公開日: 2024/05/09
更新日: 2024/05/14
いまのライダーは何をキッカケにバイクに乗るようになり、どのようにショップと付き合い、どんなカタチでバイクライフを楽しんでいるのか。30代から50代までのライダーにインタビューを行った。そこから見えてきたこととは。
需要期真っ只中である。コロナ禍との比較では、二輪需要は落ち着いた感があるが、2024年に入り相場は再び堅調に転じている。これはオンシーズンに入ったからなのか、それとも二輪需要が一段ステージアップしたからなのかは、まだ分からないが、中古小型二輪、中古軽二輪の販売台数は、今年に入り月を追うごとに拡大。貿易も好調に推移している。市場に再び動きが見えているのは確かだ。
現役ライダーには“数十年選手”から最近乗り始めた人まで様々だが、近年、人気が高まっているのはネオクラシック系モデル。この傾向はコロナ禍以前に発生したものだが、国産、外車問わず様々なメーカーがリリースしており年々、ニーズが高まっている。モーターサイクルショーでデビューしたGB350Cもこの範疇だろう。
アドベンチャーモデルも安定需要がある。キャンプ使いにも適していることから、ブームに比例しさらに人気が高まったモデルといえる。
今回、8名のユーザーに、「バイクライフについて」「バイクショップとの付き合い方」などに関するインタビューを行った。アドベンチャーモデルやネオクラシックモデルに乗るユーザーにも話を聞いたが、特定メーカーに偏らず、また国内メーカー、海外メーカーを問わず、幅広い選択肢の中から車両を選んでいるのが分かる。選択肢の広さは、購入者の満足度を高めることに繋がる。これはユーザー定着には欠かせない要素だと考えられる。
あきゃさん 37歳 兵庫県在住
愛車:BMW F700GS、ホンダ CRF250Rally
●バイクライフについて
バイクに乗り始めたのは2013年です。北海道旅行に行った時、気持ちよさそうに走るバイクを何台も見て、自分も乗りたいな、と。いまはBMWのF700GSの他、ホンダのCRF250Rallyを所有しています。もし3台目を買うなら、狭い道にも入って行けるクロスカブかハンターカブがいいですね。乗る頻度は2週間に1回ぐらい。F700GSで琵琶湖や日本海方面に写真撮影ツーリングに行くことが多いですね。CRFは普段は実家にあります。というのは、実家の近くに良い林道があるからです。去年CRFで日本一周をしたのですが、それ以来、乗る回数がかなり増えています。
私、人のカスタムを見るのが好きなんです。その人がどういう乗り方をするのかを想像するだけで楽しい。私自身は旅スタイルが好きなので、キャリア等の積載系を中心にカスタムしています。去年、CRFにフォグライトを装着し効果を実感できたので、次はF700GSにも付けようと思います。最近普及してきたバイク用スマートモニターの装着にも興味があります。
バイク情報はXとBlogがから得ることが多いかな。ツーリングスポットやカスタム情報、商品レビューをチェックしています。動画ほど時間がかからないのがいいですね。
●バイクショップとの付き合い方
行きつけの店はF700GSを購入したBMWモトラッドの正規ディーラーです。オイル交換や点検、アフターパーツの取り付けなどでお世話になっています。BMWは敷居が高いと思っていましたが、対応がとてもフレンドリーで、予算に合った整備の提案をしてくれるので助かっています。ショップには、ほぼすべての車種が展示されているので見るだけでも楽しいんです。以前、手土産を持って行ったことがあるのですが、後日、オーナーからお礼の手紙をいただきました。この心遣いは嬉しかったですね。
●バイク全般について思うこと
ソロで楽しむことが多いので、コロナ禍でもバイクライフに大きな変化はありませんでした。ただ、いわゆる「おひとりさま」が世の中に浸透したことで、ソロ向きの店舗が増えたのは良かったと思います。あと、強く感じたのは女性ライダーが増えたこと。バイクで日本一周した時に強く実感しました。みなさん、カッコ良かったですね。一方で最近、増えていると思うのは運転マナーの悪い人。ツーリングロードや快走路で平気で“イエローカット”しているバイクを何度となく見かけました。
