イベント自工会日本二普協注目

「第12回 BIKE LOVE FORUM in 南国みやざき」開催

公開日: 2024/10/04

更新日: 2024/10/16

2013年の開催から、早くも12回目を迎える「BIKE LOVE FORUM」。今年は『バイク×観光・地域振興』をテーマに、市政100周年を迎えた宮崎県宮崎市で9月27日に開催。SSTR主催者の風間深志氏を招いたトーク対談や、電動二輪車利活用による社会課題解決をテーマとしたパネルディスカッションなど、多岐にわたる議論が交わされた。

地域振興へ向けたバイクツーリズムの可能性を探る

挨拶を行った経済産業省自動車課の伊藤政道課長
挨拶を行った経済産業省自動車課の伊藤政道課長

9月27日、宮崎市民プラザで「第12回BIKE LOVE FORUM in 南国みやざき」が開催された。今年のテーマは『バイク×観光・地域振興』。冒頭、経済産業省自動車課の伊藤政道課長が開会の挨拶を述べた。

「今回のBLFは、バイクと観光・地域振興をテーマとしている。近年、観光振興にバイクを活用する取り組みが地方自治体にも広がりを見せる中、観光産業や地域社会への貢献という観点でバイクはどう寄与できるのか、このフォーラムで活発な議論を交わしていただきたい」

続いて、宮崎県知事の河野俊嗣氏、宮崎市長の清山知憲氏が歓迎の挨拶を行った後、フォーラムがスタートした。

初心者に特化したプログラムの『ベーシックライディングレッスン』に変更

ベーシックライディングレッスンの3つの目標
ベーシックライディングレッスンの3つの目標

プログラムは下記の4つ。

①「宮崎市の取組み、二輪車による観光誘致」
②「二輪車産業政策ロードマップ2030取組状況」
③ トーク対談「SSTRに見るバイクツーリズムによる地域振興」
④ パネルディスカッション「電動二輪車利活用による社会課題(脆弱な二次交通)解決」


まず①では、宮崎市観光商工部の児玉宏部長が、宮崎市の観光PRや二輪車による観光誘致の取組みを説明。8月1日~11月30日までの4ヶ月間展開している、宮崎県内の30カ所あるチェックポイントを巡って豪華賞品を貰うことができる、「来てん! 宮崎ツーリングキャンペーン」などについて紹介した。

次に②では、二輪車産業政策ロードマップ2030の取組状況について、経済産業省自動車課の是安俊宏課長補佐が「二輪市場動向と取組み」を説明した。続いて、自工会二輪車委員会の飛田淳司氏とBLF主催各団体が登壇し、「施策進捗と課題」について報告。そのなかで、日本二輪車普及安全協会の小椋道生専務理事が安全領域での活動について、次のように紹介した。

「1991年より32年間続いていた二輪車安全運転講習会『グッドライダーミーティング』は、バイクを購入したユーザー向けに実施していたが、近年は中級、上級ライダーの参加が多く、本来の趣旨と異なる受講形態となっていた。そこで今年から、初心者に特化したプログラムの『ベーシックライディングレッスン』に変更した」

トーク対談「SSTRに見るバイクツーリズムによる地域振興」

(一社)日本ライダーズフォーラムの風間深志代表と宮崎市観光戦略課の本間彰人課長さん
(一社)日本ライダーズフォーラムの風間深志代表と宮崎市観光戦略課の本間彰人課長さん

続いて③のトーク対談では、(一社)日本ライダーズフォーラムの風間深志代表と宮崎市観光戦略課の本間彰人課長が登壇。宮崎市がバイクツーリズムで誘客を図っていくために、行政としてどのような取り組みが有効かについて、風間代表は次のように思いを語った。

「重要なのは、地域の方々がライダーを理解し、ウェルカムしてくれるか。SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリングラリー)では、ゴール地点の『千里浜なぎさドライブウェイ』で、地域のおばあちゃんたちが“おかえり”と声を掛けてくれる。さらに、羽咋市の副市長や学校の校長先生なども足を運び歓迎し、地元のよさこいチームが躍ってくれたりもする。ライダーにとって、おもてなしを受けることがどれほど嬉しいか。また、バイク専用の駐輪場があることが、会話の話題になったりする。宮崎市には、ライダーを日本一歓迎する地域にして欲しい」

これを受け本間課長は、「宮崎市は来年、ライダーを歓迎する街づくりを目指します」と宣言。ライダーにとって居心地のいい環境づくりや、各自治体と連携した魅力発信、飲食店・宿泊施設との協力体制構築を行っていくと発表した。

宮崎アートセンターでツーリングキャンペーンの記念セレモニー開催

賑わいを見せたトライアルライダーによるデモンストレーション走行
賑わいを見せたトライアルライダーによるデモンストレーション走行

そして④では、自工会電動二輪車普及部会の川端雄介部会長、株式会社Gachacoの渡辺一成CEO、日置市役所ゼロカーボン推進係の井上英樹係長、大阪大学大学院の葉健人助教が登壇。「電動二輪車利活用による社会課題(脆弱な二次交通)解決」をテーマに、パネルディスカッションを行った。そのなかで、「モビリティ革命の背景と地方部交通網の課題」「電動二輪車ならではの特性を活かした利活用推進」「地方部における社会課題解決に向け、電動二輪車ができること」について言及。また、川端部会長は、「電動二輪車は、地域課題とカーボンニュートラルの達成、双方に効く処方箋になりうる。日本に適したMaaSの実現に、必要なソリューションであると考えている」と語った。

最後に、二輪車委員会の加藤稔氏(本田技研工業執行役員)が総評を行い、全国オートバイ協同組合連合会の大村直幸会長が閉会の挨拶を述べた。来年の開催は小鹿野町(埼玉県)に決定した。

また、BLF翌日の9月28日には、宮崎アートセンターでツーリングキャンペーンの記念セレモニーが開催された。当日は国内外10社の車両展示をはじめ、トークショー、トライアルライダーによるデモンストレーション走行などが行われ、賑わいを見せた。



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