公開日: 2025/02/13
更新日: 2025/02/14
大好評の足つき比較企画“第4弾”は「大人気125cc原付二種ギア付き足つき比較」! 今回もユーメディア横浜新山下店さんご協力のもと、バイクジャーナリストの小林ゆきさんが「ホンダ グロム」「カワサキ Z125Pro」「ホンダ モンキー125」「ホンダ ダックス125」を大比較インプレ。ぜひバイク選びの参考にどうぞ!
原付二種を選ぶ人として、免許を取りたてで大きいバイク選ぶのはまだ怖いよっていう方、小柄なのでやっぱり250以上はまだまだ怖い方、またセカンドバイクとしてもう1台欲しいよという方がいらっしゃると思います。今回ミッション付きの人気車種4台を比較して、どの辺を選んだらいいかお伝えしていきます!
今回用意した4車種の違いについてですが、「ダックス」だけクラッチレバーがありません。cubと同じようにギアチェンジはできるけどクラッチ操作は入らないタイプになっています。なのでAT限定のバイク免許で運転ができます。他の3台は全部クラッチがありますので、オートバイを“操る楽しさ“ということでクラッチ操作も楽しみの一つになっております。
そしてシフトの段も4台それぞれが違っています。よりスポーティーな走りをしたい方は5速ミッション、あんまりガシャガシャやりたくない方は4速を選ぶといいかもしれません。また今回選んだ4台は本当に個性がわかれていて、ダックスは往年のダックスを継承した形になっており可愛さが引き立ちますよね。モンキー125も同じです。ちっちゃいモンキーが進化して、可愛らしさは残しつつ普通の大きさになりました。一方、Z125Proとグロムはスポーティー。特にZは非常にカクカクとした形がスポーツ志向で、日本よりも北米やヨーロッパ、アジアの方が非常に人気が高いんじゃないかなと思います。
バイク選びは用途によって変わってくるかなと思います。Zとグロムはやっぱりスポーツ的な走りをしたい方。特にグロムは、グロムカップというレースがあるぐらいなので、ミニバイクとか体験してみたいよっていう方は、この2台を選ぶとスポーツ性能に特化したカスタムパーツを選ぶことができるんじゃないかなと思います。
逆にダックスと、モンキーはレトロ可愛い形をしており、この可愛いを主眼にカスタムすると本当に楽しいと思います。私が毎年行っている北海道ツーリングでもよく見かけるんですよね。特に、このダックスとモンキーは本当にたくさんのカスタムパーツが出ていて、もちろんファッショナブルに着飾るパーツもありますけれども、キャンプやツーリングに特化したパーツもたくさん出ておりますので、そういった方向性で選ぶのもいいかなと思います!
・ホンダ「ダックス125」 シート高=775mm/車重=107kg
私のスペックは身長160cm、手足は結構短めで、同じ身長の方の平均よりも4cmずつ短いです。では早速またがってみたいと思います。ハンドルはバーハンドルでぐっと上がっていて、握りやすい位置にあります。
またがってみると、シートが非常にスリムなのでしっかり真ん中に座っております。片足もベタつきで、車体を起こすのも足の力だけで起こせます。両足は届かず、意外とサスペンションがしっかりしている感じです。サイドスタンドは上からは見づらいですが、足を降ろした辺りに短いものがありますので慣れればノールックでいけますね。車両が軽いですし、細身なので小柄さんでも難なく乗れると思います。
・カワサキ「Z125PRO」 シート高=780mm/車重=102kg
4台の中で1番シートが高く、逆に車重は4台の中で1番軽いです。実は元になったKSR110というバイクに乗っていたんですが、それはクラッチがなかったんですよね。途中からPROって付くと「クラッチ付きもあります」っていう感じに進化しました。そして今は“Z”っていう名前が付いているくらいなので、1000ccのZとかに脈々と続くデザインになっていて、だいぶカクカクしています。そしてアルミのままのステップがなかなかレーシーな感じです。シートはだいぶ追い込んで細くなっております。ハンドルはバーハンドルで高くなっておりますが、見た目に反してフレンドリーなハンドル位置です。
ではまたがってみると・・・・本当に780mm!? ずいぶんと足つきが良いです。左足の膝が曲がっていて、バイクを起こすのも本当に小さいバイクという感じがします。では足を踏み替えますが、足の母指球がしっかり付いていて、更に膝が曲がっている状態なので、ちょっと伸ばしたらギリギリかかとが着きそうな感じです。車体のサイドに余計なものが一切なく、とても良いところにステップがあります。サイドスタンドはだいぶ後ろにありますが、楽ちんに出せます。
・ホンダ「グロム」 シート高=761mm/車重=103kg
横に並ぶと意外と立派で、タンクカバーが横に結構張り出しています。同じようにシートも意外と幅があって、横に張り出しているような感じなのでこれが足つきにどれだけ影響するのか。では早速またがってみましょう!
