公開日: 2021/11/29
更新日: 2022/09/06
いま、二輪免許の新規取得者が増えている。2019年、2020年と前年比でプラスになっているが、2年連続して増加というのは、この10年で一度もない。さらには、今年上半期の普通二輪免許と大型二輪免許の新規取得者数が13万6852人と、前年同期比で36%もの大幅増となっていることが、日本経済新聞の調べによって分かった。
2019年から、2年連続して前年比プラスで推移しているのが、二輪免許の新規取得者数。コロナ禍で二輪車が注目されていることはたびたびニュースになっているが、2019年にはすでに前年比0.7%の微増ながら増加へと転じている。このことから分かるように、コロナ以前からの勢いが、コロナ禍によって加速度を増している状態だと言えよう。
2019年の免許新規取得者数の内訳(二輪車新聞調べ)を見ると、原付免許は8万2088人(前年比9.5%減)。これは2011年の約半分の水準だ。普通二輪免許(AT限定・小型限定含む)が16万8842人(同4.6%増)、大型二輪免許が7万4183人(同4.7%増)と、原付免許以外は増加しているのが分かる。全体では、32万5113人(同0.7%増)。原付のマイナス分を他の免許が補ったカタチだ。
2020年には、22年ぶりの出来事が起こる。それが原付免許の新規取得者数の増加だ。8万3575人と、1.8%の微増ながらもプラスとなった。同免許新規取得者数が前年比で増加するのは、1999年以来であり、21世紀になって初のことなのだ。
他の免許においても、普通二輪免許(AT限定・小型限定含む)が18万2272人(同8.0%増)、大型二輪免許が8万916人(同9.1%増)と、全区分が増加。全体では、34万6763人(同6.7%増)。普通二輪免許の新規取得者が18万人、大型二輪免許の新規取得者が8万人を超えるのはともに2013年以来のこと。全体が34万人以上となるのも2015年以来のことで、その伸びも0.7%増から6.7%増へと大きく伸長した。
そして、今年上半期(1月〜6月)だが、日経新聞によると、普通二輪免許と大型二輪免許の新規取得者数が合計13万6852人。これは前年同期比で36%増。コロナ以前の2019年と比較しても22%増にもなる数字だ。2019年から2020年、2020年から2021年、年を経るごとに加速度が増している。上半期でここまで伸びていれば、年間を通してマイナスになることはまずないだろう。
先日、ある二輪販売店が、二輪教習について次のような話をしていた。
「原付一種のスクーターに乗っているお客さんが250㏄のバイクに乗るため教習所に問い合わせたら、2か月待ちだと言われたそうです。教習所の昨年からの混雑ぶりは、いまも続いているようです」
これは全国的な傾向。なかにはあまりにも希望者が殺到し過ぎているため、10月末現在でも二輪教習に関しては募集をストップしている教習所もあるほど。この状況がいつまで続くかは分からないが、これも、年間を通してマイナスにならないだろうという根拠の一つと言えよう。
当然のことながら、免許がないとバイクに乗ることはできない。免許の新規取得者が増えるということは、乗ってもらうための基盤が整ってきているということ。あとは、いかに乗ってもらうか、だ。
販売店の取材をしていると、昨年夏あたりからは、広告宣伝にそれほどチカラを入れなくても、「並べたそばからどんどん売れていく」という話をよく聞く。だが、それがいつまでも続くとは思えないし、売れているからと、もし待っているだけだとしたら、他店にお客さんが流れてしまうかもしれない。そこに危機感を持っている販売店の中には、バイクを訴求する次の一手を用意して備えている。
その『次の一手』を簡単に言えば、バイクライフの提案だ。例を挙げると、数年前から、バイクでキャンプというのが人気になってきている。モーターショーやモーターサイクルショーなどでも、メーカーのブースでキャンプのシーンが再現されていたりする。そのようなディスプレイを店の外からでも見えるような位置に置くことで、「バイクでキャンプ」という提案ができる。
また、用品も扱っている販売店なら、バイクカバーやU字ロック、ディスクロックなどの盗難防止に役立つ用品を一つのコーナーにまとめて、『愛車ガードコーナー』としてお店やネットで提案。あるいは、ETCとドライブレコーダーを装備した車両を『安心・便利ツーリングカスタム』として、これもお店やネットで提案するなど、できることはいろいろある。
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