公開日: 2021/11/24
更新日: 2022/09/06
日本自動車工業会は11月18日、記者会見を開催し、来期の役員体制について、豊田章男会長の任期を24年5月まで再延長することを発表した。
従来、自工会の会長職はトヨタ、日産、ホンダの3社が順番に務める輪番制が慣例だったが、豊田会長の続投決定により、異例の3期目に突入することとなる。これは、大変革が必要な時だからこそ、同じリーダーのもとでやっていきたい、との強い要望を受けてのもの。
これについて豊田会長は、要請を受けるべきかどうか最後まで悩んだが、過去の危機対応で得た経験が難局を乗り越えるための役に立てば、との考えから受諾した、と説明した。
今回の人事では、副会長ポストを2席増やすことを決定。日産自動車の内田誠社長、スズキの鈴木俊宏社長が就任する。他の副会長職については、昨年10月に就任した日高祥博副会長(ヤマハ発動機社長)、片山正則副会長(いすゞ自動車社長)は続投し、ホンダは神子柴寿昭副会長(本田技研工業 取締役会長)から三部敏宏社長にバトンタッチする。
カーボンニュートラルやCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)への対応など、状況は刻々と変化しているが、これらの課題に迅速に対応するための布陣となる。
新体制について豊田会長は、
「日本の自動車産業の強みは乗用車、商用車、軽自動車、二輪車すべてのジャンルに優れた技術を持つ企業が存在する『フルラインナップ』であるところ。だが、各社とも固有の課題に直面している。例えばCASE 普及には 商用車先行による技術展開が重要であり、カーボンニュートラルを本気で実現するには、国民車として暮らしを支える軽自動車、二輪車の対応は欠かせない。単独でできることには限界がある。いまは各社が協調し前進することが重要」
と、二輪車についても言及しつつ、重要な局面に差し掛かったことを強調した。
これを受け日髙副会長は、
「かねてより二輪車の価値を広げるための世界標準やルール作り、二輪ファンの拡大に向けた啓発活動に取り組んできたが、現在は大変革の時代。CASEやCVなどに対し日本の産業界全体で取り組まなければならない。これは大きな課題である」
「二輪車産業は世界市場約6,300万台のうちジャパンブランドが約半数を占めるグローバルビジネスであり競争力のある産業。大きな課題に対しては、二輪車産業はもとより、自動車産業とともに取り組み、多様な移動ニーズに応えていく」
と説明した。
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