公開日: 2022/02/24
更新日: 2022/09/06
逢沢一郎前座長の後任として自民党PTの座長のポストに就いた三原じゅん子議員。先頃開催された大村会長、吉田会長との座談会では、就任にあたっての抱負に始まり、二輪車の駐車場問題やカーボンニュートラルなどの諸問題について語った。
『自民党二輪車問題プロジェクトチーム(PT)』の新座長に、三原じゅん子議員が就任した。逢沢一郎前会長よりバトンタッチを受け、会長職に就いた。PTは複数の省庁間にまたがる二輪関連問題を総合的に検討し、ユーザーの利便性を改善することを目的に2016年、自民党の正式機関として設立。発足以来、125㏄免許取得の簡素化や二輪駐車場の増設、ETC割引料金の導入など様々な重要課題に取り組んできた。
去る1月24日、永田町の都道府県会館で、三原議員を中心に、全国オートバイ協同組合連合会の大村直幸会長、オートバイ政治連盟の吉田純一会長の3氏による座談会が開催され、業界問題について意見交換が行われた。
――自民党二輪車問題対策PT座長就任の抱負――
大村 自民党二輪車問題対策PT座長に就任されました。
三原 10年以上前に松浪健太先生に勧められ自民党オートバイ議員連盟に入会しました。私は四輪のモータースポーツの世界に入り、鈴鹿8耐で監督も経験しましたが、オートバイ議連に入会したことで二輪車には駐車場や高速道路料金等の問題が山積していることを知りました。今は大きな転換期です。ガソリンエンジンからEVへという潮流を見て思うのは、法律や規制も転換すべき時期にきているということ。ユーザーに永くオートバイを愛して頂けるような環境を整える。これが政治の力だと思っています。
――二輪車の駐車問題について――
大村 原付バイクは国民の生活を支える重要な乗り物ですが、都市部での二輪駐車場問題は依然、解決には至ってません。
三原 駐輪場問題は長年の懸案事項。二輪の存在を行政側に理解して頂く必要がある。国土交通省に対し要望を打ち出していく必要があります。
吉田 駐車問題については、警察庁から各警察に通達を2度出してもらってます。一旦は緩和されるのですが、また厳しくなる。各警察の見解にも差異があるのです。
三原 1都3県で見解を統一する必要があるでしょう。
――カーボンニュートラルについて――
大村 カーボンニュートラルにより、ガソリンエンジンがなくなってしまうのではないかという懸念があります。
三原 エンジンがEVに置き換わるのは、そう簡単なことではありません。仕事や災害時に使われるオートバイやクルマはどうするのか、という問題もある。日本が諸外国に遅れをとっていることは承知してますが、日本で培われてきたものを大切にしていくという価値観もある。考えながら進むべきです。1人のモータースポーツファンとしては、ガソリンエンジンの音や匂いがなくなる事の寂しさは感じます。それを今後どのようにシフトし、どう魅力的なものにしていくのかがポイントです。
大村 カーボンニュートラルについても両極端の意見が存在しますが、世間は多数の意見に流されがちです。原付は460万台の保有があります。いつまでも乗り続けることができる社会の創造を、三原先生にお願いしたいと思います。
三原 すべての人の意見をキチンと聞くべきです。どんなに素晴らしい政策でも、取り残されてしまう人がいたら、意味がないでしょう。
吉田 小型コミューターの究極はオートバイです。製造から使用を経て廃棄までを考えた時に、一番エネルギーを使わないのは原付。新たな乗り物の実証実験も大切ですが、既存の原付を活用することが有効だと思います。
――今後のPTの在り方について――
大村 今後のPTと二輪車業界との連携の在り方等についてお考えをお聞かせ下さい。
三原 私たちが一番時間をかけて議論してきたのは、高速道路の二輪車料金問題です。誰に聞いても、軽自動車と同じ料金なのは理解できないと言います。この、国民の当たり前の感覚を大事にする。それが政治の役割なのです。今までPTの中で逢沢先生が闘ってきたことのなかには、未来に向けた新たな技術革新など様々なものがある。免許制度を含め今後、関連省庁は増えていくと思います。オートバイ業界の皆様とユーザーが一丸となり、日本でしか作れない魅力的なものを大事にしたい。オートバイがどれだけ素晴らしいものかという思いを継承していくことも大切なのです。
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