公開日: 2024/04/25
更新日: 2024/05/02
今年に入り2回目の開催。日本自動車工業会二輪車委員会(日髙祥博⼆輪⾞委員会委員⻑)は3月28日、一般・二輪メディアを対象に第9回二輪車委員会メディアミーティングを開催。ゲストに警視庁交通部と日本二輪車普及安全協会(日本二普協)から担当者を招き、「二輪車の安全運転活動」をテーマに2023年度の振り返りと2024年度の取り組みについて紹介した。
開始に先立ち日髙委員長がミーティングの趣旨について説明した。
「テーマは安全。ここ数年は二輪車の販売台数も原付二種の伸びを中心に40万台の安定傾向にある。一方で昨年は二輪車による死亡事故が増加している。安全知識をどうユーザーに届けるかが大きな課題」と懸案事項の一つであることを明らかにした。
二輪車委員会では「産業政策ロードマップ2030」において、2050年事故死者数ゼロを目指し、2030年のゴールイメージを「2020年二輪車事故死者数の半減」を目標に掲げている。交通安全活動は官民一体となって各県で推進されているが、まだユーザーには十分に浸透していない。こうした状況を受け、
「今日は警視庁、日本二輪車普及安全協会から交通安全啓発、安全教育の状況について説明を頂くので、活発なディスカッションを行い市場活性化につなげていきたい」と語った。
まず、2023年の事故状況と状態別死者数について。自動車乗車中は減少したが、自動二輪乗車中は前年比14%増の391名、原付は27.2%増の117名に上ることを明らかにした。また、年齢別死者数については、20~24歳が63名と他の年代に比べ圧倒的に多く前年比70.3%となった。
続いて、安全装備について。日本でのヘルメット着用率は100%に近い水準にあるが、アゴ紐の正しい装着など改善点は多い。死亡原因を損傷部位別に見ると、頭部に次いで胸部が多く、他の部位は少ない。つまり、頭部に次いで胸部の保護が重要と言うこと。けれども胸部プロテクター装着率は全排気量平均で9.26%と低い。着用率向上が急務といえる。
今回のミーティングには、警視庁交通部 管理官 川嶋泰雄氏、日本二輪車普及安全協会 安全本部本部長 荒井龍介氏らが参加した。川嶋氏は2023年における二輪車死亡事故の発生状況について、通勤・通学時の比率が54.5%を占め、ツーリングなどレジャー時の事故比率27.3%を大きく上回っていることを指摘。また、事故の類型別では右折時の事故、いわゆる右直事故が22.3%と単独事故の37.2%であることも指摘した。
また、荒川氏からは、全国の主要SAやPAでのポスターやデジタルサイネージの掲示やシンポジウム事業なの活動について報告が行われた。また、平成3年から「グッドライダーミーティング」という名称で講習会が開催されてきたが、交通事故死亡者数の増加を受け、「初心者」「若年層」「リターンライダー」をターゲットとした新たな講習会を発進することとなったことから、講習会名称を「ベーシックライディングレッスン」とし令和6年度から開始することも明らかにした。
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