足つきインプレ小林ゆきカワサキ動画

KLX230シェルパ試乗インプレ

公開日: 2025/03/18

更新日: 2025/03/19

レンタル・試乗車あり! 展示車両は全てまたがり可能な“カワサキプラザ松戸店”さんご協力の元、Kawasaki新型「KLX230シェルパ」をバイクジャーナリストの小林ゆきが試乗インプレ! さらに「KLX230」「KLX230S」もお借りして新型3台足つき比較インプレを行いました!

「KLX230シェルパ」足つきインプレ!

「KLX230シェルパ」足つきインプレ!
「KLX230シェルパ」足つきインプレ!

毎回初めてのバイクに乗るときにまず何をするかというと、やっぱり取り回し。どのぐらいの重さがあるかとか、どういった取り回しの感覚があるか確認する意味でまずは車体を真っ直ぐにしてみますが、空冷の134kgで軽いですね。バイクを起こしただけで前後のサスペンションが結構動きます。フロントブレーキを握って、上から押してもめちゃくちゃ動いてるのがわかります。

まず左に切って進んでみますが、1歩目の踏み出しがスゴク軽い! だいぶ斜めにしても大丈夫だし、小回りをさせることができてとにかく軽いですね。ではハンドルを切ってバックします。今、前の方が下がって後ろが高い状態ですが、ここからバックできるかが結構キモだったりします。ガソリンが入ってますけど、随分軽いです。

続いてまたがりチェックしていきます。まずサイドスタンドのまま、またがります。シート高が845mmということで、確かに高いですが車体を起こすのはスゴク軽いし、体重をバイクに乗せてしまうと随分サスペンションが沈みます。感覚的には810mmぐらいのシートの感じなので足を踏み変えると「あれ?こんなに地面が近かったっけ?」って思うぐらい沈んだ状態になっています。ただ、サイドスタンドは私の足では少しキツイ所にあるので、ちょっとコツが必要ですね。そして皆さん乗る前に確認をすべきなのが、自分の足でしっかり支えられるかどうか。バイクを左右に振ってみて、ぐらっときた時の重さをチェックしてみてください。

空冷230とは思えない、力強いトルク感!

空冷230とは思えない、力強いトルク感!
空冷230とは思えない、力強いトルク感!

やはりオフロード車ベースのバイクって楽な姿勢で乗れるのと、遠くが見通せるというのが非常に楽ちんでいいですね。このシェルパはKLX230シリーズと比べて、オフロード走行するための性能としてサスペンションが結構柔らかめにできており、止まっている時にシートに体重を預けるとシート高がぐっと下がるので、足つきが楽です。ですが流石に真ん中に座ると足が届きづらいので信号待ちの際には左側にお尻をずらしています。

そして走り出した時にスゴク思ったのが、空冷230のエンジンなのに「水冷250ぐらいあるんじゃないの?」というぐらいトルク感がいいですね。もしかしたらフロントのスプロケット、リアのスプロケット辺りのセッティングもあるかもしれないですけれども、本当に走りだした時の必要十分なパワー、トルク感が非常に気持ちいい。また、オフロード性を重視しているということでシートが滑りづらく、結構硬めに出来ています。

合流する時にスゴいパワーがあるバイクみたいに感じますが、スペックを見るとそんなことはないんですよね。やはり最近のインジェクションの性能が良くなっているのかな。ギアは6速なので、少しスピードが出せる道路、高速道路でも全然非力さは感じないんじゃないかなと思います。シェルパならではの装備が色々あるんですけれども、ハンドルがまた本格的なテーパー状でステムに取り付ける部分が太く、剛性がしっかり出ているようなハンドルになっています。こういったところで結構オフロード性能を充実させております。もう本当に街乗りでは何の不満もないというか、軽さがかなり楽チンに感じるなというのが正直なところ。これだけ軽ければ普段使いも相当気楽に乗りこなせると思います。

作り込まれたオフロード装備

作り込まれたオフロード装備
作り込まれたオフロード装備

試乗してみて、とにかくエンジンが素晴らしかったですね。空冷230のエンジンなんですけれども、マイルドで優しい感じではなく、オフロードでしっかり十分なトルク感とパワーを感じました。KLXシリーズの兄弟車の中でもシート高845mmと少し下げてあるんですが、サスペンションがどうやら柔らかくなっているということで足つきも多少良くなっています。

ですが乗ってみて感じたのはサスペンション性能というのは決して足つきのために柔らかくしているのではないんだなということ。いろいろ負荷をかけて試してみましたが、やはりオフロードのための装備として作り込んであるのをすごく感じました。ハンドルがオフロード車ベースと同じように幅広だったりとか、テーパーで剛性感を上げてあったりとか。プラスして、シェルパならのグリップがあったり、荷物をかけるところがあったりと、シュラウドがずっとあるんじゃなくて細くなっていたりとか、そういったところで機能性も盛り込んであります。

ベテランさんも納得いくような必要十分な性能を持っていますし、何より空冷エンジンで非常に軽い。軽いかつオフロード車ベースなので体が起きて、目線が非常に広がるので、体格が許せば視界が狭くなりがちな初心者さんにはこういったタイプのバイクから乗るのが良いと思います。そして小柄さん。やっぱりシート高が845mmあるので、まずはまたがって確かめてから決意していただければと思います。160cmを切ってる方はちょっとコツがいるので、その辺は自分の体格と相談してからの方がいいのかなと思います。ただ乗り慣れた方は、少しお尻をずらせば何とかなるじゃん! と感じる方もいると思うので、今回の様にレンタルバイクを活用していただくと良いかもしれません。

●撮影協力:カワサキプラザ松戸様

【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
◎小林ゆきブログ
◎X(Twitter)
◎Kommonちゃんねる

作り込まれたオフロード装備



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