公開日: 2024/04/05
更新日: 2024/04/11
海外ブランドが日本のトップビルダーにカスタムを依頼する。そんなスタイルが新たなトレンドを生み出している。顧客を満足させる手段の一つとして、大いに注目すべきではないだろうか。
2023年12月に開催された横浜ホットロッドカスタムショー。2台のハーレーカスタムが大きな話題を呼んだ。ベース車はX350とX500。発売から間もないミドルクラスハーレーが「HOTDOCK CUSTOM CYCLES」「Wedge MOTORCYCLE」の両雄によってカスタマイズされた、というインパクトが、新型ハーレーの販売好調に影響したことは想像に難しくない。過去にもトップビルダー4人によるBMWの「RnineT プロジェクト」など、海外ブランドが日本のトップビルダーにカスタムを依頼し誕生した「至高のカスタムバイク」は数多く存在する。その機能とデザインを兼ね備えた完成度は、エンドユーザーの羨望の的となった。
そんなメーカーとカスタムビルダーがタッグを組むという、新しい取り組みの一例として、第51回東京モーターサイクルショーにおいて、新たなカスタムマシンが発表される。ベースとなるのはMUTT MOTORCYCLES、手掛けたのはCUSTOM WORKS ZONの吉澤代表だ。
「これまでは大排気量のバイクばかりを手がけてきました。できるなら若い世代の方に人気のあるバイクにも触ってみたい。そう思った矢先に目に留まったのがMUTTでした。シンプルでカスタムにも適している。何よりそのブランド精神の『気軽に乗れて、維持が簡単、それでも大型の旧車と同じようなスタイルとサウンドを感じ、無限のカスタマイズの可能性を持つ』そんなMUTTに流れる精神、コンセプトに外れないカスタムをしてみたいと思いました」
若い世代へ向けて、このMUTT MOTORCYCLES カスタムに吉澤代表はどんな想いを込めたのだろう。
「この先、若いユーザーたちが小排気量から大排気量のバイクに行く過程を見ていたい。そんな思いを込め、未来に向けて作りました」
今回のボルトオントレーシーボディはカスタムキットとしての販売も視野に入れている。トップビルダーのパーツを自分の手で組み付けられる日も近いということだ。
海外メーカーが日本のトップビルダーにカスタムモデルを発注するというスタイル。この流れが新たなカスタムバイクブームの起爆剤になるのではないか。「エンドユーザーが唯一無二の個性と価値を、自分の愛車に見出す」そんな顧客満足度向上の手法の一つとして、今後も注目していきたい。
滋賀県蒲生郡に日本が世界に誇るカスタムビルダー。2007年に吉澤雄一氏を中心に設立。07年USAラッツホールショーの優勝から始まり、15年にはHARLEY DAVIDSON本社より日本のトップビルダー5社の1つに選出される。様々なカスタムバイクショーでの優勝、アワードは数知れず、HARLEY、BMW、トライアンフなどのカスタムの実績でその地位を不動のものにしている
人気記事ランキング