世田谷ベース所属のアーティスト雄一郎さんだ。ユーチューブを中心にSNSなどで人生の楽しみ方を発信している。そこで雄一郎さんの撮影に同行。40年間も放置されていた不動車の錆落としを体験することになった。
訪れたのは、メカニックのサービストレーニングや安全走行セミナーなどを手掛ける「内藤技研」の内藤学さんのガレージ。待っていたのは錆びついたスズキのハスラーだ。1969年に登場した空冷2ストローク250cc単気筒のスクランブラーシリーズ。フットワークの良さが人気の大ヒットモデルだ。カッコいいが、実際に動かすには難あり。今回は復活させるプロジェクトの第一歩となった。
使用するのは、防錆潤滑剤スプレー「WD-40」。1953年、アメリカカリフォルニア州サンディエゴの小さな研究所が、宇宙ロケット専用の防錆・脱脂剤の開発に着手。 金属面に付着した水分を置換(除去)する配合を追求し、40回も試作を繰り返して完成させたという。名前のWDは「Water Displacement(水置換性)」の略で、試作した回数に由来している。
スプレーで塗布された皮膜が金属面に沿って浸透し、水分などの付着物との置き換え現象がおこり、金属面のサビや腐食を防ぎ、性能を維持することができるという。特に錆び付いて動かなくなったボルト、ナットなどを復活させる効果には定評がある。マルチに使えるMUP防錆潤滑剤に加え、用途別の職人シリーズをラインアップ。油汚れ除去剤の泡タイプディグリーザー、プラスチックや精密機器用の速乾性コンタクトクリーナー、潤滑剤の速乾性シリコン、白色なので見やすい持続性ホワイトリチウムグリースを展開している。
当日の天気は良好。肌寒いながらも日差しが暖かく、作業にはもってこいの日和だ。まずはガレージでハスラーのよさや魅力を語り合った。車両を前にあれやこれやと状態を吟味するのも楽しい。
「旧車って佇まいがいいですよね。自分も欲しい! 欲を言えばこのままの感じで乗りたい(笑)」
ボロボロのハスラーに魅せられた旧車好きの雄一郎さん。錆びついたハスラーを眺めるだけでも楽しそうだ。話は尽きないが、そこそこにして作業をスタートした。
特にダメージが大きそうなのは、エンジンのクランクケースだ。オイルと混じり合って、錆がベットリとこびりついている。フォークやイグニッションキー、スロットルボディやタンクなど、ノズルやストローを駆使しながら作業を進める。雄一郎さんも楽しみながら撮影しているのが伝わってくる。
エンジンをバラしたりするのは知識と経験が必要で敷居が高いが、こういった作業は、ビギナーでもできる親しみやすさもありながら、バイクにとっては大切な工程。バイクの楽しみは、ただ乗るだけではない。オイルにまみれて愛車と過ごすのも一興だ。
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