公開日: 2022/06/29
更新日: 2022/09/06
日本自動車工業会(豊田章男会長)は5月19日、定例記者会見を開催した。
今回、正式に就任が決定した鈴木俊宏副会長(スズキ/代表取締役社長)と内田誠副会長(日産/取締役代表執行役社長兼最高経営責任者)の2名を加えた正副7名の新体制でスタート。豊田会長は会見の冒頭で、新しい役員体制が発足したことを発表した。
「この半年間、新体制スタートに先立ち、正副会長で集まり、共通課題への理解を深めてきた。スピード感をもって自工会活動を進めるには、現場の『事実』を知ることが何より大切だと考え、各社の若手による『サポートチーム』を立ち上げ、『現地・現物・現実』を合言葉に、会社の垣根を越えた取り組みを進めている」
続いて、年頭に掲げた重点テーマのうち「カーボンニュートラル」「成長と分配」「税制改正」への取り組みについて説明。また、2023年の東京モーターショーの開催に関しても言及した。
自工会は新型コロナウィルスや半導体不足自然災害の影響を受ける中で現在、サプライチェーンをつなぐために動いている。また、軍事侵攻による現実にも直面している。資源や食糧価格の高騰など世界経済の先行きは不透明だが、だからこそ、未来に向けた変革を止めない強い意志が必要。その最大のテーマは「カーボンニュートラル社会の実現」だ。
「『カーボンニュートラル』も『成長と分配』も、成り行きで実現できるものではない。そのためにも今年、踏み出すべきテーマが『自動車税制の改革』。自動車業界としては『表年・裏年』という発想や縦割り行政から脱却した『骨太の議論』を求めていく」と方向性を示した。
いまの日本に必要なのは、エネルギーの課題を打開し、カーボンニュートラル対応を加速させながら、新しい成長の道筋を示す、といった成長戦略。 税のあり方も、こうした成長戦略・産業政策の中で腰を据えて見直すべきもの。今年は、大局的な視点から自動車税制の見直し議論を深め、何とか道筋をつけたい、とした。
来年は東京モーターショーの年。前回は130万人の来場者を記録したが、これを踏まえたうえで豊田会長は、「他業界と組むことで100万人規模の集客を達成できることを証明した。その学びを生かし、次回のショーは『ジャパンオールインダストリーショー』という名前にしたい。モビリティーの枠を超えて日本の全産業で連携し、さらにスタートアップ企業も巻き込んでいくことで、多くの人が集まる場にしたい」と意向を示した。
さらに豊田会長は、「私の信念は、「自動車はみんなでやっている産業」「未来はみんなでつくるもの」この二つ。日本の自動車産業の強みは、乗用の他、商用・軽・二輪も含めたフルラインアップ体制。この強みを生かしながら、「カーボンニュートラル」も「成長と分配」も、ペースメーカーとして役割を果たしていく」と意気込みを語った。
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