バイクを取り巻く環境としては、公共の二輪駐車場の整備に力を入れて欲しいですね。温泉街で二輪駐車場が全く見つからず、「もういいや」と諦めたことが何度かありました。バイク人口はコロナ禍で増えたと思いますが、この先は横ばいか減少すると思います。でも新モデルが続々とリリースされているし、バイク用品・ウェアも大手メーカー以外から多数販売されています。どれも機能的でオシャレなので、新しい人が入ってきやすい環境だと思います。
46kenbuさん 55歳 神奈川県在住
愛車:カワサキ GPZ900R Ninja
●バイクライフについて
学生時代から大型バイクに対する興味がありました。でも、何も行動に移すことがないまま、気付いたら50歳を過ぎていました。このまま大型バイクに対して憧れるだけで人生終わりたくないので2021年に大型二輪免許を取得しバイクを購入。いまは週に1回は乗っています。ソロでのんびり伊豆や箱根に行きます。情報ですか? YouTubeかバイク雑誌が情報源です。
●バイクショップとの付き合い方
行きつけのショップはありません。飛び込む勇気がないので(笑)。私は自分でできることは自分でやる、がモットーです。オイルなど消耗品の交換なら、すべて自分でやっちゃいます。そのため、2りんかんやナップスには良く行きます。
●バイク全般について思うこと
一時期高騰した中古車相場も、以前に比べたら徐々に落ち着いてきたように思います。それ以外は、あまり大きな変化は感じないですね。今後はRZ250やTDR250など旧車の2ストに乗ってみたいです。
平尾さん夫妻(尚紀さん30代 加菜絵さん30代) 長野県在住
愛車:ホンダ APE50・CRF1000Lアフリカツイン、ヤマハ セロー250
●バイクライフについて
初めて買ったのはエイプ50。これでギヤ付バイクの楽しさを知りました。通勤でも乗っています。その他、アフリカツイン、セロー250(妻と共用)、CT125ハンターカブを保有しています。連休には北海道や九州へロングツーリングに行きます。カメラが趣味なので風景写真を撮りに行くことも多いですね。最近は原付をクルマに積んで離島やローカルスポットに行くのがマイブームです(尚紀さん)。
18歳の時に二輪免許取得。主人との出会いをキッカケにリターン。75ccにボアアップしたモンキー50とCT125ハンターカブを所有しています。主人やその友人たちと一緒にバイクを楽しんでいます。乗るのは月1~2回。モンキーとエイプでの佐渡島一周は最高でした。今後乗ってみたいのはダックス125です(加菜絵さん)。
●バイクショップとの付き合い方
以前、栃木に住んでいたのですが、その頃の行き付けのショップは、車両メンテナンスが専門の、とても親切な店でした。社長が心底バイクを愛しているのが伝わってくる、そんな感じでしたね。お店とお客という関係ではなく、いちバイク好きとして付き合ってくれるのが嬉しかった。いまでも遊びに行っています。長野には法定点検でお世話になる店があるのですが、以前、車検で預けていた私のバイクを勝手に店のYouTubeチャンネルに載せていたことがありました。これはイヤでしたね(尚紀さん)。
●バイク全般について思うこと
最近はレブルやMC51に乗る若い人が増えたなぁと思います。女性ライダーも増えましたね。ビーナスラインが近いのですが、ここ数年、無謀な走り方をするバイクが増えたので、行かなくなりました。バイク乗りの肩身が更に狭くなるような運転はやめてほしいですね。
二輪業界は四輪の先進装備(ADAS、電動化等)と違って価格の上昇に対する付加価値の向上が追いついていないと思います。解析やシミュレーションなど開発技術の進歩によって、装備やスペックに現れない乗り心地や性能面も向上しているのですが、実際に買って乗るまで分からない。ディーラー網や販売チャネルの変更のためか、地方は試乗車が少なく、新型バイクのポテンシャルを知る機会が限定的なのが残念です(尚紀さん)。
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