幅があると言いましたが、その影響を感じることなく全然足つきフレンドリーでした(笑)。ではバイクを直立させますが、もう手が要らないです。めちゃくちゃ軽く感じますね。足を踏み替えてみると、両足が届きます。ただ皆さん信号待ちの時は右足をブレーキに乗せてブレーキランプつけてくださいね。追突される恐れが減ります。サイドスタンドはステップの真下にあって、少しコシがあるような。またがったままかかとで出せて、慣れればノールックで出せると思います。
・ホンダ「モンキー125」シート高=776mm/車重=104kg
往年のちっちゃいモンキーを知っている身からすると、それが大きくなっちゃったって感じですね。シートも横に並ぶと立派だなと感じます。マフラーが横に出ているのが気になりますがまたがってみると・・・・全然丁度いいですね! バイクを起こしますが軽く感じます。私ぐらいの大きさには本当に丁度いいバイクだと思います。
では足を踏みかえると、つま先だけですけど伸ばせば届く。小柄さんもね、組み替え楽なんじゃないかと思うんですけども、サイドスタンドはやはりシートのシートじゃないステップの後ろ上にあるので、結構後ろ側に感じます。出すのはかかとかな。軽い軽くて出たのが分からなかった。めちゃくちゃ軽いです。ということで、このモンキーもね、もうすごい小柄さんにはジャストサイズ。大柄さんもシートがフラットで後ろまであるので、多分ゆったりゆったり感を持って流れると思います。
私のようなバイクブーム世代は大きなバイク至上主義みたいなのがあったので、原付二種はあまり普及していなかったんですけども、この頃楽しいバイクがたくさん出てきて本当に選択肢が増えました。特に、これからバイクの免許を取って初めてのバイクを買いますという方に本当に強くお伝えしたいのが「125だってめちゃくちゃ楽しい」ということ。
私は安全運転講習会の指導員なんかもしているので、結構大人になって普通二輪免許からいきなり大型二論免許を取って憧れの大きいバイクを買っちゃったはいいけども、重さに慣れない、パワーにも慣れないで、苦戦している人を何人も見てます。だったら最初は125のサイズから入ってはいかがでしょうか?
特に女性はバイクに乗ったことがない方だと、このぐらいのバイクでも初めてまたがると重いってなるんですよね。今まで体験したことのない100kgを、片足で支えることがどういうことか。教習所に行って免許を取って、少し乗ったらすぐ慣れると思いますが、いきなり大型二輪免許ではなくて、まずはこの小型限定の免許でMTを取るといいと思います。たった数時間加えるだけでミッション車に乗れますから。特に4輪の免許を持っている方は、実技試験を2、3日受ければ取れますのでぜひ原付二種と言われるタイプを楽しむといいんじゃないかなと思います。
ということで今回は「ユーメディアの横浜新山下店」さんご協力の元、原付二種ミッション車4台を紹介してまいりました。ユーメディアさんでは新車も中古車も含めてまたがりOKの車両がたくさんありますので、ぜひ比較しに来ると欲しい車両のイメージが湧くかなと思います!
●撮影協力:ユーメディア横浜新山下店様
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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小林ゆき流! バイクの選び方!
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