公開日: 2025/01/27
更新日: 2025/01/30
日本自動車工業会をはじめとする自動車5団体は1月7日、「令和7年新春賀詞交歓会」を都内のホテルで開催した。今回は自動車産業の未来を描いた「自工会ビジョン2035」の発表も行われた。冒頭、自工会の片山正則会長が新年の所信を表明した。
「日本自動車工業会では、会員企業による下請法違反や型式指定制度の不正などが起きた。あってはならない問題だ。業界全体で再発防止に全力で取り組み信頼回復に努める。世界では各国・地域の公共政策を左右する選挙イヤーだ。各国で新たなリーダーが誕生している。今後は、通商・産業政策の面でも厳しい局面を迎えることが懸念される。一方の国内では少子高齢化、労働力不足、自然災害といった社会課題が深刻さを増し、働き方や価値観など、生活ニーズの多様化も加速している。我々を取り巻く環境は非常に厳しいが、日本の自動車産業は、社会への貢献を最優先とし、新たな産業基盤の構築に向けて全力で取り組んでいる。それは、他産業を含めた産業界全体の協力があってこそ成し遂げられるもの。その思いが委員会の発足へと繋がった。そして、この経団連モビリティ委員会が優先して取り組むテーマを『7つの課題』と定め、他産業の方々とともに具体的な取り組みを進めている。一方で、『7つの課題』を定めた当初に比べ、環境変化のスピードも上昇。そのため、自動車産業には一層の推進力が必要だ」
今回、作成した「自工会ビジョン2035」は、自動車産業を取り巻く環境、課題を再整理し、自動車産業がモビリティ産業として目指す「未来の姿」について描いたもの。社会や生活者を中心に据えたモビリティ産業の展望について理解を得て、より多くの人と今回描いた未来に向けて歩んでいきたいという思いと、より多くの方々と同じ夢を抱き、我々産業界がその実現に向け責任を持って取り組むことにより、日本をより良い社会にしていきたい、という⽇本の⾃動⾞メーカー14社・⾃⼯ 会の強い思いが込められている。
内容は全4章。第1章「550万人と築いてきた産業」は自動車産業としての「実績と貢献」、第2章「環境変化と自動車産業の取り組み」は、今までの貢献を将来、持続できないという「危機感」、第3章「2035年Vision~未来の姿~」は、危機を乗り越えた先にある「未来の姿・ビジョン」、第4章「未来への道筋」は、未来の姿とビジョンを実現するための「他産業・政府との取り組み」となっている。
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