公開日: 2024/10/28
更新日: 2024/10/30
国内最大級の業者向けバイクオークション会場「BDS柏の杜会場」では、全国のバイクショップから毎週様々なバイクが出品される希少車・名車・ビンテージバイクが集まる「プレミアムオークション」というコーナーがあります。今回はプレミアムコーナー出品のなかから、バイクジャーナリストの小林ゆきさんが気になる車両をいくつかご紹介! ぜひバイク選びのご参考にください! BDSバイクセンサー加盟店はすべて「BDSオークション会員」です。気になるバイクをお探しの方はBDSバイクセンサー加盟店舗にご相談ください!
・スズキ「GSX-R1100-1」
初年度登録が昭和61年ということで、フルカウルのレーサーレプリカ、そしていわゆるリッターバイクの先駆けとなった車種でございます。フロントのライトが2つ目だったり、タンクの上が平らだったりするんですが、この辺りが鈴鹿8耐でおなじみの耐久レースですぐ使える、改造がしやすいタイプのデザインとなっております。また、スズキは世界で初めて量産のアルミフレームを世に出したということで、こちらの1型の車種はアルミフレームなんですが「ダブルクレードルフレーム」というエンジンの下まで覆うような形のフレームになっています。
昭和61年登録となっておりますが当時、業界の自主規制というのがありました。日本では750ccまでしか販売しないという掟があったので、こちらのGSX1100Rは逆輸入車となっております。
そして走行距離が2万6000kmということで、年式にしてはだいぶ距離が浅いです。こういったレーサーレプリカタイプは、皆さん峠やサーキットを走りたいということで、色々カスタムされ過ぎている車両が多いんですが、こちらは結構純正を保っていて、あえて言うならクラッチのマスターが割と新しいGALE SPEEDさんに変わっていたりとか、GSXといえばもう“ヨシムラ”ということで、耐久タイプのヨシムラのスクリーンが付いています。またマフラーが珍しくK-FACTORYさんのフルエキマフラーに変わっています。
レーサーレプリカ界隈は、日本だけでなく海外市場でも結構盛り上がっておりますので、この手のレトロでビンテージなレーサーレプリカを狙っている方は是非BDSバイクセンサー加盟店さんに相談して車種を探していただければと思います。
・ホンダ「CB1100R」
続いて気になった車両です。こちらは初年度登録が平成19年とのことですが、もちろん80年代の車両ですね。CB1100をベースにカウルを付けたのがこのCB1100Rとなっております。CB1100Rは、80年代後半から特に90年代に中古車、新車を含め日本にどんどん逆輸入車という形で入ってきた車両です。90年代に私が所属していたクラブマンという雑誌で何度も取り上げましたが、こういったちょっと古いバイクをレストアして楽しむという文化が日本に根付いた時期でもありました。なので、そういった流れで日本にまた戻ってきた車両かなというふうに思われます。
また、こちらの出品車両はカウルや外装がピッカピカで、いわゆる「オールペン」という塗装を前後施してあります。旧車を選ぶ際には色々選び方がありますが、当時のまま保管されていたものを選ぶ、コンディションを維持しつつも乗り倒して少しやれてしまったものを選ぶ、また既にレストアされた車両を選ぶというのも、今すぐ乗るのであればいいのかなというふうに思います。
・ハーレーダビッドソン「XR1200R」
こちらの車両は日本での初年度登録が平成23年、走行距離が約2万kmとなっております。ハーレーダビッドソンは21世紀に入ってもいろいろな車種を出してきましたが、XR1200Rは、往年の名作と言われるスポーツスター1200のエンジンを積んだXRシリーズとなっています。ハーレーではスポーツに振ったカテゴリーをXRと名づけており、ダートトラック、フラットトラッカー、ロードレースなどのイメージを踏襲したスポーツスターの1200が「XR1200R」です。発売当時は今ほどぱっと買えるような車両ではなかったので、人気はありましたが日本での弾数は全然なかった記憶があります。なので、スポーツスターでこのエンジンを積んでいるというのがかなりミソかなと思います。最近ですと、現代の環境性能に適合させるエンジンにどんどん変わってしまっているので、Vツインの鼓動を感じたい方はぜひ目を付けていただきたい!
・ホンダ「CB1300SFボルドール」
見つけちゃいました。こちらはカウルがMUGEN仕様になっているところがなかなかミソですね! 初年度登録は平成20年となっております。よく見るとラジエーターやエンジンの細かいパーツにも幾つかMUGENが付いていたり、他にもマフラーがモリワキへとカスタムしてあります。走行距離が4万kmということなんですが非常に外観がキレイで、前のオーナーさんがとても丁寧に乗っていたことがわかります。
・ハーレーダビットソン「XL1200X forty-eight」
やはりこれはピックアップしておきたい! 近年ものすごい日本で人気だったなと覚えております。「人気=すごく売れた」ということなんですが、意外と手放さない人が多いという話もありますので、中古車で綺麗な車両が出てきたらぜひ目を付けていただきたい。あとは、ハーレーは先ほど言ったようにね、エンジンがモダンなタイプにどんどん変わりつつありますので、空冷のドコドコと鼓動感を得られるエンジンを楽しみたいのであれば、XL1200Xを選ぶといいのではないかなと思います。
ということで色々ご紹介しましたが、オークション出品車両の中でもこちらは「プレミアムオークション」なので、会員店さんが自信を持って出品をするコーナーとなっています。つまり、ユーザーさんの需要という意味でトレンドも掴んでいるオークションだと思います。ぜひ業者の方、バイク好きの皆さんもYoutubeやこちらの記事でトレンドを見ていただいて、バイク選びの参考になさっていただけると嬉しいです!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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